17 September 2025, Wednesday

6年ぶりの燕岳 : 燕山荘に一泊し下山

燕岳に登り、蛙岩までの表銀座縦走路を歩いて15時前に燕山荘に戻ってきた。今日はここで1泊して、明朝 下山する。

もくじ

  1. 6年ぶりの燕岳 : 準備編
  2. 6年ぶりの燕岳 : 大阪から松本経由で中房温泉登山口へ
  3. 6年ぶりの燕岳 : 中房温泉から燕山荘
  4. 6年ぶりの燕岳 : 表銀座稜線を歩く。燕岳と蛙岩を往復
  5. 6年ぶりの燕岳 : 燕山荘に一泊し下山
  6. ヤマレコの記事 『燕岳と蛙岩

燕山荘

20250916-enzansou-18.jpg
昼頃にヘリコプターで運ばれてきた食料品類が、第一別館の玄関前に山積みになっている

20250916-meal.jpg
談話室で夕食 (湯で戻したプロテイングラノーラ、フィッシュソーセージ、バウムクーヘン、ライトミールブロック プロテイン1/2箱)

必要な栄養量は足りているはずだが、なんだか寂しい見た目だ。普段はグラノーラをヨーグルトに混ぜて食べているが、この日はお湯しかなかったのでそれを使った。超不味い食べ物となり、水で流し込むようにして食べきった。

この日の日没は17時49分。その1時間前には夕日にそまる景色が見れた。

20250916-enzansou-19.jpg
燕山荘 本館前からテント場と燕岳を見る。テント場はほぼ一杯になっている

羨ましいな... テント泊。予約サイトが「満」表示じゃなかったら、私も今日はあのテント場で泊まっていたはずだ。

20250916-enzansou-20.jpg
16時50分過ぎ、夕日に染まる燕岳。安曇野側からガスが上がってきている

20250916-enzansou-21.jpg
17時59分、黒部源流域の峰々に日が沈む

16時50分から食堂で夕食が始まるのか、本館1階から第一別館までズラッと行列ができている。宿泊者は、高齢者が多いようだ。食料を持ってくるのが重いのだろう。それとも、5千円の食事を高くは感じていないのだろう。

日が沈んで空が真っ赤に染まるのを期待して待っていても、いつまでたっても赤くならず、残念ながら一気に青紫色に暗くなってしまった。

20250916-enzansou-22.jpg
燕山荘より東方向の夕焼け。意外にこちらのほうがきれいだった

20250916-enzansou-22-b.jpg
日没と逆側の空に見える反薄明光線がくっきりと見える(画像をコントラスト調整)

20時 消灯。廊下の非常照明がいくつか点灯しているため、トイレに行く程度のことはヘッドライトがなくても問題ない。

星空を見に外へ出てみると、小屋の周囲はガスに覆われている。天頂付近に星がチラッと見えた気もしたので、ガスは稜線を吹き抜けているだけで薄いものなのかもしれない。

真夜中、小屋の外に置かれている貯水タンクに雨粒がポツポツと当たる音がする。その間隔が短く、頻繁になり、換気のために少しだけ開けた窓の風切り音がすごくなって、暴風雨になっているのがわかる。

20250916-weather-rader.jpg
気象レーダー(9/16 23:00 〜 9/17 03:00)

レーダーの画像からは、未明の3時頃には雨はやんでいたようだ。

朝4時に起床。窓の外側に水滴がびっしりと付いて、吹き降りの雨だったことがわかる。

第一別館の談話室で朝食。バウムクーヘンとフィッシュソーセージという簡単なものだ。私と同じく、朝食を食べていた登山者も何人か居た。

日の出は5時27分。その30分以上も前から燕岳の山頂にご来光を見に出かける登山者が何人も出発していった。外は濃い霧なので、燕岳に登ったとて晴れ渡る可能性は低いだろうに。

20250916-enzansou-23.jpg
5時25分、第一別館の前で日の出を待つが、霧雨で全く見えない

5時半頃から、下山する登山者が何人か出発していった。私も5時40分すぎに第一別館の玄関の外へ。

20250916-enzansou-24.jpg
5時46分、燕山荘の本館前。濃い霧の中、下山する人、縦走する人たちが出発の準備をしている

20250916-enzansou-25.jpg
燕山荘のテント場。未明の風雨と朝まで続く霧雨で、誰も外に出ていない

昨日はあれだけ羨ましく思っていたテント泊だが、未明の風雨に朝まで続く霧雨ではテント撤収もままならないだろう。

燕山荘から中房温泉へ下山

燕山荘 〜 合戦小屋 : 1.4km, 2,700m → 2,380m

20250917-enzansou-kassenkoya-01.jpg
燕山荘前より合戦尾根へ。霧の中に消えていく登山道を降りていく

20250917-enzansou-kassenkoya-02.jpg
合戦尾根の1つ目のベンチ。霧が濃く、晴れていれば左上に見えるはずの燕山荘は全く見えない

20250917-enzansou-kassenkoya-03.jpg
燕山荘から標高差100mほど降りてきた。ガスの下に出たのか、東の空に日の出の太陽が見える

20250917-enzansou-kassenkoya-04.jpg
朝焼けに照らされた、紅葉が始まりつつある合戦尾根の登山道

20250917-nanakamado-01.jpg
いい色に色づいているナナカマド

20250917-enzansou-kassenkoya-05.jpg
霧雨と、朝露を付けた道の両側のハイマツで、レインコートはずぶ濡れ状態に

20250917-enzansou-kassenkoya-06.jpg
合戦尾根の中ほどにある安山岩(?)の露頭。前を行く登山者を追い抜く

20250917-enzansou-kassenkoya-07.jpg
合戦沢ノ頭より、燕山荘方向を見る。まだ完全にガスの中のようだ

20250917-enzansou-kassenkoya-08.jpg
合戦小屋に向けて降りていく。北中川谷を挟んだ向こうに大天井岳と常念岳の間の稜線が見えている

この場所からは槍ヶ岳も見えるのだが、残念ながら完全にガスの中だ。

20250917-nanakamado-02.jpg
真っ赤に色づいたナナカマド。上空に青空が広がってきた

20250917-oyamarindou.jpg
オヤマリンドウ

燕山荘を出発してから約30分で合戦小屋に到着。上空は半分くらい青空が広がっている。

ここでレインコートを脱ぎ、栄養補給に羊羹を食べる。

20250917-kassenkoya.jpg
合戦小屋 (標高約2380m)

合戦小屋 〜 中房温泉 登山口 : 2.7km, 2,380m → 1,460m

合戦小屋で15分弱 休憩して出発する。休憩している間に何人かの登山者が後ろからやってきて、追い抜いていった。

20250917-siratamanoki.jpg
シラタマノキ

20250917-kassenkoya-nakabusa-01.jpg
急傾斜の登山道を、慎重に駆け下りる

20250917-kassenkoya-nakabusa-02.jpg
「これより先は通れません」の標識。でも登山道は分岐していないので、通る以外に下山できない

この標識、6年前にも掲示されていた。どういう意味なのだろう...

20250917-kassenkoya-nakabusa-03.jpg
誰も休憩していない富士見ベンチ

富士見ベンチを過ぎたあたりより、登ってくる登山者とすれ違うようになる。

20250917-kassenkoya-nakabusa-04.jpg
第三ベンチ。すぐ先を駆け下りている登山者に追いついた

先行して駆け下りる登山者についていくこととした。2名連続で駆け下りていくと、登ってくる登山者に少しは「圧」になって、すれ違いの待ち時間を省略できることもある。

20250917-kassenkoya-nakabusa-05.jpg
7時20分ごろ、第二ベンチ。多くの登ってくる人とすれ違う

この時間にすれ違う登山者は、中房温泉に7時半に到着する穂高駅発の定期バスに乗っている人たちではない。東京発の毎日あるぺん号が6時頃に中房温泉に到着するので、それに乗ってきた人たちなのだろうか。

20250917-kassenkoya-nakabusa-06.jpg
第一ベンチに向けてどんどん下るが、登ってくる登山者を交わすための待ち時間も多く発生する

第一ベンチを通り過ぎると、穂高駅からのバスの乗ってきた登山者の行列とすれ違うようになる。どこまでも続く行列が通り過ぎるのを数分待つこともザラだ。

20250917-kassenkoya-nakabusa-07.jpg
まもなく登山口

7時50分、中房温泉登山口に到着。燕山荘を出発して2時間5分ほどかかった。登ってくる登山者とのすれ違いに費やした時間がもう少し少なければ、2時間切りも問題なかったはずだ。

20250917-nakabusaonsen-01.jpg
中房温泉 登山口

20250917-nakabusaonsen-02.jpg
公衆トイレ横の流し台で、顔を洗い歯をみがく

20250917-nakabusaonsen-03.jpg
バス停の横にある中房温泉登山相談所

燕岳はサクッと登れる山なので、チャラいインバウンド公害もたくさん登っているが、ガチ登山する本格的な外国の人も居る。

20250917-nakabusa-taiwan.jpg
登山開始の記念撮影を行っている台湾からの登山者たち(大天井岳・槍ヶ岳を経由して上高地に降りるらしい)

これから天候が悪化するのに、縦走路に突っ込んでいくガチ登山のすごい人たちだ。Webに旅程表が載っていたので転載する。

20250917-nakabusa-taiwan-02.jpg
台湾の登山者たちの旅程表(亜州 荒野旅人

天候は悪化方向だが安全に下山でき、雲間からきれいな景色が見れると良いなと思います。

20250917-nakabusaonsen-04.jpg
中房温泉 バス停。7時半にやってきた小型バスが2台停まっている

■ バス 中房温泉 09:00発 → 穂高駅 09:55着(運賃 1,500円)

20250917-jr-hotaka-01.jpg
JR穂高駅前に到着した中房温泉発のバス

松本経由で大阪へ

20250917-jr-hotaka-02.jpg
JR穂高駅

小さな駅舎内には指定席券売機があり、ここで特急を乗り継いだ経路で大阪までの切符を買うことはできる。

しかし列車の出発まで数分しか無いため、モバイルSuicaで駅に入場。大阪までの切符は松本駅で購入することにする。

20250917-jr-hotaka-03.jpg
JR穂高駅のプラットホームから見た常念山脈の稜線。上空はほぼ雲に覆われている

燕山荘WebページのスタッフBlogでは " 今日の日中はどんよりとした雲に包まれました。日差しもあまりなかったので、なんとなく暗い感じの一日となりました。" と書かれている。

ライブカメラではどうなのか、様子を探ってみると...

20250917-tyougatake-live.jpg
蝶ヶ岳ヒュッテのライブカメラ(9月17日)

20250917-enzansou-live.jpg
燕山荘のライブカメラ(9月17日)

常念山脈の南端(蝶ヶ岳)と北端(燕岳)で、ほぼ一日じゅう中層雲に覆われてはいたが雨は降っていないという状況だったようだ。

20250917-jr-hotaka-04.jpg
JR穂高駅にやってきた松本行きの普通列車(E127系 2両編成)

■ JR大糸線 穂高駅 10:03発 → 松本駅 10:34着 (運賃 330円)

20250917-jr-matsumoto-01.jpg
JR松本駅

20250917-jr-matsumoto-02.jpg
JR松本駅。改札とみどりの窓口の間に指定席券売機がある。行列のできているみどりの窓口よりも券売機のほうが断然スピーディー

松本駅の指定席券売機で、特急しなの・新幹線乗り継ぎで大阪まで行く切符を買う。

20250917-jr-ticket.jpg
松本発 大阪行きの切符。自由席の特急・新幹線乗り継ぎで11,110円

名古屋行きの「特急しなの」は1時間毎に出ていて、20分待ち合わせの10時51分発がぎりぎり間に合う。その次は11時53分発で1時間ちょっとの余裕時間ができる。

1本見送って松本で昼食を食べることにする。選択肢は駅前の牛丼の松屋か、アルピコプラザ地下1階のフードコート。一昨日はフードコートで昼食を食べたので、今日は松屋にする。

20250917-matsuya-01.jpg
JR松本駅前の松屋

11時までは割安なモーニングの定食が食べられる。

20250917-matsuya-02.jpg
昼食は松屋のモーニング 「得朝牛皿定食」(ご飯特盛でも 400円)

昼食を食べ、40分ほど冷房の聞いた店内で休憩した後に、松本駅に戻る。昼休み前のこの時間帯はお客さんもほとんど居ないので、のんびりと休憩しても迷惑にはならないだろう。

■ JR中央線 特急しなの 松本駅 11:53発 → 名古屋駅 14:01着 (大阪まで 運賃 11,110円)

20250917-jr-matsumoto-03.jpg
JR松本駅に入ってきた特急しなの。向こう側のプラットホームには新宿行きのあずさが停車している

20250917-jr-hensei-sinano.jpg
自由席は名古屋方向の先頭2両

特急しなのは長野駅が始発なので、どれくらい自由席が埋まっているか少し心配だったが、実際はほとんど乗客が乗っていない状態だった。多くの客は松本駅から乗るので、好きな席に座り放題状態。

JR西日本のe5489で指定席車両の予約状況を見ると、各車両ともに窓際の席が3/4くらい埋まっている程度の乗車率。自由席も、名古屋に着く頃にはそれくらいの乗車率だった。

インバウンド公害は東京から来て東京に戻るので、名古屋との間の列車にはあまり乗らないのだろう。車内で見かけた外人は数人程度だった。

20250917-jr-nagoya.jpg
14時、JR名古屋駅に到着。「特急しなの」の長野側の先頭車両

20250917-jr-nagoya-02.jpg
JR名古屋で新幹線に乗り換える

プラットホームに出ると、すぐに「のぞみ」が到着した。自由席は先頭2両で、窓越しに中を覗いただけで満席近くの乗客が詰め込まれているのがわかる。

「のぞみ」2本を見送り、新大阪行きの「ひかり」に乗車する。

20250917-jr-nagoya-03.jpg

■ 東海道新幹線 名古屋駅 14:19発 → 新大阪駅 15:27着 (松本から 運賃 11,110円)

予想通り、自由席にはほとんど乗客は乗っていない。空いてる車内は気持ちの良いものだ。

20250917-sinkansen-hikari.jpg
ほとんど乗客が居ない「ひかり」自由席

列車は岐阜羽島と米原に6分ずつ停車して、後続の「のぞみ」に追い抜かれる。そのため、新大阪まで「のぞみ」であれば49分のところ、「ひかり」は1時間8分かかる。

20250917-jr-hashima.jpg
岐阜羽島駅で6分間停車している間に撮影。N700系 新幹線

20250917-ibukiyama.jpg
米原駅手前で、伊吹山がきれいに見えた

20250917-jr-shinosaka.jpg
15時27分、新大阪駅に到着

■ JR東海道線 新大阪駅 15:38発 → 大阪駅 15:42着
■ JR大阪環状線 大阪駅 15:49発 → 福島駅 15:51着

20250917-jr-fukushima.jpg
JR大阪環状線 福島駅

長野県の松本駅からちょうど4時間で自宅近くの駅に到着。名古屋から「のぞみ」に乗っていれば30分ほど時間短縮できていたはずだが、満員の「のぞみ」自由席には乗りたくないな...