17 September 2025

6年ぶりの燕岳 : 燕山荘に一泊し下山

燕岳に登り、蛙岩までの表銀座縦走路を歩いて15時前に燕山荘に戻ってきた。今日はここで1泊して、明朝 下山する。

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昼頃にヘリコプターで運ばれてきた食料品類が、第一別館の玄関前に山積みになっている

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談話室で夕食 (湯で戻したプロテイングラノーラ、フィッシュソーセージ、バウムクーヘン、ライトミールブロック プロテイン1/2箱)

必要な栄養量は足りているはずだが、なんだか寂しい見た目だ。普段はグラノーラをヨーグルトに混ぜて食べているが、この日はお湯しかなかったのでそれを使った。超不味い食べ物となり、水で流し込むようにして食べきった。

この日の日没は17時49分。その1時間前には夕日にそまる景色が見れた。

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燕山荘 本館前からテント場と燕岳を見る。テント場はほぼ一杯になっている

羨ましいな... テント泊。予約サイトが「満」表示じゃなかったら、私も今日はあのテント場で泊まっていたはずだ。

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16時50分過ぎ、夕日に染まる燕岳。安曇野側からガスが上がってきている

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17時59分、黒部源流域の峰々に日が沈む

16時50分から食堂で夕食が始まるのか、本館1階から第一別館までズラッと行列ができている。宿泊者は、高齢者が多いようだ。食料を持ってくるのが重いのだろう。それとも、5千円の食事を高くは感じていないのだろう。

日が沈んで空が真っ赤に染まるのを期待して待っていても、いつまでたっても赤くならず、残念ながら一気に青紫色に暗くなってしまった。

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燕山荘より東方向の夕焼け。意外にこちらのほうがきれいだった

20時 消灯。廊下の非常照明がいくつか点灯しているため、トイレに行く程度のことはヘッドライトがなくても問題ない。

星空を見に外へ出てみると、小屋の周囲はガスに覆われている。天頂付近に星がチラッと見えた気もしたので、ガスは稜線を吹き抜けているだけで薄いものなのかもしれない。

真夜中、小屋の外に置かれている貯水タンクに雨粒がポツポツと当たる音がする。その間隔が短く、頻繁になり、換気のために少しだけ開けた窓の風切り音がすごくなって、暴風雨になっているのがわかる。

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気象レーダー(9/16 23:00 〜 9/17 03:00)

レーダーの画像からは、未明の3時頃には雨はやんでいたようだ。

朝4時に起床。窓の外側に水滴がびっしりと付いて、吹き降りの雨だったことがわかる。

第一別館の談話室で朝食。バウムクーヘンとフィッシュソーセージという簡単なものだ。私と同じく、朝食を食べていた登山者も何人か居た。

日の出は5時27分。その30分以上も前から燕岳の山頂にご来光を見に出かける登山者が何人も出発していった。外は濃い霧なので、燕岳に登ったとて晴れ渡る可能性は低いだろうに。

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5時25分、第一別館の前で日の出を待つが、霧雨で全く見えない

5時半頃から、下山する登山者が何人か出発していった。私も5時40分すぎに第一別館の玄関の外へ。

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5時46分、燕山荘の本館前。濃い霧の中、下山する人、縦走する人たちが出発の準備をしている

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燕山荘のテント場。未明の風雨と朝まで続く霧雨で、誰も外に出ていない

昨日はあれだけ羨ましく思っていたテント泊だが、未明の風雨に朝まで続く霧雨ではテント撤収もままならないだろう。

燕山荘から中房温泉へ下山

燕山荘 〜 合戦小屋 : 1.4km, 2,700m → 2,380m

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燕山荘前より合戦尾根へ。霧の中に消えていく登山道を降りていく

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合戦尾根の1つ目のベンチ。霧が濃く、晴れていれば左上に見えるはずの燕山荘は全く見えない

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燕山荘から標高差100mほど降りてきた。ガスの下に出たのか、東の空に日の出の太陽が見える

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朝焼けに照らされた、紅葉が始まりつつある合戦尾根の登山道

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いい色に色づいているナナカマド

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霧雨と、朝露を付けた道の両側のハイマツで、レインコートはずぶ濡れ状態に

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合戦尾根の中ほどにある安山岩(?)の露頭。前を行く登山者を追い抜く

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合戦沢ノ頭より、燕山荘方向を見る。まだ完全にガスの中のようだ

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合戦小屋に向けて降りていく。北中川谷を挟んだ向こうに大天井岳と常念岳の間の稜線が見えている

この場所からは槍ヶ岳も見えるのだが、残念ながら完全にガスの中だ。

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真っ赤に色づいたナナカマド。上空に青空が広がってきた

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オヤマリンドウ

燕山荘を出発してから約30分で合戦小屋に到着。上空は半分くらい青空が広がっている。

ここでレインコートを脱ぎ、栄養補給に羊羹を食べる。

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合戦小屋 (標高約2380m)

合戦小屋 〜 中房温泉 登山口 : 2.7km, 2,380m → 1,460m

合戦小屋で15分弱 休憩して出発する。休憩している間に何人かの登山者が後ろからやってきて、追い抜いていった。

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シラタマノキ

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急傾斜の登山道を、慎重に駆け下りる

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「これより先は通れません」の標識。でも登山道は分岐していないので、通る以外に下山できない

この標識、6年前にも掲示されていた。どういう意味なのだろう...

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誰も休憩していない富士見ベンチ

富士見ベンチを過ぎたあたりより、登ってくる登山者とすれ違うようになる。

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第三ベンチ。すぐ先を駆け下りている登山者に追いついた

先行して駆け下りる登山者についていくこととした。2名連続で駆け下りていくと、登ってくる登山者に少しは「圧」になって、すれ違いの待ち時間を省略できることもある。

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7時20分ごろ、第二ベンチ。多くの登ってくる人とすれ違う

この時間にすれ違う登山者は、中房温泉に7時半に到着する穂高駅発の定期バスに乗っている人たちではない。東京発の毎日あるぺん号が6時頃に中房温泉に到着するので、それに乗ってきた人たちなのだろうか。

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第一ベンチに向けてどんどん下るが、登ってくる登山者を交わすための待ち時間も多く発生する

第一ベンチを通り過ぎると、穂高駅からのバスの乗ってきた登山者の行列とすれ違うようになる。どこまでも続く行列が通り過ぎるのを数分待つこともザラだ。

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まもなく登山口

7時50分、中房温泉登山口に到着。燕山荘を出発して2時間5分ほどかかった。登ってくる登山者とのすれ違いに費やした時間がもう少し少なければ、2時間切りも問題なかったはずだ。

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中房温泉 登山口

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公衆トイレ横の流し台で、顔を洗い歯をみがく

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バス停の横にある中房温泉登山相談所

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中房温泉 バス停。7時半にやってきた小型バスが2台停まっている

■ バス 中房温泉 09:00発 → 穂高駅 09:55着(運賃 1,500円)

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JR穂高駅前に到着した中房温泉発のバス