もくじ
・ 『 蝶ヶ岳 テント泊トレッキング : 天気予報・事前準備 』・ 『 蝶ヶ岳 テント泊トレッキング : 上高地から横尾を経由し蝶槍・蝶ヶ岳 』
・ 『 蝶ヶ岳 テント泊トレッキング : 蝶ヶ岳山頂・テント泊 』
・ 『 蝶ヶ岳 テント泊トレッキング : 蝶ヶ岳から長塀尾根・徳沢経由で上高地に下山 』
・ 『 蝶ヶ岳 テント泊トレッキング : 秋の高山植物 』
・ ヤマレコ 『 蝶ヶ岳 (上高地〜横尾〜蝶ヶ岳〜長塀尾根〜上高地) 』
蝶ヶ岳野営場でテント設営
シャリバテ状態で、ノロノロと到着した蝶ヶ岳ヒュッテでテント場に泊まる手続きをする。
野営場の受付は、常念岳からの稜線を歩いてきた場合は、逆側の建物入口にある。
テント場は1泊1,000円(税込み)。 同時に、夕食(1,500円)のチケットも購入する。
水は野営場側の入口横に、自販機と並んで1リットル200円で自由に入れることが出来る蛇口がある。ちなみに、自販機の価格はビール500mL缶が800円、350mL缶が600円、500mLコーラとポカリが500円という価格設定。
後ろに見えるハイマツに覆われた緑の丘が、蝶ヶ岳の山頂。
テント場は最大30張とされているが、私が宿泊したこの日は50張ほどでも空き地があった。
蝶ヶ岳野営場にNaturehike Tagar 1を10分で設営
天気予報では、風速5から10m/secの西風が夜中に吹くということなので、西側がナナカマドやハイマツが茂った丘に守られている場所を選んだ。
結果として、この判断は当たったようで、夜中はナナカマドの茂みに守られた場所でさえかなりの風が吹き抜けていた。
テントの設営が終われば、さっそく昼食。
地上から運んできたおにぎり2個、お魚ソーセージ、きんぴらごぼう。だいたい、300円台か…
しばらくすると、ヘリコプターの爆音が近づいてきた。
さっきトイレに行った時に、小屋の横の荷受けテラスで、無線機を持った従業員が「きょうは4便」と話していた。
定員250名まで詰め込める山小屋は、ことしはコロナ対策で20名しか泊まれないらしい。 さらには週末ごとの悪天候で、キャンセルの嵐も吹き荒れているだろう。
それでも、ヘリで荷物をどんどん運び込むくらいの食料などの売れ行きがあるのだろう。
まあ、食料を持ってくるのが重いので、小屋で調達するという安易な考えのテント泊の人も居るんだろう。じっさい、私もそうなのだ…。
蝶ヶ岳山頂など周囲を散策
蝶ヶ岳ヒュッテから常念岳の方向へ、少し戻った所に瞑想の丘がある。 避雷針と方位盤がある。
蝶ヶ岳ヒュッテには、屋外に2箇所の屋外ベンチがあり、1つは建物東側のトイレの前、もう一つが下の写真の建物北側。
槍・穂高連峰の西側は雲で覆われているようだ。
蝶ヶ岳ヒュッテ南側の丘、蝶ヶ岳山頂に登ってみる。
常念山脈稜線の東側にも、大量の雲が湧いている。
しかし、安曇野側から湧き上がってきた雲に覆われ、日没時には深いガスに包まれてしまった。
17時30分、予約しておいた夕食を受取り、トイレの前のベンチで食べる。 稜線上のベンチは強風が吹き抜けて、とてもじゃないが食事する環境ではなさそう。
強風吹き抜ける屋外で震えながら食べる蝶ヶ岳ヒュッテの夕食(1,500円)
ラップを外すと、一気に食品が冷蔵状態となる。 業務スーパーで見たことあるような、冷凍鯖フィレ、ミートボール2個、ブロッコリー3切れ、漬物、ご飯と味噌汁。 ヘリコプターの運搬料がめちゃくちゃ高い山岳料金だが、自分で運び上げることを考えれば「感謝しながら」食べさせて頂く。
星空
日没後、19時、20時とテントから顔を出して外を確認するが、猛烈な勢いでガスが流れている。 21時、やっとガスが消えて晴れ渡っていた。
テント場のテントが1つ、明かりが灯っている。 地平線からちょうどプレアデス星団が昇ってきたところのようだ。
夏の天の川と、その東側に土星・木星が見えている。 地上には御嶽山、乗鞍岳、焼岳と西穂高岳のシルエット。
乗鞍岳と焼岳の間に沈みゆく赤い星は、さそり座のアンタレス。
穂高連峰から槍ヶ岳のシルエットが見えている。 槍ヶ岳の左肩には、槍ヶ岳山荘の明かり。
日の出
22時頃から4時頃まで、ぐっすり眠ることが出来た。 限界温度7℃のシュラフに加え、ダウンジャケットや、ソフトシェルジャケット、防寒タイツ、断熱レジャーマットなどで防寒対策バッチリしたため、逆に暑いくらいだった。
5時半ごろのテント内の温度・湿度は、4℃ ・ 78%
天文薄明は4時5分頃に始まっているので、すでに東の空は白んで来ている。 そこに、月齢26の三日月と、-4等級の金星が光り輝いている。
山頂の上、写真のど真ん中に見えているのはおおいぬ座のシリウス。 画面の一番上には、オリオン大星雲も見えている。
奥穂高岳と涸沢岳の間にある穂高岳山荘、北穂高岳の山頂にある北穂高小屋、槍ヶ岳の肩にある槍ヶ岳山荘の照明がくっきりと見えている。
おそらく、あちらでも日の出を待つ人たちが空を見上げているのだろう。
そして、穂高岳山荘からザイテングラートを歩く人のヘッドランプ、涸沢岳と北穂高岳の間にある最低コルを歩く人のヘッドランプもチラチラと見えている。
松本盆地は一面の雲海
いわゆる、モルゲンロートといわれる真っ赤に染まった山々。 向こうに居る人たちも、きれいな朝焼けを見ていることだろう。
日の出と共に撤収・出発する登山者も居るし、これから朝食という登山者も多い。