05 September 2024

立山登山(その2) 室堂乗越までハイキング、雷鳥沢野営場でテント泊

もくじ

9月5日(木曜) : 室堂乗越までのハイキングと雷鳥沢テント泊

雷鳥沢野営場にテント設営後、昼食とする。

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昼食 (アルファ米と、写真には写っていないが食パン2枚)

大日岳稜線の室堂乗越までハイキング

雷鳥沢野営場から南方向に見えている(はずの)大日連山。きょうは山頂部分は雲の中で、中腹あたりまでしか見えていない。日没まで3時間ほどなので、雲に覆われていない中腹の室堂乗越(むろどう のっこし)までハイキングに出かけることにする。

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雷鳥沢野営管理所の窓に貼り出された「立山町の天気予報」

15時頃に雨が降る予報なので、20リットルザックにレインウエアを入れて、往復2時間ほどのハイキングに出かける。

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区間時刻所要時間
室堂ターミナル 〜 雷鳥沢野営場12:02 〜 12:3735分
雷鳥沢野営場(テント設営・昼食・休憩)
雷鳥沢野営場 〜 新室堂乗越14:37 〜 15:1538分
新室堂乗越 〜 室堂乗越15:15 〜 15:2510分
室堂乗越 〜 新室堂乗越15:25 〜 15:3712分
新室堂乗越 〜 雷鳥沢野営場15:37 〜 15:5821分

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雷鳥沢野営場の横にある浄土橋(標高2,270m)を渡り、称名川(しょうみょうがわ)右岸を下流方向へ

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浄土橋を渡ったところに標識がある。「大日岳・劔御前は左、大走り・一の越は右」

ここでは大日岳の方向(称名川下流方向)に向かう。

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アザミ

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シシウドの一種 オオバセンキュウ

称名川沿いを100mほど下ると、劔御前小舎方向の道が分岐する。大日岳方向は、称名川の右岸に沿ってさらに直進だ。

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大日岳方向(左)と、劔御前小舎・雷鳥谷方向(右)の分岐点

道は徐々に新室堂乗越に向かって登り始める。振り返ると、雷鳥沢野営場と同じくらいの高さまで登ってきている。

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新室堂乗越に向かう道から振り返って、雷鳥沢野営場を見る。手前の川は称名川(右が下流方向)

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リンドウ

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青紫色のみを付けたクロマメノキ

夏に(実と同じくらいの大きさの)白い釣鐘状の花が咲きます。実は甘酸っぱくて食用になるのだそう。

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新室堂乗越に向かって、木道は緩やかに高度を上げていく(標高2,280m付近)

大日岳に向かう登山道は、この時間ひっそりとしていて、すれ違う登山者もほとんど居ない。2時間のハイキングですれ違ったのは2人だけだった。

いまにも熊が出そうな草原を歩くのだが、熊鈴をテントに忘れてきたので、時々、手を打ち鳴らして大きな音を立てる。

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チングルマの綿毛(種子)

谷筋の湿ったところにはコバイケイソウ、それ以外にチングルマやクロマメノキが繁茂している。

まさにいま、草紅葉が始まった状況だ。

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コバイケイソウ

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標高2,300m付近で、新室堂乗越から伸びる谷筋のガレ場が登山道となる

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標高2,350m付近から雷鳥沢方向、歩いてきた登山道を振り返る

雷鳥沢の浄土橋から30分ほど掛かって、劔御前と大日岳の稜線までやってきた。登山道の合流地点の新室堂乗越で右方向へ行き、稜線をたどって劔御前小舎に行くこともできるようだが、剱岳に向かう登山者がこちらに迂回して登ってくることはまれだろう。

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新室堂乗越(標高2,380m)。大日連山(左へ)・別山乗越の剱御前小舎(右へ)

ここからは弥陀ヶ原火山の火口群(地獄谷)が一望できる。風に流された噴煙(火山ガス)が雷鳥荘を直撃し、(比重の違いから左の雷鳥沢の谷に下るのではなく)そのまま上空へ上っているのがよくわかる。

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新室堂乗越から見た雷鳥沢野営場と、弥陀ヶ原火山の火口群(地獄谷)

ここからは、ときおり雲(霧)に包まれがちながら気持ちの良い稜線歩き。

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大日岳に向かう稜線を進む

稜線上からは、地獄谷が一望できる。

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大日岳に向かう稜線上から見た弥陀ヶ原火山の火口(地獄谷)

雷鳥沢野営場・浄土橋から約40分、室堂乗越に到着。

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室堂乗越(むろどう のっこし 標高約2,360m)

標識のはるか向こう、劔御前岳から劔岳の間の山々が見えているが、残念ながら劔岳は雲に隠れている。

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室堂乗越から見た剱岳、剱御前、別山乗越 (全て雲の中)

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室堂乗越から先、標高2,440mの丘の南を巻いて登山道は奥大日岳(右奥の雲の中)に続いている

奥大日岳へはさらに1時間ほどかかるので、日没までに雷鳥沢に戻れない。

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シラタマノキの実

ツツジ科のクロマメノキと同じく、この木も実と同じくらいの大きさの白い釣鐘状の花が咲く。実はそのままでは食べられず、果実酒の材料とするようだ。

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室堂乗越で引き返し、別山乗越の剱御前小舎方向へ稜線歩き

往路と同じ道をたどり、新室堂乗越の分岐点で稜線から外れ、雷鳥沢・浄土橋方向へ下山する。

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イワイチョウ

本来は夏に咲く花だが、この場所のは遅くまで残っていた。

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新室堂乗越から浄土橋に向けて降りていく山道。立山(雄山)に掛かっていた雲が少し切れている。コバイケイソウが紅葉している

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浄土橋の右岸側に、真っ赤な実を付けたナナカマド

雷鳥沢テント泊

室堂乗越まで往復1時間15分ほどかかり、雷鳥沢野営場まで戻ってきた。

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雷鳥沢野営場に張ったテント。立山(雄山)の雲が少し切れて頂上が見えるようになった

右奥に見えるブラウンの大型テント、大学(?)の山岳部と思われる6人くらいのグループが泊まっていた。私と同じく2泊だったようだが、最終日はAM0時くらいに音もたてずに撤収して大日連山方面へ出かけて行ったようだ。

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夕食(小倉餡デニッシュ、バウムクーヘン、サラダチキン、わかめスープ)

わかめスープには、切り干し大根と乾燥わかめを大量投入した。

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雷鳥沢野営場。日の入りの時間帯、ガスが濃くなってきた

左奥の白いテントは静岡から来た人が、右側のモスグリーンのテントは長野から来た人が、私と同じく2泊して立山宗会登山をされていた。

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日の入り後、18時30分頃には空は全て雲に覆われた

雷鳥沢の星空

夜になってもなかなか雲が消えず、真夜中の0時頃になってやっと全天晴れ渡った。東の空に明るい木星が昇ってきて、その右上あたりにプレアデス星団。天頂付近に夏の大三角形(はくちょう座・こと座・わし座)があり、そこから東のほうに少し目を移すとアンドロメダ星雲がぼんやりと見えている。

ときおり、流星がすっと流れる。天頂から西へ。輻射源は... ペルセウス座(イプシロン星)流星群か。極大期は9月9日±5日くらいなので、たぶんそれだろう。

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頭上の星空 (はくちょう座からカシオペア座にかけての天の川付近)

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頭上の星空 解説あり (はくちょう座からカシオペア座にかけての天の川付近)

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東方向の星空 (おうし座、プレアデス星団、木星)

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東方向の星空 解説あり (おうし座、プレアデス星団、木星)