学生の春休みが始まり、青春18きっぷを使った旅行者が激増する前に、尾張・美濃方面へ日帰り旅行をしてきた。
もくじ
・(1)犬山城、犬山頭首工
・(2)名古屋城、大須観音
・(3)関ケ原古戦場
支出一覧
項目 | 価格 | 備考 |
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青春18きっぷ(1日分) | 2,410円 | 使い残し売却までの暫定値 |
犬山城 | 550円 | (PayPay支払い) |
昼食(レーズンロール、ちくわ、どら焼き) | 348円 | 大阪で購入して持参 |
名古屋城 | 500円 | (PayPay支払い) |
名古屋市営地下鉄 名古屋城駅 → 上前津駅 | 210円 | (現金) |
夕食(ジャンボ メンチカツ丼、バヤリース缶) | 257円 | ラ・ムー大垣駅前で購入(現金) |
合計 | 4,275円 | (PayPay支払い) |
大阪から鵜沼(犬山)へ
■ JR環状線 福島駅 05:47発 → 大阪駅 05:48着
早朝なのに、座席は全て埋まっていて、通路もほぼ立っている客で埋まっている。インバウンド公害ではなく、見たところ全て日本人の通勤客のようだ。
■ JR京都線・東海道線(快速) 大阪駅 05:54発 → 米原駅 07:39着
今回乗った快速の1本あと、6時33分発の新快速列車でも米原での乗り継ぎが可能だが、乗り継ぎ時間が2分と短い。JR西日本とJR東海の列車乗り継ぎなので、大阪からの列車が遅延しても待ってはくれない。
前回2019年に各務原の航空宇宙博物館に行ったときに列車が遅延して乗り継げなかった経験から、今回は余裕を持って1本前の快速列車を選択した。
列車は大阪駅を出発した時点では、まだ空いている席もある程度の混雑度だが、高槻駅をすぎる頃から通勤客のオッサン達で通路まで満員状態となる。
都会から田舎へ、こんなに朝早くから長距離通勤客がたくさん居ることに驚いた。
野洲駅の少し手前から、琵琶湖対岸に見える蓬莱山(標高1,174m)は冠雪している
列車は定刻通りの7時39分に米原駅に到着。通勤客の多くは彦根までに下車してしまっていて、米原で下車する客の殆どは「青春18きっぷ」で大垣行に乗り継ぐ客のようだ。
駅コンコースのトイレに行くと、男性トイレに大行列。すぐ横の女性トイレには誰も入っている気配がない。青春18きっぷを使う客の殆どは、オッサンだからなのだろう。
■ JR東海道線 米原駅 08:33発 → 大垣駅 08:37着
乗り継ぐ大垣行の普通列車は4両編成。大阪からやってくる快速列車が8両編成なので、学生の休み期間となれば乗り切れないほどの客が4両編成の普通列車に押しかけるわけだ。
ただし、きょうは学生はまだ学校に通っている期間なので、(遅延なく到着した)新快速列車の客が乗ってきたあとも、窓側の席がうまる程度の混雑度合い。ゆったりと旅行できる。
米原駅にやってきたJR東海の普通列車。折返して大垣行きになる
列車はのんびりと関ヶ原地峡を進んで、東海地方に入っていく。
柏原駅に停車中の列車から見た、谷筋に雪が残っている伊吹山(標高1,337m)
■ JR東海道線(新快速) 大垣駅 08:40発 → 岐阜駅 08:53着
大垣で乗り継ぐ新快速は8両編成。普通列車から乗り継ぐ客が跨線橋の階段に溢れかえっていたが、座席数は十分余裕がある。
なぜ、この駅では跨線橋に客の渋滞を作るのではなく、対面乗り換えにしないのだろう。
■ JR高山線 岐阜駅 09:08発 → 鵜沼駅 09:31着
インバウンド外人が乗降している特急列車が先に出発し、普通列車はその後を追う形で出発。
車内は通勤・通学の乗客で混雑している。
いくつかの無人駅で行き違いの列車を数分間ずつ待ちながら、近距離ながら20分ほどかかって鵜沼駅に到着。並行して走る複線の名鉄と所要時間を競うつもりもないのだろう。
犬山城
空中歩道を降りたすぐ前には小さなロータリーがあるが、コンビニなど商店は全く無く、周辺は普通の住宅街。拍子抜けするくらい静かな駅前だ。
県道27号を南へ数分歩くと、岐阜・愛知県境となっている木曽川に架かる犬山橋。すぐ横の名鉄の鉄橋には頻繁に列車が行き来している。
犬山橋から見た木曽川の下流方向。左岸の(標高88mの)丘の上に犬山城、1km下流には犬山頭首工ライン大橋
航空自衛隊の岐阜基地が近いので、頻繁に訓練機が通過している。
木曽川遊歩道の先に犬山城が見える。冬に咲くコブクザクラが満開
下流に見えるダム(犬山頭首工)が近いので、河岸に放流予告サイレンの説明看板が立っている。
実際、犬山城を見学してるときにサイレンが鳴っていたので、頻繁にダムのゲート開放しているのだろう。
堤防上にある遊歩道から、河川敷に降りるスロープがあったので降りてみる。眼の前には、海で言えば波食棚のような、垂直にまで傾いた地層面が露頭した岩場が広がっている。
地質図では、犬山城の丘付近は付加体(チャート 中期-後期ジュラ紀付加体)と書かれている。
犬山城の入口は、城のある丘の南側なので、道なりに南側に回り込む。
城の丘の南正面には、針綱神社と三光稲荷神社が鎮座していて、それぞれ大きな鳥居がある。これらの神社の境内を通り抜けるのが、天守への最短コースなのだが...。
今回は、鳥居2つを通り過ぎた向こうにある地味な正門(?)から入る。
犬山城前広場にある天守への入口。赤い橋のあたりに中御門があった
築城当時の大手道は、現在でもほぼ同じルートで登城道となっている。この道を緩やかに登っていく。
矢来門も黒門も、いまは存在していないが、クランク状に曲がる道(枡形)は往時のままだそうだ。
犬山城 黒門跡を抜けると、大手道は左へ。正面には桐ノ丸に建てられた針綱神社の本殿が見える
犬山城 大手道。右側は桐ノ丸に建つ針綱神社。右側一段高くなった石垣の上は杉ノ丸。左側は樅の丸
左側の樅の丸には、城郭建築風の現代施設が建っている。大手道の先には、鉄門の一部が見えている。
犬山城 岩坂門跡付近から見た鉄門(くろがね もん)。右側の杉ノ丸には現代の入場券売り場がある
ここで入場券(550円)を、スマホ決済(PayPay)で購入。
Wikipedia『犬山城』より抜粋
尾張国と美濃国の境にあり、木曽川沿いの高さ約88メートルほどの丘に築かれた平山城である。岩倉織田氏の砦を織田信長の叔父・織田信康が改修して築いた城であり、その後、池田恒興や織田勝長が入城、豊臣政権の時に石川貞清(光吉)が改修し現在のような形となった。また、小牧・長久手の戦いや関ヶ原の戦いにおける西軍の重要拠点となった。
現存する天守が建てられた年代については天文期説、慶長期説などがあるが、現在のような姿となったのは成瀬正成が改修した1617年(元和3年)ごろである。
犬山城は、天守だけが「現存」建造物で、鉄門などその他は全ては近年に再建されたものだそうだ。
天守1階・2階が1グループの入母屋の低層階(東西九間、南北八間)、3階と4階の入母屋望楼台の高層階(東西三間、南北四間)の二層構造となっている。これを、望楼型天守というらしい。低層階には、付櫓(石落とし櫓)が2つくっついているが、入口側の写真からは右隅の1つだけ見えている。
さて、天守の中に入ってみることとする。
入場口に並ぶ人は誰もおらず、建物内にも20人ほどの日本人やインバウンド観光客が居る程度。さすが、平日は空いていて気持ち良いものだ。
天守入口で靴を脱いで建物に入り、急な階段を2つ上がると1階。
1階は東西九間、南北八間をベースとした不等辺四角形に、2つの付櫓が出っ張った歪な形のフロア。
現地 説明板
ここは殿様が使用した部屋で上段の間といいます。床が一段と高くはられ、この部屋だけが猿頬天井(さるぼおてんじょう)が張ってあり、この城の最上の室となっています。この奥に武者隠しの間があり、殿様を守る武士が待機しておりました。
階段を登り2階へ。2階は東西九間、南北八間の正方形に近い形。
1637年に作られたとされる武具棚が部屋の周囲に設置され、右側のスペースには(昭和の修理時に作られた)城の構造模型が置かれている。
構造模型を見れば、望楼型天守のつくりがよくわかる。
急な階段を登り3階へ。ここから上が望楼の階層で、2回までより一回り小さい東西三間、南北四間の建物になっている。
3階は、まるで踊り場として作られたような小ぢんまりした部屋が1つだけ。3階の外には唐破風があるのだが、中からそれを見ることはもちろんできない。
狭くて急な階段を登り4階へ。
赤い絨毯が敷かれた東西三間、南北四間の高欄の間には、歴代犬山成瀬家当主の肖像画(写真)が掲げられている。
掲げられているのは初代城主成瀬正成(1617年 - 1625年)から、第12代城主成瀬正俊(1973年 - 2004年)まで。犬山城が個人所有から公益財団に移管された第13代城主成瀬淳子(2004年)の写真が無いのが不思議だ。
犬山頭首工の対岸に見える小さな山は伊木山(標高173m)
木曽川の河岸には、ここに来る途中に見たチャートの露頭がはっきりと見えている。
木曽川のはるか上流方向に、真っ白に雪を頂いた御嶽山(標高3,067m)が見える。
木曽川の犬山頭首工
犬山城を出て、往路とは逆の木曽川下流方向への坂道を下っていくと、すぐに犬山頭首工・ライン大橋の南詰めのところに出る。
犬山頭首工(手前に歩道・管理橋があり、その向こう側に車道・操作橋がある。歩道側にはゲートの巻上機が格納されている操作室の出入口がある)
写真の手前で左岸導水路(農業用水路 濃尾用水)が分岐しているが、よく見ないとわかりにくい。
ここは、濃尾平野に流れ込む木曽川の扇状地最上流部なので、ここで農業用水路を分水するのが一番効率が良いのだろう。
農林水産省「頭首工とは」
頭首工とは、河川から農業用水を取水する目的で設置する施設の総称で、取入口・取水堰・附帯施設及び管理施設から構成される。
かんたんに言えば、堤長420m、農業用水取入水位4m(=37m-33m)の薄ぺらいダム。
第74回河川整備基本方針検討小委員会 委員会資料より 河川縦断図
このゲート(1号ゲート)は半分くらい開いていて、ゲートの下に吸い込まれる水が波立っている。隣のゲート(2号ゲート)は全開なので、水面は泡立たずなめらかに流れてる。この日に開いていたのは、6基のゲートのうち2基だけで、木曽川の全流量がその2門で賄われていたようだ。
かなり小さな船しか通れない幅です。鵜飼船などの小舟しか無理でしょう。
おそらく、岸に引き上げられている鵜飼観覧船が、この船通しを通って下流に行くのだろう。
名古屋へ
木曽川右岸側の堤防を歩き、住宅街を抜けて鵜沼駅へ。
昼食 (レーズンロール 104円、はちみつ 127円、ちくわ 65円、どら焼き 52円)
名鉄とJRの駅間を結んでいるガラス張りの空中歩道の途中にベンチがある。太陽があたって暖かなので、ここで業務スーパーで購入したレーズンロール(6個)にはちみつを付けて食べる。
■ JR高山線 鵜沼駅 11:08発 → 岐阜駅 11:34着
岐阜駅で乗り継いだ快速列車は、ほぼ定刻に駅に入ってきたのだが、出発が10分弱遅れていた。
すぐ隣のプラットホームに、名古屋行きの特急列車が入ってきて、インバウンド外人が乗降していた。快速列車が遅れた原因は、ずっと先の区間で緊急通報ボタンが押されたかららしい。
■ JR東海道線 (快速) 岐阜駅 11:45発 → 名古屋駅 12:10着