もくじ
- FIRE退職にともない、所得割100%減免で国民健康保険に加入
- FIRE退職にともない、国民年金に加入。前納割引とクレジットカード支払いの手続きをする
- FIRE退職で必要な、租税公課手続きなど(健保・国民年金以外)
FIRE退職で、健康保険をどうするのか。毎月数万円ともいわれる掛け金を最小にする方法を模索した記録
健康保険の選択肢
・国民健康保険
・退職した組織の健康保険組合の任意継続
国民健康保険の保険料(月額掛金)は
大阪市役所のWebページに、自動計算するためのExcelワークブックが公開されているのでこれを利用する。
『 国民健康保険 保険料の決め方 』(大阪市)
このページ内に「令和5年度年間保険料の試算シート」があるのでそれをダウンロードして使う
なお、年収額から所得額を計算する方法は、『 所得金額の計算 』に書かれているが、使いそうな範囲では...
360万円 ≦ 年収 < 660万円 : 所得 = 年収×0.8 - 44万円
660万円 ≦ 年収 < 850万円 : 所得 = 年収×0.9 - 110万円
というところになる
ちなみに、ここで使う年収は「前年の1月~12月」の年収である
試算シートの入力個所はたった1つ、所得金額欄だけだ。ここに入力すると、右下に自動計算した値が表示される
よく使いそうな収入範囲でざっと計算すると、次のような表となる
(標準報酬月額) | 年収 | 所得 | 保険料(月額) | 保険料(年額) |
243,161 | 4,000,000 | 2,760,000 | 37,240 | 446,888 |
273,556 | 4,500,000 | 3,160,000 | 42,177 | 506,128 |
303,951 | 5,000,000 | 3,560,000 | 47,114 | 565,368 |
334,346 | 5,500,000 | 3,960,000 | 52,050 | 624,608 |
364,741 | 6,000,000 | 4,360,000 | 56,987 | 683,848 |
395,136 | 6,500,000 | 4,760,000 | 61,924 | 743,088 |
425,531 | 7,000,000 | 5,160,000 | 66,860 | 802,328 |
455,927 | 7,500,000 | 5,560,000 | 71,766 | 861,203 |
486,322 | 8,000,000 | 5,960,000 | 75,723 | 908,683 |
国民健康保険の減免申請をしたらどうなるか
「大阪市国民健康保険料減免事務取扱要領」によれば、
(2)減免基準第2項第1号について①本項の適用対象は、事業又は業務の倒産、廃業、休業、退職等の他に、...(以下省略)
④基準中「当該状況が発生した月以降の平均月額見積所得(退職所得を除く)を基に算出した1年間の見込所得」の取扱いは、倒産、廃業、退職等の事実の発生した日の属する月の翌月から申請日の属する月まで(ただし、この期間が3か月を超える場合は、申請月以前の3か月間とする。)の収入状況の1か月平均所得額であり、これを用いた1年間の見込所得をもって所得減少率を判定する。
なお、事実の発生した月と申請月が同一である場合には、翌月の収入状況見込額から1年間の見込所得を算出しても差し支えない。
とされており、退職翌月(退職日が6月30日であれば、7月)の収入がゼロであれば、これがそのまま年度末まで続くと仮定して「所得ゼロ」としてよいということだ
つまり、「退職後には一切働かない」宣言をすればよい
所得減少率100%であれば、所得割はゼロとなるため、
この例でいえば
平等割 = 40,815円/年
均等割 = 61,000円/年
所得割 = 358,402円/年 ← これをゼロとして計算する
保険料 = 40,815 + 61,000 + 0 = 101,815円/年 (8,485円/月)
前年収入(所得)の多寡にかかわらず、保険料は一定額 8,485円/月 である
退職後の月に退職金収入があると、減免はどうなるのか
これも心配ない。「大阪市国民健康保険料減免事務取扱要領」によれば、
③本項は、応能割である所得割保険料の減免であるため、減免率の判定に用いる所得は、減免対象者に係る基礎控除適用前の算定基礎所得(総所得金額等の算出時には、退職所得は含めず、地方税法第313条第9項中の雑損失の金額に係る規定を適用しない)とする。
健康保険組合 任意継続の保険料(月額掛金)は
一般的には年間掛け金額 「 退職時の標準報酬月額 × (9.33%~10.51% + 1.82%)」(協会けんぽの例)のような計算になっている。
私が退職した組織の計算式は 「 退職時の標準報酬月額 ×(8.816% + 1.706%)」 かつ 「標準報酬月額が44万円を越える場合は、44万円で頭打ち」というもの
それぞれの値を計算し、グラフ化
最も安い保険料(掛金)の選択肢は
減免が認められれば、議論の余地なく、「国民健康保険 減免申請あり」を選択すべきだ
そのために、事前の準備はしっかり行う必要がある
国民健康保険 所得割の100%減免ゲットまでの時系列記録
区役所窓口で事前相談 2023年5月22日
大阪市のWebページからダウンロードした試算シートを用いて、通常の保険料と所得割を減免した保険料を試算したメモを示して
私 : 所得の計算は、給与所得のみの場合はWebページの「給与所得金額速算表」より、「収入金額×0.8-44万円」「収入金額×0.9-110万円」といった数式にあてはめたものを単純に使うだけでよいのか
区役所 : それでよい。計算もあっている
私 : 保険料の計算メモを示して、この値であっているか
区役所 : (窓口のPCで計算し)あっている
私 : 所得減少での減免申請だが、「6月30日退職、7月1日に国保加入であれば、減免に使う所得は7月の収入ゼロ円のみなので、減少率100%」でよいのか、もしくは「今年の1月から6月までの収入の合計を使い、所得減少率50%」となるのか
区役所 : 7月以降の所得で計算し、所得ゼロ、減少率100%を使う。 7月以降に働いて給与を得たり、その他の収入を得ることはないのか、念を押され再確認される
私 : 一切、働くつもりも収入を得るつもりもないと宣言。収入ゼロの確定申告を続けると強調する。その場合、所得割はゼロになり、1か月の保険料は〇〇〇円で間違いないか
区役所 : 間違いない。なお、減免申請は毎年必要となるため、来年の保険料決定6月にも再度申請が必要となる
私 : 今後の手続きはどうなるのか
区役所 : きょう、加入申請書を渡すので、退職の月(6月)になったら窓口で手続きする。身分証明書、年金番号通知書/年金手帳の提示が必要。 手続き後、およそ1週間で自宅に郵送で「交付通知書」が届くので、それに書かれた資料をそろえて窓口で手続きする
区役所窓口に加入申請(事前申請) 2023年6月6日
自宅で記入した申請書を提出。運転免許証、年金番号通知書を提示
区役所 : 1週間ほどで「交付通知書」が郵送で届くので、そこに書かれたものを持って、7月3日以降に区役所に手続きに来ること
・交付通知書
・離職票/退職辞令等
・資格喪失証明書
区役所 : 「任意継続」ではないのか
私 : 減免申請を行い国保に入ると主張する
これが、水際作戦というやつか...
2023年6月9日 交付通知書が郵送で配達される
事前申し込みの3日後に到着した。保険料算定欄には「計算中」のスタンプが押されて、値はすべて空欄だった
国民健康保険に加入し、減免申請行う 2023年7月3日
区役所の保険加入窓口に「交付通知書」を提出し、「退職辞令」「資格喪失証明書」もそれに添付して提出
窓口担当者が保管庫より、6月6日に提出した申請書(事前申請)を持ってきて、未記入の欄に書き加えていく。その書類をよく見ると「自発退職」「減免申請」というチェックボックスが付けられていた
数分で「保険証」と「国民健康保険料 決定通知書」を交付される。また、国民年金の加入も同時に行われている(事前申請の複写2枚目は、国民年金のもの)とのこと
国民健康保険料 決定通知書(減免前) ... 試算したときの「めちゃくちゃ高い」保険料が記入されている
減免申請を行うことを再度確認され、去年の「その他」収入について再確認を受けた。給与所得以外の雑所得、不動産所得が無いかの念押しだ
この減免を得るために、雑所得となる仮想通貨取引は行っていないし、2年前よりFIREに備えて所得の身辺整理も完了しているので、少々の身体検査でボロが出ることはあり得ない
窓口の端末機で、ひとしきり所得確認をしたうえで、「隣の支払い窓口で減免申請してください」とのこと
保険料支払い窓口に移動し、減免申請を行う。
様式の理由欄はすでにサンプル文例が記入済みで、チェックボックスにチェックを入れるだけ
裏面には所得申告欄があり、7月にゼロを入れてくださいと言われてそのように...
窓口の担当者が「決裁とってきますので、しばらくお待ちを」といいバックヤードへ。役所仕事とは思えない超速で、たった5分で上司の決裁を終えて新たな算定所を持ってきてくれた
ポンコツシステムのマイナ保険証、切り替わりに1週間、内容に間違いも
前職の健康保険データがいつまでも表示されている。さすがポンコツ国家ニッポン
間違っているのを発見しても、「間違ってるので訂正してください」通報ボタンがなんてものはなく、マイナの事務局ではなく、やる気のない保険組合などに電話しろと書かれている。まさにたらいまわし
そういえば、退職日に保険組合に資格喪失証明書をもらいに行ったとき、担当者は「退職の書類が所属部署から来てません」と答えてたな。2カ月も前に、退職届などと一緒に書類提出してるんだが、いったいどこを書類が回ってんだか
アプリ内のワンストップで解決する問い合わせフォームではなく、いまだにファックス電話のポンコツ国家
そして、1週間経ってやっとマイナ保険証のデータが切り替わった。
去年だったか、マイナカード紛失したら「超速の数日で再発行」を考えるとか政府発表していた。そもそもデータ更新に1週間とか超遅のマイナ保険証、仕組み自体が破綻しているんじゃないの
しかし、限度額認定が最高所得水準になっている。このままでは、医療機関で青天井(?)の金額を請求されかねない
再び区役所に行き、限度額認定を修正してもらう。
なお、区役所の窓口担当者の説明は「加入時に所得がわからなかったので、無条件で最高水準の限度額にしている」とのこと。
(前年の)所得水準がわかって初めて保険料(掛金)が分かり、保険料決定通知書が作れるはずだ。明らかに区役所の説明には矛盾があるが、ポンコツ国家ではこういうレベルの業務フローしか作れないのだろう。
つまり、青天井で医療費請求されて初めて、還付請求しろということなのだろう
もうね、ダメだわニッポン