26 May 2024

淀川河口へサイクリング

先週(5月17日)に淀川大橋から京都までサイクリングしたが、淀川大橋は河口からの距離標で4.9km。


5月17日に撮影した : 淀川大橋の近くにある距離標表示 「R 4.9」

今回は淀川の距離標 「 0.0km 」を見るために、淀川河口を目指してみる。


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スタート地点の下福島公園

堂島川に沿った市道 曽根崎川北岸線を進む。

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阪神高速3号神戸線・府道29号新なにわ筋を横切る

すぐに大阪市中央卸売市場がある。

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大阪市中央卸売市場 本場

きょうは休場日なので、仲卸の店舗はほぼ全て閉まっている。ターレットも軽トラックも走っていないので、閑散としている。

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大阪市中央卸売市場 本場 水産棟を横切る

柑橘類やスイカ、メロン、桃などの箱が置かれていない休場日は、青果棟の前もスッキリとしている。作業車両が一切走っていないので、快調に前を通過する。

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大阪市中央卸売市場 本場 青果棟の荷降ろし場前を通過する

1kmほどある中央卸売場を横切り、そのまま安治川沿いを走る。平日この道は交通量が多く、生コン工場や建設残土ヤードもあって、ダンプトラックやミキサー車などの巨大車両が往来している。だから、業務車両がほとんど通らなくなる休日は安全に自転車で通ることができる。

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阪神なんば線 安治川橋梁が見えてくる

この安治川橋梁の真下には、歩行者用トンネルがある。

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安治川トンネルの坑口。歩行者用エレベーターは写真右端にある

建物の写真右側にある大きなエレベーターの扉は、かつて使われていた自動車用のもの。

日本初の沈埋トンネル「安治川トンネル」 (建設コンサルタンツ協会)
安治川トンネルは、両岸に歩行者用エレベータ、車両用エレベータ各2基と歩行者用階段を備えていた。最盛期である1961年の1日の交通量は、歩行者約8,500人、自転車約4,600台、自動車約1,200台であり、自動車だけは維持費の一部として使用料を徴収していた。
しかし、下流に国道43号線安治川大橋が開通すると車両通行量が減少し、またトンネル内の排気ガスやエレベータ付近での待ち渋滞が問題となってきたため、1977年に車両の通行は中止となった。現在は幅員2.4mの歩行者・自転車用通路(幅員2.4m)とエレベータのみが供用されており、車道と車両用エレベータは閉鎖されている。

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安治川トンネルの歩行者用エレベータ乗降口(此花区側)

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JR大阪環状線 安治川橋梁の下を通過

出発地点(下福島公園)から2.9km、自宅から自転車で買い物に来る最遠地点の「ラ・ムー」と「コーナンPro」のところまでやってくる。

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安治川と六軒屋川の合流点・剣先にある激安スーパー「ラ・ムー」と、建築資材の「コーナンPro」

スーパーの駐車場出口のすぐ前には、六軒家川水門がある。ここまでは5月6日に下見にやって来た。

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六軒家川水門

水門の横には日立造船発祥の地の石碑がある。1881年にイギリス人実業家によって設立された造船所「大阪鉄工所」が、日立造船の創業時の社名だ。

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日立造船発祥の地

「ラ・ムー」と「コーナンPro」の店舗名は春日出店だが、六軒屋川のこちらがわの町名は「西九条」橋を渡った向こうが本来の「春日出」だ。

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六軒家川に架かる春日出橋を渡る

ここから先はさらに工業地帯となり、道路に歩道がない。歩行者や自転車の通行は全く考慮されていない地域だ。

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春日出の安治川沿いの道をさらに進む

歩道はないが、休日のため通行車両がほぼゼロなので、車道を快調に自転車で走り続ける。

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道路沿いの堤防に登ると、安治川水門や弁天町のビル群が見える

道の突き当りには、JR貨物の安治川口駅がある。真新しい駅舎は、去年2023年に建て替えられたばかりの新築だ。

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JR貨物 安治川口駅の駅舎

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安治川口駅(左が貨物駅、右が旅客線の駅)

貨物駅にはEF210電気機関車が2台停まっているのが見える。

JR西日本 安治川口駅の駅舎前を通過する。出発地点(下福島公園)からの距離は4.8kmほどだ。

安治川沿いにさらに進むと、USJとその周辺のビル群が見えてくる。

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ユニバーサルシティ駅に隣接するマンション、ホテル群。高架橋はJR桜島線

大阪の市街地との間に工業地帯を挟んで、ここだけマンションがあり人が住んでいるのは不思議なものだ。近隣にスーパーなどはなく、最も近いのが西九条のラ・ムーだと思われる。

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ユニバーサルシティの道路(市道 福島桜島線)は、建物も街路樹も夢の国

ビル群を抜けると、孤独が好きな私には全く縁がないテーマパーク USJ の入口がある。

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USJ(ユニバーサル・スタジオ・ジャパン)

生まれて初めて入口を見た ...

ユニバーサルシティ駅から1.7kmほど先へ行くと、桜島駅がある。すぐ目の前には、安治川の河口に架かる阪神高速5号湾岸線の天保山大橋が見える。

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JR桜島駅と阪神高速の天保山大橋

安治川河口のここまで、出発地点の下福島公園からの距離は7.5kmほどだ。天保山大橋の真下には、JR桜島線の終端がある。大阪万博のためにJR桜島線を延伸するという案もあったそうだが、閉幕後に採算が取れないと考えたのか、ついに実現することはなかった。

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JR桜島線の終端

USJの西側敷地境界に沿って道なりに進んでいくと、万博会場のある島につながる此花大橋の入口交差点。ここから先は自転車通行止めのようだ。

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USJの駐車場入口付近から見た、此花大橋入口の交差点付近

此花大橋は、走っている車を全く見かけない。休日なので、工事現場も休みなのだろう。工事が開幕に間に合わないとか報道されているが、それなら24時間突貫工事したらどうなんだと思う。(もちろん、3交代になればあつめる作業員の数も数倍に膨らむわけだが...)

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休日なので工事車両が全く走らない此花大橋

此花大橋には歩道があったようだが、万博期間を含んだ令和11年3月まで通行止めという掲示がある。欧州では環境保護のために自転車交通を積極的に取り入れている一方、日本はエネルギーを使う車やバスを走らせまくる。これのどこが「グリーン・トランスフォーメーション GXの未来」なんだ。

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此花大橋の歩道が通行止めとなる掲示

ここから、北港通を梅田方向に1.6kmほど戻る。住友電工の主力工場「大阪製作所」の巨大工場が道の北側に広がっている。

そういえば、30年ほど前の大学卒業年に「お食事付きの見学会」に参加した記憶がある...。当時は、いまのようにインターンシップとか、就職活動とか無かった。研究室が各社平等に割り振る「推薦枠」をゲットすればよかっただけで、大学生を1人でも送り込んでほしい「企業側が学生を接待する」という今とは違う就活システムだった。

たしか、住友電工では光デバイスの研究所を見学し、配属されれば利用できる実験装置、最先端の測定器、研究中の試作デバイスなどの説明を受けたと思う。事業部門・研究所が学生をリクルートするので、近年よく言われる「配属ガチャ」など生まれようがなかった時代だ。

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大手の工場や物流倉庫が並ぶ北港通の島屋付近。右側は住友電工の大阪製作所

島屋交差点で左(北)に折れ、北港大橋を渡る。橋の下には川があるが、橋の規模の割に細すぎる川だ。橋の下の大部分を占めるのは、赤茶色に錆びた鋼材で作られた何らかの巨大物体。

Googleマップを見てみると、この下を阪神高速湾岸線と神戸線を接続する正蓮寺川トンネルが通っている。川を埋めて高速道路トンネルを作っているようだ。

ごくわずか残った水面には、クラゲの死骸が浮かんでいて、ドブの腐敗臭がしてくる。ずっと奥には、正蓮寺川水門の水色の鋼製ゲートが見えている。

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北港大橋から、正蓮寺川の下流方向を見る

北港大橋を越えてまっすぐ進むと、酉島住宅の敷地の西端で淀川の堤防に突き当たる。

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淀川の堤防に突き当たる道。右側の擁壁は酉島住宅の敷地

酉島住宅は敷地が堤防レベルまで嵩上げされているが、左側の一般住宅は堤防が嵩上げされず、地震などで地割れずれば溢水・水没する可能性がある。

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淀川下流方向へ向かい、堤防に自転車で登れる場所を探す

さきほどの酉島住宅の敷地境界から1kmほど下流にやってくると、堤防脇に大きな石碑が立っている。

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「常吉庄左衛門良白居士之墓」と「安政三年海嘯溺死者各霊之墓」

常吉庄左衛門は、江戸時代末期に此花区酉島一帯の「常吉新田」を開発した人だそうだ。

安政三年海嘯とは、安政元年(1854年)12月24日に大阪市に襲来した安政南海地震津波のことだろう。2030年代に起こると言われている南海地震でも、大阪市は大津波に襲われるのだろう。

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淀川左岸の堤防上に作られた自転車道 (常吉庄左衛門の墓付近から下流方向)

この真新しい舗装の自転車道は、国道43号線・阪神なんば線の伝法大橋付近がスタート地点で、淀川河口で堤防が途切れるところまで続いている。

阪神高速5号湾岸線 淀川高架橋の350mほど手前の自転車道に、「L 0.0」の距離標がある。

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淀川左岸 0.0km 距離標

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阪神高速5号湾岸線 淀川高架橋

淀川高架橋の下をくぐり抜け、さらに400mほど下流まで堤防が続いている。

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淀川左岸の堤防先端にある見晴台(?)と焼却炉

ここが本当の河口です。出発地点(下福島公園)から14.0km、途中で写真撮影で停車しまくって所要時間が1時間15分だった。

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淀川の河口