もくじ
・立山 テント泊:事前準備
・立山 テント泊:その1 立山登山
・立山 テント泊:その2 雷鳥沢テント泊
・立山 テント泊:その3 富山城
・ヤマレコの記事 立山(雄山・大汝山、雷鳥沢テント泊)
室堂 〜 雷鳥沢野営場
立山へのピストン(単純往復)登山を終えて、室堂ターミナルまで戻ってきた
登山道(遊歩道)から建物に入るところにある屋上展望台には、さすがリゾート地という感じのテラス席や屋台、さらにはストリートピアノ(?)まで置かれている
朝、コインロッカーに預けた荷物を回収し、室堂ターミナル前の「立山玉殿の湧水」でペットボトルとナルゲンボトルに合計1.5リットルの給水をして、雷鳥沢に向けて出発
草紅葉はまだ始まったばかりで、緑色の部分も多い
地名を入れるとこのようになり、今日 縦走してきた一の越から大汝山まで、かなりの距離があるようにも感じる
5分ほど歩くと、室堂で最大の火口湖 ミクリガ池の畔を通過する
ミクリガ池の北端には温泉旅館があり、コンクリート舗装された登山道(遊歩道)は旅館の横を通過して、雷鳥沢に向け少しずつ高度を下げていく
雄山と大汝山の間にある山崎カール(山崎圏谷)が、ちょうど真正面に見える場所に石碑が建っている
多くの人は、カールがこの景色全体なのか、一部分なのか分からないだろう。説明板くらいあればよいのに
登山道は尾根部分の稜線をうねるように造られている。尾根の微妙な高低差を登ったり降りたり、けっこう疲れるものだ
登山道のある尾根の西側の谷は、火山ガスが立ち昇る地獄谷。ここから噴出する湯を、登山道沿いの旅館(みくりが池温泉・雷鳥荘・雷鳥沢ヒュッテ)で温泉として使っているそうだ
谷底に降りる遊歩道が、火山ガス監視所の横で分岐しているが、通行止めのバリケードが設置されている
いつ硫黄ガスが大噴出するかわからんので、そりゃそうだろう
火山ガスの濃度が高くなると、サイレンとパトライトで警告があるらしい
サイレンや警告灯は尾根の登山道沿いに幾つか設置されていたが、残念ながら雷鳥沢野営場には一つも見かけなかった
硫化水素(H2Sの分子量34.1)は空気より重く、尾根を越えて東側の雷鳥沢まで押し寄せてくれば、万事休す...
雷鳥荘を過ぎると、標高差100m猛烈な下り階段。遥か下に雷鳥沢野営場が見える
室堂を出発してから、次々とテント泊装備を背負った登山者とすれ違ってきたが、最後のくだり階段ではさらに多くのテント泊登山者とすれ違う
土曜夜にテント泊して、きょう日曜日に立山縦走して帰宅する人たちだろう。年齢層とすれば若い人が多く、20歳台が大部分のような印象
そして、けさ立山の山頂から見た時よりも、テントの数が遥かに減って(約160張→約80張)スカスカ状態になっている。実に好ましい状況だ
雷鳥沢野営場 泊
雷鳥沢野営場の南東角に幕営場所を決めた。眼の前に遮るものがなく立山が聳えている
少し疲れていたので、のんびりと20分ほどかけてテント設営
テント設営後、管理事務所に行き幕営料1,000円を支払う
キャンプ場の事務所なので県営か町営だと思っていたが、Webで検索すると、なんと国営(環境省)とのこと。非常勤職員なのだろうが、この職場あこがれるわ...
雷鳥沢野営管理所にシェルター機能を整備 弥陀ケ原火山噴火時に避難
環境省は、立山登山の拠点となる雷鳥沢野営管理所(立山町芦峅寺、標高2277メートル)を改修し、拠点機能を強化した。弥陀ケ原火山の噴火を想定し、登山客らが一時避難できるシェルター機能を新たに整備。兼ねて要望があったトイレを洋式化して、増加するインバウンド(訪日客)にも対応し、アフターコロナを見据えた受け入れ環境も整えた。雷鳥沢野営管理所は1980(昭和55)年に整備され、老朽化も進んでいるため、初めて大規模な改修を行った。増築で延べ床面積を約170平方メートルから235平方メートルに拡大することで、噴火時の避難スペースを確保した。管理所は火山発生時の避難促進施設に指定されている。
整備の事業費は約1億5千万円。環境省から委任を受け、富山県が施工した。県自然保護課の担当者は「これまで以上に頼れる施設になった。多くの方に利用してもらいたい」と話した。
富山新聞:https://www.hokkoku.co.jp/articles/tym/1054509
野営管理所の係員に、「洗面所で流しっぱなしにしている水はそのまま飲める」のか聞いてみた。「沢の水ではなく、地下からの湧水なので、自己責任であれば飲むことは止めない」というレベルのものだそうだ。係員は飲んでいるそうだが、水質検査していないから客には保証できないということなのだろう
他の山では登山道を横切る沢水も自己責任で飲むのだから、砂ろ過された湧水ならもっと安全なはず。大いに飲んでもいいんじゃないのというのが私個人の感じ方
サタケのアルファ米を調理して先に食べ、アルファ米の食後のパッケージを利用してカップ用インスタントラーメンを作り、最後にバウムクーヘン。計算上は807キロカロリー以上摂取できているはずだ
雷鳥沢野営場から見た、夕焼けに染まる立山 (日没の20分ほど前)
日曜夜の雷鳥沢野営場はスカスカ状態。若い人もほとんどおらず、宿泊者の年齢層は高めで騒ぐ人も皆無
沢の流れの音がかすかにするだけの静寂の中、刻々と日が暮れていく
国立天文台の「こよみの計算」で、富山市の値を計算すると次のような結果になる
まずは、月明かりが山並みを照らしている20時少し前に撮影
雄山神社 社務所の明るい照明が目立っている。テントは、照明やフラッシュを全く使わず、完全に月明かりのみでこれだけ明瞭
雷鳥沢から北東方向。別山の山並みと、剣御前小屋の光が見える。頭上中央はペルセウス座とカシオペア座
次に、月が沈んだあと、気象衛星の雲画像を見て南東から雲がやってくる2時より前という条件で、0時30分頃に撮影を再開
月明かりがないと山肌を照らすものがなく、ほぼ漆黒なのがわかる
画面の左端に、ちょうど東から昇ってきたばかりの牡牛座ヒアデス星団が見えている
20時の写真撮影で、別山方向(東の空)から昇ってきたカシオペア座などが、真夜中になってちょうど天頂あたりに到達している
雷鳥沢より北西方向。富山市街地の光と、はくちょう座付近の天の川
夜20時頃には、テントの内側は結露が発生し、服やシュラフが接すると水滴でベタベタ状態になる。このままでは結露が雨降りのように落ちてくると思っていたら、早朝は結露が氷結してくれて、落ちてこなくてありがたかった
4時過ぎよりテントを撤収する音がちらほら聞こえてくる。テント内部に結露した水滴が凍って、テントを畳むときに「ザーッ」と氷が滑り落ちてくる音が響いている
私のテント内部の温度計は昨晩からずっと5℃程度だが、気化熱が奪われるテント表面付近は氷点下なのだろう
日の出10分前。薄い雲がたなびいている立山方向の空が赤紫に染まっていく
朝食は昨晩の食事と同じく、アルファ米、インスタントラーメン、バウムクーヘン
7時、テント撤収を完了し出発する
他のテント場が猛烈に便乗値上げする中、1,000円というコロナ前の通常料金を維持してくれている快適なテント場だった
雷鳥沢野営場 〜 室堂
野営場から雷鳥荘前まで、標高差100mほどの階段をひたすら登る