29 September 2022

爺ヶ岳 紅葉登山 : その3 松本

爺ヶ岳から下山後、松本市に立ち寄ってから夜行バスに乗車した。

もくじ

扇沢駅 〜 松本

■ バス アルピコ交通 扇沢駅 13:30発 → 信濃大町駅 14:05着 (運賃 1,390円)

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扇沢駅に停車している信濃大町行き路線バス

バスの出発時刻は関電バス(旧トロリーバス)の到着時刻に合わせているようだが、信濃大町でのJR線乗り継ぎを全く考えていないダイヤだ。

私が今回乗った扇沢13:30発のバスは乗り継ぎがマシなほうで、最悪なパターンはもう一本後の扇沢14:10発のバス。(黄色着色が私が乗車した乗継パターン)

関電バス → 扇沢着路線バス 扇沢発 → 信濃大町着JR 信濃大町発 → 松本方面
→ 11:51
→ 12:21
12:30 → 13:0513:48 →
→ 12:51
→ 13:21
13:30 → 14:0514:38 →
→ 13:5114:10 → 14:4515:53 →
→ 14:21
→ 14:51
15:10 → 15:45
16:34 →
→ 15:21
→ 15:51
16:05 → 16:4017:19 →

バスの運賃は車内でも払えるようだが、扇沢の切符売り場で乗車前に購入しておけば下車時に少しだけ楽できる。

今日は平日なのでアルペンルートの乗り物を乗ってきた観光客は少ないのか、13時半初のバスは定員の半分程度しか乗っていない状態だった。

バスは定刻通り信濃大町駅前に到着。乗り継ぎの列車の発車時刻まで、30分ほどある。駅の待合室にある立ち食いそば屋で、遅めの昼食。関東風の塩辛めのだし汁は、脱水気味の疲れた体を生き返らせてくれた。

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信濃大町駅の立ち食いそばで食した「かけそば」 (390円) 濃い色の出汁が食欲をそそる

駅の改札横には、すずむし(鈴虫)が入っている大きなダンボール箱がある。

大町市の南に隣接する松川村の "ゆるきゃら" がすずむしなので、大町駅にもすずむしが飼われているということなのだろう。夜になると鳴くのかな...

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信濃大町駅の改札横には鈴虫が飼われている

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JR信濃大町駅に停車している松本行きの列車 (E127系)

■ JR東日本 大糸線 信濃大町駅 14:38発 → 松本駅 15:38着 (運賃 680円)

2両編成の普通列車は、座席がほぼ埋まったくらいの混雑度合い。北アルプスの表銀座の山々を右手に見ながら、高瀬川・犀川沿いを南に走っていく。

この列車はワンマン運転、車内改札(運賃箱)の典型的なローカル鉄道だ。もちろん、ICカードなど使えるはずもない。

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先日発表された赤字路線一覧(輸送密度1000人未満)には、大糸線の白馬駅より北の区間が入っていた。今回乗った区間は、この廃止前提の赤字路線公表区間ではなく、ローカル線にもかかわらず1時間に1本運行され、座席がほぼ埋まるくらい混雑しているのだ。これで黒字じゃなかったら、鉄道事業に構造的問題があるに違いない。

松本

疲れて完全に寝ていたので、途中の風景がどんなだったかは全く記憶がなく、松本駅の2駅くらい手前で起きたときにはすでに市街地を走っていた。

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JR松本駅前

松本駅前の雰囲気は、大都市圏の郊外拠点駅前といった感じで、大手チェーン店の飲食店や中小企業の事務所などが入る雑居ビルが建ち並んでいる。どこか馴染みのある風景で落ち着く。

大阪行きの夜行バスに乗る時刻まで7時間ほどあるので、まずは久々に松本城を見に行ってみる。

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松本城黒門前の「国宝 松本城天守」と書かれた石柱

松本城は現存12天守のうちの一つ、かつ天守が国宝指定された5天守のうちの一つだ。江戸期には松本藩の藩庁が置かれ、戸田松平家が長らく城主を務めた城だ。

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松本城の南面 内堀と天守

天守に隣接する月見櫓はシートで覆われ工事中、大天守の最下層階も一部がシートで覆われ工事中だ。

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松本城の西面 埋橋と天守。こちら側からは工事中の雰囲気は伺えない

松本城見物を終え、再び松本駅前に戻る途中、女鳥羽川に架かる千歳橋から東方向に、霧ヶ峰がくっきりと見えた。

北アルプスの表銀座、蝶ヶ岳付近ははるか遠くにしか見えていないが、霧ヶ峰は案外市街地から近いようだ。

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千歳橋から見た霧ヶ峰

駅前まで戻り、牛丼の松屋で夕食。

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松屋 牛めし並 生野菜セット (480円)

今回の土産物は、長野の名産物「りんご」。駅前バスターミナルの地下1階スーパーで購入した。

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駅前のスーパー デリシアで購入したサンつがるりんご(171円) この他に、敷島の袋パン あらびきソーセージ(108円)も購入

夜行バスの出発時間まで、時間つぶし・昼寝をするためにネットカフェに向かう。

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ネットカフェ Carefree Cafe

ネットカフェの会員券は、前回2019年に燕岳から下山したときに作ったものが有効だった。

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ネットカフェ Carefree Cafeの完全個室。足を曲げてなら寝転ぶことができる

21時45分、ネットカフェをチェックアウト。予定通り完全個室5時間パック1800円となった。

松本駅前まで飲み屋街を歩く。駅付近には客引きがたむろし、一昔前の大阪道頓堀付近のように治安悪そうな雰囲気もある。しかし、歩いている人の数がほぼゼロでは、なかなかカモを捕まえるのも大変だろう。

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夜のJR松本駅前。笛を吹く少年の像「さわやかな風」(洞沢今朝夫 作)

マクドナルドに入り、明日から150円に値上げされる予定のチキンクリスプ(130円)を購入。

1年前は110円だった。今年3月に130円、9月に150円と相次いで値上げし、CPI(消費者物価指数)上昇率2%およびPPI(生産者物価指数)の8%台すら大幅に超える36%もの値上げだ。明らかな便乗値上げ。

米マクドナルドが0.55%の構成比率となっているS&P500 ETFに老後資産を投じる株主としては、マクドナルド社が暴利を貪って年4回の配当金を出してくれれば御の字だが、やり過ぎの値上げに対しての態度としては「今後しばらく買わないでおこう」が正解である。

CPIの2%以上(あるいはPPIの8%以上)値上げしてきた商品は、なるべく買わない、生命に危機が及ばない趣味嗜好品であれば買わないのが、この時代の常識。

松本 〜 大阪

松本駅前のバスターミナルがあるアルピコプラザに行くと、入口が閉まっている。道路からバスターミナルの乗り場に入るが、本当にこの道通っていいの...

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アルピコプラザ(松本バスターミナル)

観光客じゃなさそうな、地元の人っぽい乗客がポツポツ集まってきて、バス到着時には7〜8人くらいになっていた。この時間帯に出発するのは大阪行の夜行バス1便だけなので、バスターミナルの待合室・切符売り場が閉場していても誰も困らないのだろう。

■ 阪急バス アルペン松本号 松本 22:30発 → 京都深草 05:25着 (運賃 5,700円)

定刻どおり出発したバスは、松本から諏訪湖近くの岡谷までの間で、いくつかのバス停に停車して数名の乗客を乗せていた。

今回のアルペン松本号も、往路に乗ったさわやか信州号と同じく、3列シートの窓際が満席で、中央の席が数席埋まった程度の乗車率だった。

帰路のSA/PAでの休憩は、長野県の小黒川PAで23時25分から15分、滋賀県の菩提寺PAで4時50分から15分間だった。どちらも24時間営業のコンビニが無いPAなので、下車してもトイレに行って体をほぐすくらいしかできない。

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大型トレーラーで満車の菩提寺PAに停車中のアルペン松本号

SA・PAが満車の場合は、途中休憩が無しになる可能性があると松本出発時に案内があったが、そういうことが頻繁に起こるほどSA・PAは大型トレーラーで満車だ。

NEXCOの報道発表では、「平日の夜間を中心に、SA・PAでは大型車の駐車マスが不足」「平日の夜間の時間帯を中心に8時間以上の長時間駐車が約6割を占め、1台による駐車マスの占用時間が多くなり、多くの車両利用できなくなる」と白状している。

ドライバーが4時間に1回、30分の休憩を取るのは法令で定められているが、8時間も休憩する必要はない。明らかに、SA・PAを占拠してホテル代を浮かせているとしか考えられない。SA・PAの出入り口にETC読み取り装置をつけて、異常な長時間利用を検知してホテル並みの利用料金を徴収すべきだと思う。

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5時25分、最初に停車する停留所、名神高速の京都深草バス停で下車する。ここで降りるのは私だけのようだ。

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京都深草バス停

誰も歩いていない名神高速の側道を400mほど東へ歩くと、高速道路と直角に交わる京阪電車の藤森駅がある。

駅構内には数人の乗客が列車を待っている。5時台は17分の始発、38分、58分の3本しか無いのに、乗客数はある程度あるようだ。

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京阪藤森駅

■ 京阪本線 藤森駅 05:38発 → 京橋 → 中之島駅 06:45着 (運賃 470円)

藤森駅から乗車した準急は、大阪府の樟葉に停まる頃には座席がほぼ満席となり、始発に近い列車がこれほど混雑しているとは思いもよらなかった。

京都深草で京阪に乗り継いだのは、京阪沿線住民の私にとっては明らかに時間が早く、合計運賃も安いから。

バス直行の場合 : 松本→梅田(07:11着) 6,200円・JR大阪→JR福島120円
京阪乗継の場合 : 松本→京都深草(05:42着) 5,700円+京阪470円

バスが名神高速を降りて京都駅前に寄らなければ、30分ほど早く大阪に到着できるので明らかにバスのほうが早くて便利なのだが...