29 September 2022

爺ヶ岳 紅葉登山 : その1 扇沢から種池山荘

インバウンド公害が戻ってくるようなので、その前の静寂なひとときを楽しみに、爺ヶ岳 日帰りピストン登山に行ってきた。

もくじ

急遽決まった予定なので、バスのWeb予約は9月27日。この時点で、天気が安定する9月30日(金)現地着のバスは満員だったので、天気が好転する期待を込めて9月29日(木)現地着のバスを予約した。この時点で、空席は残り7席だった。

登山口 扇沢へ

今回乗るさわやか信州号は、梅田阪急三番街バスターミナルから出発。自宅から、どの電車に乗っても中途半端なので、直接歩いて向かう。

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グランフロント梅田の夜景

■ アルピコ交通 さわやか信州号 梅田三番街 21:20発 → 扇沢駅 05:55着 (運賃 10,400円)

バスは定刻通り出発し、新大阪、京都で幾人かずつの客を乗せる。最初の休憩停車は草津SAだが、駐車場がトレーラーで満車だったので、次の菩提寺PAに臨時停車。 ここにはコンビニが無い...。 登山用の朝食が買えない危機 !

大型トレーラーがSA・PAの駐車場を8時間以上も長時間占拠してホテルのように使う、やりたい放題状態をなぜ傍観する、高速道路会社。 SA・PA出入り口にETCゲート付けて、長時間駐車は高額の駐車料金取ればよいではないか。

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菩提寺PAに休憩停車中のさわやか信州号 (23時25分)

日野ジェイ・バス セレガHD 2016年式 3列シートの定員28人。 窓側の座席は全て満員で、中央の座席がいくつか空いているくらいだった。

明朝の2回目の休憩停車、梓川SAが満車で通過してしまうと、食料が少し足りないことになる。

梓川SAには3時半ごろに到着、運転手の仮眠時間ということでなかなか乗客は降りれなかったが、4時半ごろに車外に出ることができた。ここにはコンビニがあるので、ゼリー飲料とおにぎりを購入。

バスの車内で、手早く朝食を食べる。デニッシュブレッド(180円)、サラダチキン。デニッシュブレッドは800kcalもあり、登山前の朝食としては十分だ。

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5時ごろ安曇野穂高で2名の客をおろし、次の信濃大町駅前は客扱いがなく通過。そして、扇沢には定刻より20分ほど早く到着し5人ほどが降りた。

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日の出直後に扇沢駅に到着 (この日の日の出は5時45分頃)

建物の車寄せ部分の最北端に、"破砕帯のおいしい水"と書かれた無料の給水ポイントがある。ここでペットボトル2本分(合計1リットル)を給水する。

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扇沢駅の無料給水ポイント(建物の北端、バス切符売り場とトイレの間にある)

GPSログ

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GPXファイルをダウンロードする

区間 時刻 所要時間
扇沢駅 - 柏原新道登山口 1350m 06:07 - 06:16 9分
柏原新道登山口 - 種池山荘 2460m 06:16 - 08:47 2時間31分
    - 八ツ見ベンチ 1620m - 06:47 31分
    - ケルン 1760m - 07:04 17分
    - 駅見岬 1910m - 07:22 18分
    - 一枚岩 2010m - 07:34 12分
    - 石畳 2130m - 07:50 16分
    - 水平道 2160m - 07:58 8分
    - アザミ沢 2240m - 08:10 12分
    - ガラ場 2290m - 08:21 11分
    - 富士見坂 2310m - 08:28 7分
    - 種池山荘 2460m - 08:47 19分
種池山荘 - 爺ヶ岳 南峰 2660m 08:57 - 09:33 36分
爺ヶ岳 南峰 - 爺ヶ岳 中峰 2669.9m 09:42 - 09:55 13分
爺ヶ岳 中峰 - 種池山荘 2460m 10:07 - 10:51 44分
種池山荘 - 柏原新道登山口 1350m 11:06 - 13:01 1時間55分
柏原新道登山口 - 扇沢駅 1420m 13:01 - 13:12 11分

扇沢 〜 登山口 〜 ケルン

扇沢駅よりバス道(県道45号)を900m戻った地点に、柏原新道の登山口がある。標高差80mほど高度を落とした地点だ。

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扇沢駅より県道45号の第6ポイント スノーシェッドを通り抜けて、柏原新道の登山口を目指す

扇沢橋を渡ってすぐ、左手に柏原新道の登山口がある。

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扇沢橋より見た扇沢。これから目指す種池山荘はこの谷の最奥部コルにある

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扇沢橋鉄橋と柏原新道登山口 (標高1340m)

登山道は扇沢左岸側の尾根をトラバースしながら高度を上げていく。

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柏原新道の登山口付近からひたすら登り (標高1400m付近)

大小の石が敷き詰められた登山道は尾根の西斜面を通っているので、早朝は太陽光が当たらず日影の領域。涼しい環境の中を登れる。

高齢の女性グループや夫婦を幾組か追い抜く。平日だが、案外このコースを登る人は居るようだ。

また、ほぼ定間隔(?)で愛称のような地点名がつけられている。まず最初に現れたのは「八ツ見ベンチ」。八ヶ岳が見えるのかもしれないが、あいにくその方向は逆光で白く霞み、かつ長野南部は曇りなので何も見えない。

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八ツ見ベンチ (標高約1640m)

八ツ見ベンチの少し先で扇沢駅の建物がチラリと見え、標高差200mほど登ってきたことが実感できる。

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柏原新道より扇沢駅がチラリと見える

標高1750m付近まで来ると、崖沿い道の注意看板がある。

"注意 : この先、約150mの間は、ガケの上を通ります。足下に草地や木々が生えていて油断しがちですが、転滑落には、十分注意してください。過去にも事故が発生しています"

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標高1750m付近の崖沿い道の注意看板 <下山時、太陽光が当たったときに撮影>

この崖沿いの道150m区間は、柏原新道の中では、標高2300m付近の「ガラ場」に次ぐ、第2核心部とも言えるような場所だ。

しかし、高度感が全く無いので怖くはなく、岩の割れ目に足を取られないよう注意して進めばなんの問題もなくクリアできる。

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標高1760m付近の崖沿いの道 <下山時、太陽光が当たったときに撮影>

崖沿いの道150m区間の終点には小さなケルンがあり、地点名「ケルン」の札が掲げられている。

柏原新道で唯一の標識がケルンの側面に取り付けられていて、"扇沢 1.7km 40分。種池 4.5km 3時間半" と書かれている。

数値がいい加減すぎて呆れるばかりだが、私が歩いた時のGPSログ計測では柏原新道登山口まで1.4km 45分、種池山荘まで3.4km 1時間40分だった。。

過小すぎ、盛りすぎが混在している、摩訶不思議な標識看板だ。

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ケルン (標高約1760m)

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オヤマリンドウ <下山時、太陽光が当たったときに撮影>

ケルン 〜 水平道

「崖沿いの道150m区間」付近より、左手の眼下にはずっと扇沢駅の建物や駐車場が見えている。今更感があるが、標高1900mの少し手前に「駅見岬」という地点名看板があった。

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駅見岬 (標高約1890m) <下山時、太陽光が当たったときに撮影>

おそらく、下山するときに初めて扇町駅の建物が見えるのが、この地点なのかもしれない。

そして、駅見岬を過ぎてすぐ、こんどは初めて種池山荘が稜線上に見え始める。

まだあんな上まで登らんといかんのかぁ... と思うような遠さだ。 スマホの地図を見ると、標高差500mである。しかし、登山口からすでに600m登ってきているので、ノルマの半分は越えているのだ... と考えることにする。

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標高1950m付近で、稜線上に種池山荘が初めて見える <下山時、太陽光が当たったときに撮影>

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種池山荘付近の稜線は、草紅葉しているようにも見える(標高約1920m付近より撮影)

後ろからひたひたと早足で歩いてきた、青いウエアの男性に追い抜かれる。今日、追い抜かれたのはこの男性のみだった。そして、種池山荘までの間で、20人ほどの登山者を追い抜いた。その中に、テン泊装備の人は居なかったので、数少ない若い人は日帰り、老人は小屋泊りなのかもしれない。

標高2000mを突破。足下の登山道は、相変わらずの様々な大きさの石を組み合わせて敷き詰めた石畳。決して、大きな岩を組み合わせているわけでもないのに、地点名「一枚岩」。

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一枚岩 (標高約2000m)

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標高2000mを越えたあたりより、少しずつ紅葉が始まる <下山時、太陽光が当たったときに撮影>

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柏原新道より北方向に見える岩小屋沢岳などの稜線 <下山時、太陽光が当たったときに撮影>

上の写真、左端のピークが岩小屋沢岳(2630m)。中央のギザギザが標高点2532mのピークで、画面の右外ちょっと行ったところに種池山荘がある。

標高2100mを過ぎたあたりより、かなり大きな岩を敷き詰めた山道になる。この大きさの岩を動かして敷き詰めるのは、山道を造った人達はものすごく苦労したのやろうなと。

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地点名「石畳」(標高約2130m)

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巨大な岩を組み合わせて山道とした「石畳」(標高約2130m)


柏原新道 水平道付近ではかなり紅葉が進んでいる(標高約2200m) <下山時、太陽光が当たったときに撮影>


地点名「水平道」(標高約2200m) <下山時、太陽光が当たったときに撮影>

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ナナカマド(柏原新道 標高約2200m付近) <下山時、太陽光が当たったときに撮影>

ナナカマドとハゼノキはとても似ているが、葉にギザギザがある(鋸歯)なのがナナカマドだということだ。

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オオカメノキ(柏原新道 標高約2200m付近) <下山時、太陽光が当たったときに撮影>

水平道 〜 ガラ場 〜 種池山荘

見事な紅葉の水平道を通過すると、アザミが咲き乱れるアザミ沢(涸れ沢)を渡渉。

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アザミ沢を渡る(標高約2230m)

柏原新道の核心部「ガラ場」に差し掛かる。

注意看板には "落石注意。耳を澄まして足元・上方に注意を払ってください。前後の人と間隔をあけ静かにすみやかに通過してください" などと書かれている。

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ガラ場の注意看板(標高約2290m)

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ガラ場の全景(標高約2290m) 道の先に、ガラ場を通過した赤いウエアの登山者が見えている

通過中の登山者を入れて、だいたいのスケール感をつかめる写真を2枚ほど...

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ガラ場を通過する登山者 <下山時に撮影>

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ガラ場を通過する登山者 <下山時に撮影>

柏原新道の最難関(?)核心部だが、実際に落石があるときに最難関になるだけで、通常時は高度感もほとんどなくたやすく通過できる。

ガラ場を通過すると登山道脇に鎖が張られているが、ここで鎖持つ人居るのだろうか... 登山道の幅は50cmはあるので鎖は要らんやろ。

しばらく行くと富士見坂という地点名標識がある。南の方を振り返ってみるが、富士山のあるあたりはベッタリと雲に覆われている。

先行していた赤いウエアの女性に「富士山見えました?」と聞いてみたが、やはり見えなかったとのこと。

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富士見坂(標高約2320m)

むしろ、ここから見上げる爺ヶ岳南峰の斜面が見事に紅葉していて、息を呑む美しさだ。

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富士見坂付近から見た爺ヶ岳南峰 <下山時、太陽光が当たったときに撮影>

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標高2320m付近 ブナの紅葉 <下山時、太陽光が当たったときに撮影>

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標高2380m付近 ダケカンバの黄葉 <下山時、太陽光が当たったときに撮影>

九十九折の坂道を登っていくと、鉄砲坂の地点名標識がある。熊出没注意の看板には、ここから種池山荘まで15分とも書かれている。

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鉄砲坂の地点名標識(標高約2380m)

標高2400m付近で、ササとダケカンバの低木林を抜けて草原へ。

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標高2400m付近で森林限界を抜ける

森林限界を越えると、すぐ目の前に種池山荘が見える。

種池山荘

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柏原新道を登りきり、種池山荘が見えてくる(標高約2460m)

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種池山荘

山荘前のベンチで10分ほど休憩。インゼリー(エネルギー)を飲んで栄養補給。

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種池山荘前のベンチには先客2名

あとから追いついてきた、富士見坂で追い抜いた赤いウエアの女性も加わり、見えてる山々の同定や、最近登った山の情報を交換する。
皆さん、足繁く北アルプスに通っておられるようだ。赤いウエアの女性は関西から来ているようで、「最近は関西人を北アでよく見かけるようになった」と。確かに、関東や地元以外では、京阪神の比率が多いような気もする。