もくじ
・弓折岳・鏡平へ紅葉狩り その1:準備
・弓折岳・鏡平へ紅葉狩り その2:新穂高からシシウドヶ原
・弓折岳・鏡平へ紅葉狩り その3:シシウドヶ原から鏡平を経由し弓折岳・そして下山
・登山後に緊急事態宣言下の高山に1泊
高山まで路線バスで行き、ホテルに入り大浴場でリフレッシュ
ヤマレコの記事 『弓折岳・鏡平(紅葉、新穂高より日帰り)』
弓折岳・鏡平から下山後、14時55分の路線バスに乗ってJR高山駅に向かう。
■ 濃飛バス 新穂高 14:55発 → 高山濃飛バスセンター 16:30着 (運賃 2,200円)
始発の新穂高ロープウェイ駅から乗車したのは10名ほど。2名が福地温泉で降り、数名が平湯温泉で降りて、同じくらいの数の乗客が乗車してきた。
1つ目のバス停が新穂高登山指導センターだが、この時間から登山開始する人は少ないため、周囲にはほとんど人影がない。休日は満車になる大きな駐車場も、きょうは車が2台停まっているだけ。泊りがけで双六・裏銀座方面に登っている人も多くはないのだろう。
平湯温泉を過ぎると、終点の高山市街地までバス停で乗降する客は誰も居ない。路線バスだが、完全に観光客専用となっている。1時間に1本しか走らないし、運賃も結構高いので、地元の人は自家用車派なのだろう。
2016年に改築さた高山駅は、地方都市としては斬新過ぎるデザインで、観光客を意識しすぎた場違いな雰囲気だ。そして、その観光客がほぼゼロとなり、駅前の一等地に鎮座しているガラス張りの観光案内所は閉鎖されている。
駅前の通りも閑散としていて、2017年に来た時にラーメンを食べた駅前の飲食店ビルは退去・閉鎖されている。
今回は、楽天トラベルで1泊3,900円で予約した、駅の南隣にある共立リゾート 高山桜庵に宿泊する。
駅から広い歩道を南へ。高校を下校してきた学生2人とすれ違った以外、観光客を意識して造られた広すぎる歩道には誰も歩いていない。
スッキリしていて私としては良いと思うのだが、ここの町の人にとっては想定外なのかもしれない。
チェックインし、割り当てられた7階の部屋へ。館内はすべて畳敷きで、レセプションの横の下駄箱に靴を収納した後は、裸足で歩くようになっている。
これも、インバウンド・ガイジンを意識した造りなのかねぇ
部屋も畳敷き。畳といっても、イグサを使った本物の畳ではなく、柔道場のようなプラスチック畳だ。
ちょうど西日が当たっている窓のシェードを上げて外を見ると、真下にJR高山本線の軌道敷がある。
上下あわせると、30分に1本〜2本の列車がホテルの横を通ってくれることになる。その多くは特急ひだのキハ85気動車で、ごく僅かな普通列車のキハ25気動車が走るといった具合だ。駅を出発して加速していく軽快なディーゼル機関の音が聞けるのが、このホテルの特徴だろうか。
部屋に荷物を置き、まずは13階の大浴場へ。浴室には先客1名。途中でもう一人やって来たが、混雑するということはなかった。
そして、大浴場や休憩室からは、夕日に照らされた高山の旧市街が一望できる。その遥か背後には、笠ヶ岳・穂高連峰が晴れてれば見えるはずだが、今は雲に巻かれて何も見えない。
高山桜庵の13階大浴場(休憩室)から見た東方向(市街地・北アルプス)
西側の景色は高山市の郊外から清見のほうで、写真の左側には崇教真光の巨大な総本山の建物が写っている。
エレベーターホールに隣接した休憩室には、夕方にはアイスキャンディー、朝はヤクルトが置いてあって、無料でもらえる。
がめつい人が食べまくっても、それほどたくさん食べれるものでもないので、無料のサービスとしてよく考えられている。
マクドナルドでの夕食へ
食事を食べに、JR高山駅を通り抜けて、その西側にあるマクドナルドへ。
橋上駅舎の東西通路を通り抜ける市民がたまに歩いているくらいで、駅のコンコースには全く客の姿がない。待合室に数人、特急を待つ人が居るくらい。
普通列車がほとんど走らないのでは、もはや地元の公共交通としては認知されようもない。
インバウンドがこの先も二度と来なかったら、悪い冗談のようなデザインの駅舎だ。逆に言えば、インバウンド・フィーバーが人の判断をいかに誤らせるかの実例展示とも言える
駅の西口・東口それぞれに上下エスカレーターと、自転車が乗せられる巨大なエレベーターが設置されているが、全く人の気配がないのでディストピア感が半端ない。
駅の西側からは、停車している列車がよく見える。
西口の前にも大きなロータリーがあるが、一台の車も停まっていない。その横の駐車場は、照明すら消されて閉鎖されている。明らかに、段階的整備という経済的合理性を無視して、一気に夢に描いた大都会の駅を作っちゃった感がする。
駅の西口側は殺風景だが観光客向けじゃないので、むしろこちら側のほうが都会の近郊駅といった感じだ。おしゃれな建物のマクドナルドや、巨大なレンタル店ゲオ、コンビニなどが並んでいたりする。
チキンクリスプ、ハンバーガー、フライドポテトM、ミニッツメイドMで、740円。観光地の食べ物より、いつも食べてるレギュラーメニューのほうが安心。
店内は空いていて、1階に3組、2回に2組の客が居ただけで、ソーシャルディスタンスも完璧だった。
緊急事態宣言下で人の気配のない「古い町並み」見参
食後、旧市街の「古い町並み」を見に行くことにする。JR高山駅の東西通路を再び通り抜けて、駅西口へ。「古都」京都ですら見たこと無い見事なライトアップの駅舎。
宮川の東にある「古い町並み」目指して、アーケードのあるメインストリートを歩くが、ほぼ無人状態。観光客は全く見かけないし、地元の人達はこの時間帯に市内中心部の観光客向けの店に用事など無いのだろう。
店もほぼ閉店状態なので、そもそもアーケードの照明を付ける必要性あるのかな。エネルギー無駄なので消したほうがよいかも...
高山駅から旧市街に向かう東西のメインストリート国分寺通り(国道158号)
気持ちの良いくらいのゴーストタウン状態。シュールでいいねぇ。
駅からここまで、地元の人向けの食品スーパーだけが活気があった。
宮川を渡って次の角を南へ折れると、そこが「古い町並み」。江戸末期から明治初期の街並みが残っていると言われるところで「国選定重要伝統的建造物群保存地区」だそうだ。
観光客が消滅し、誰も居ないこの雰囲気。確かに「古い町並み」の雰囲気がある。しかしよく見ると、建物は映画の撮影セットのような感じがしなくもない。そもそも、観光客向けの商店だらけで歴史とか伝統と言われてもね...
観光業者の人は、この状態が続くと困り果てるのかもしれないが、「歴史」と「観光」はそもそも相容れない。私はこの無人状態の「保存市街地」のほうが好きだけど。
食べ物も、買い物にも興味はゼロなので、観光業が復活した後に来ることはないと思う。
高山駅の700m東にある旧市街「古い町並み」を見て、ぐるっと一周回ってホテルに戻ってきた。
飛騨国分寺を観てから高速バスに乗車し帰宅へ
翌日朝、6時30分にホテルをチェックアウト。
高山駅前の南北方向の通り沿いには、中層ビルの観光客向けホテルが建ち並んでいる。インバウンドが来ない今は、どのホテルもスカスカ状態なのだろう。
それらのホテルの前を通り、JR高山駅前を東へ。メインストリートの国分寺通りを200mほど行くと、飛騨国分寺の山門がある。
飛騨国分寺は、奈良時代に聖武天皇が命じて全国に造らせた国分寺の一つ。創建当時の伽藍は何一つ残っていないが、室町時代に再建された本堂は国宝に指定されている。
本堂は室町時代に再建されたもので国宝。鐘楼堂は、かつての高山城の建物を移築したものと言われている。
境内のど真ん中には、樹齢1250年の銀杏の木が生えている。
7時、JR高山駅前より大阪行きの高速バスに乗車。
■ 近鉄バス 高山 07:00発 → 大阪・東梅田 12:05着 (運賃 5,000円)
バスは高山駅より3名、崇教真光のバス停から1名乗車して、計4名の乗客。いくら緊急事態宣言かといえ、これでは確実に赤字運行だ。
途中、8時40分に関サービスエリア、10時10分に黒丸パーキングエリアで各20分ほどの休憩停車があった。