梅雨入り前の晴れ間、伊勢神宮に参拝してきた
もくじ
・ 伊勢神宮参り : その1 外宮
・ 伊勢神宮参り : その2 内宮
・ 伊勢神宮参り : その3 月読宮・参宮街道
大阪から外宮へ
■ 大阪メトロ 阿波座 06:22発 → なんば 06:27着 (運賃 180円)
難波駅の金券ショップに置かれているチケット自販機で、近鉄の割引きっぷを物色するが、近鉄のものは「株主優待券 2,100円」のみ。伊勢までの片道運賃は1,800円程度なので、優待券では元が取れない。
■ 近鉄 普通 難波 06:34発 → 上本町 06:37着
名古屋・伊勢方面に向かう大阪線の列車は、上本町から出発するため、まず上本町に向かう。
■ 近鉄 急行 上本町 07:11発 → 伊勢市 09:28着 (運賃 1,800円)
郊外から終着駅の上本町に到着した急行列車には沢山の人が乗っていたが、上本町で折り返して伊勢に向かう列車に乗り込んだ乗客はそれほど多くはない。
列車は6両編成で、前4両がクロスシート車。後ろ2両が名張駅で切り離されるロングシート車。
プラットホームの出発案内板に表示された停車駅一覧には、たくさんの駅名が盛り込まれている。終着駅まで2時間30分ほど掛かる長距離列車なので、これほどたくさんの駅に停車するのだろう。
始発の上本町では窓際の席がひと通り埋まった程度の乗客数。 次の鶴橋駅で全ての席が埋まり、ドア付近にはかなり立っている客も出てきた。 布施駅で満員電車状態。
郊外に向かう列車でも、通勤・通学ラッシュになるものなんだな…
途中駅から乗ってきて、途中駅で降りる人が殆どで、始発から乗り通している人はあまりいないようだ。
この時期、水が張られた水田は苗を植えた直後、三重県に入ると黄色く色づいた小麦畑もよく見かける。
最近、スーパーで売られている米の価格が急上昇しているのは、政府が稲作をやめさせるために、たとえば小麦に転作した場合は10アールあたり3万5千円の「戦略作物助成」という現金をばらまいているからだ。 だから、水田地帯が至るところで「春に黄色く色づく小麦畑ばかり」になっているのだ。
上本町から2時間半弱、やっと伊勢市に到着。 疲れる…
伊勢市駅は、改札内でJRと近鉄のプラットホーム間を行き来できる一体型の駅だ。 が、ICカードを使って直通乗車はできないようで、一旦改札外に出て切符を買い直せと「大きな警告看板」が掲げられている。
駅前から外宮入口までの間、およそ400mの参道には土産物屋や飲食店が立ち並んでいるが、いまいち活気が感じられない少し寂れた感じを受ける。
きょうは平日(金曜日)だから、家族連れなどの一般の観光客が少ないからだろうか。
外宮 (豊受大神宮)
駅から歩いて5分、外宮(豊受大神宮)の正面入口前に到着。
外宮の正面入口(火除橋)の警備詰所でもらえる案内図。公式Webページにもこの地図と同じPDF版が掲載されているし、拡大・縮小できるGoogleマップを使った地図も公開されている。
豊受大御神はお米をはじめ衣食住の恵みをお与えくださる産業の守護神です。 約1,500年前の雄略天皇の御代に丹波国から天照大御神のお食事をつかさどる御饌都神(みけつかみ)としてお迎え申し上げました。 … 御遷宮は内宮と同じく20年に1度行われ、平成25年10月5日に第62回式年遷宮が行われました。
この看板に書かれているように、20年に1回、式年遷宮という「全面建て替え」が行われているので、神社の建物自体には歴史はない。 その建て替えのノウハウが過去から現代に変わらず伝えられている、つまり「無形文化を継承している」(無形文化遺産)ことに意味があるのだろう。
だから、最近商業的に有名になっている「世界文化遺産」(有形文化遺産)ではない。
火除橋を渡り神社の境内に入る。「これより先にお手洗いはありません」との看板もある。ここから先は神域だということだ。
防火のための水路(堀川)に架かるので、火除橋だそうだ。
平清盛が勅使として参向した時、冠にふれた枝を切らせたという伝承があるクスノキだそうだ。 地上付近で巨大な幹が四分五裂して、おどろおどろしい姿をしている。
ここでは一般的な「ちょうず」ではなく、「てみず」と読ませる。
「一の鳥居」のところから先は、木々が鬱蒼と茂る森の中に参道が敷かれている。しばらく歩くと「二の鳥居」がある。
二の鳥居を抜けると「神楽殿」があり、その一角がお守りなどを売っている「神札授与所」だ。
休日は多くの参拝客で混雑するのだろうが、平日(金曜日)のきょうは、疎らに参拝客が歩いている程度だ。 それに加えて、企業の研修で参拝に来たと思われるリーマンの集団が歩いていたりする。
屋根の掛かった「九丈殿」の手前に、1本の榊(サカキ)が植えられている。この木の根本、一段高くなった所に祀られているのが「四至神」(みやのめぐりのかみ)だそうだ。四至神とは、外宮神域の守り神、四至とは神域の四方を意味します。社殿や御垣はなく、榊が立つ石畳の上に祀られますと説明されている。
四至神のところから、北門へ抜ける脇道に入る。
北参道「一の鳥居」のすぐ向こう側に、「御厩」(みうまや)の建物がある。近づいてみるが、白馬はどこかに行って不在のようだ。
さらに脇道に入り、森の中を歩いて行くと「度会国見神社」(わたらいくにみ じんじゃ)がある。度会国見神社は外宮神主家であった度会氏の祖神をお祀りしているそうだ。
元来た道を引き返し、「神楽殿」・「四至神」まで戻る。そこから本来の参道を再び直進すると「正宮」(しょうぐう)がある。
式年遷宮で20年に1度建て替える時に使う空き地が隣に並んでいる。その用地は「古殿地」と呼ばれている。
空き地の中央にぽつんと建っている小さな建物は、「心御柱」を納めお守りするための覆屋だそうだ。
正面の板塀で囲まれているのが正宮、その右側の空き地が古殿地。
衣食住、広く産業の守護神である豊受大御神をお祀りしている正宮は、鳥居のところから内側は写真撮影禁止。
土宮(つちのみや)
地主の神である大土乃御祖神を祀っているそうだ。他の社が南方向を向いているのに対し、この社は外宮で唯一東向きという解説が公式Webページに書かれている。
論語の『子曰、無爲而治者、其舜也與。夫何爲哉。恭己正南面而已矣。』より、御所の清涼殿や神社の社殿が南向きに建てられるようになったので、東向きは珍しいといいたいのだろう。
風宮(かぜのみや)
風雨を司る級長津彦命と級長戸辺命を祀っているそうだ。
多賀宮(たかのみや)
外宮に所属する四別宮のうち第一位とされ、豊受大御神の荒御魂を祀っているそうだ。
小さな祠の中には井戸があるそうだ。
外宮から内宮へ
およそ1時間ほど外宮の神域を散策、いや参拝した後、表参道の正面入口(火除橋)に戻る。すぐ目の前にバス停があり、10分〜15分に1本のバスが外宮方面に向かっている。
程なくバスがやって来る。「伊勢二見鳥羽周遊バスCANばす」と名付けられたバスは、観光地だけに停車するバスのようだ。内宮まで430円と少し割高だが、5kmほどを歩くよりは楽だ。
近鉄宇治山田駅前のバス停から、大量の乗客が乗り込んでくる。そのうち半分は三重県高校総体に出場すると思われる高校生。
■ 三重交通外宮前 10:31発 → 内宮前 10:55 (運賃 430円)