連休の谷間、平日に貴船神社と鞍馬寺へ。
『(京都 その1) 貴船口 〜 貴船神社』 の続き
貴船神社を後にして、貴船川沿いにある鞍馬寺西門へ。門を入ると、チケット売り場らしき小屋があるが、人影は見当たらない。門は開いているので、入場券を買わずにそのまま入山。
西門を入ったところで、GPSログ開始。叡山電車の鞍馬駅までの記録をGoogleMapに落としこんでみた。
西門 | 10時25分 | 標高315m |
奥の院魔王殿 | 10時40分 | 標高425m |
僧正ガ谷不動堂・義経堂 | 10時50分 | 標高465m |
義経公背比べ石 | 11時00分 | 標高485m |
大杉権現社 | 11時05分 | 標高480m |
霊宝殿 | 11時20分 | 標高420m |
鞍馬寺 本殿金堂 | 11時45分 | 標高405m |
由岐神社 | 12時15分 | 標高318m |
仁王門 | 12時30分 | 標高280m |
鞍馬駅 | 12時35分 | 標高235m |
西門を入り、鞍馬山の斜面を一気に100mほど登っていく。土の斜面に丸太を埋め込んだだけの簡単な階段がずっと続いている。鞍馬山は、この鞍馬寺の寺有地を除いて「鞍馬山国有林」となっていて、北山杉が植えられた場所と、極相林と言われるミズナラやブナの原生林となっている場所がある。
西門から奥の院魔王殿あたりまでは杉林が続く
西門から登る客は全く見かけず、仁王門(鞍馬寺本殿)方向から降りてくる客と時折すれ違う。15分ほどで奥の院魔王殿に到着
650万年前に金星から地球に降り立ったという護法魔王尊(サナット・クマラ)が祀られているそうだ。
金星の神…。多神教だった古代ローマでも金星の神「ウェヌス(ヴィーナス)」を信仰の対象に加えていたので、人間の考えつくことは似ていると思う。
更に山を登って行くと、僧正ガ谷不動堂がある
「鞍馬天狗」では『鞍馬天狗が牛若丸と出会ったと言われる所』として描かれている場所で、神通力を持つ大天狗が牛若丸(源義経)に剣術を指南したと言われる逸話の舞台だ。
傍らの看板によれば、不動堂には『比叡山開祖の伝教大師(最澄)が刻んだ不動明王が収められている』という。
仁王門方向から来た寺の関係者と思われる男性二人が、お堂のロウソクや線香を設置して回っている。この人たちが西門に着いたら、入場券売り場が開始されるのだろう。それまでは、無料入場し放題…
不動堂の近くには、義経堂と呼ばれる源義経を祀る祠が有る
祠の柱に 『1189年4月、奥州衣川の合戦で自害と伝えられる源義経公の霊性は今も生きてこの山におわし、遮那王尊として魔王尊のおそばにお仕えしていると信じられている。この義経堂には遮那王尊をおまつりする』 とある
仁王門方向からやってくる客が増えてくる。まもなく、登山道(参詣道)の最高地点の義経公背比べ石のところに到着。標高は485m
『遮那王と名のって十年あまり鞍馬山で修行をしていた牛若丸が、山をあとに奥州平泉の藤原秀衡の許に下るとき、なごりを惜しんで背を比べた石と言われている』 と看板に書かれている。
鞍馬山を出て平泉に下るのは1174年(義経15歳)のときだ。学校保健統計調査の明治33年のデータでは平均身長が152cmなので、高さ1mほどしかないこの石では、あまりにも身長が小さすぎないか…
義経公背比べ石から、少し道をそれて杉林の中を歩くと、大杉権現社がある
護法魔王尊影向の杉(祠の裏に、枯れた杉のご神木が有る)を祀っている場所だ。ここに辿り着くまでの道は、杉の根がびっしりと這っていて歩きにくい…
「木の根道」というらしい
義経公背比べ石からは下り坂が続き
登山道(参詣道)の入り口の門を通りぬけ、やっと鞍馬寺の境内(?)に到着。目の前には霊宝殿
霊宝殿 (1階に岩石や昆虫標本、2階が義経関連の展示、3階に仏像展示)
平安時代後期に彫られた国宝の毘沙門天像や吉祥天像などを見ることができる。入場料は200円。霊宝殿の脇には杉並区にあった与謝野晶子の書斎「冬柏亭」が移築されている
杉並区から1976年に移築された
霊宝殿前からは本殿の屋根の向こうに、はるか比叡山が眺められる。ここから本殿へは、階段を下ってすぐだ
八重桜が綺麗だ
Wikipediaによれば、『毘沙門天王、千手観世音菩薩、護法魔王尊の三身一体の本尊』が祀られているそうだ。1971年に再建された新しく綺麗な建物だ。
本殿の左右には、狛犬ではなく虎が鎮座
金堂の前の金剛床の中心では『私たち人間をはじめ万物を生かし存在させてくださる宇宙生命・宇宙エネルギー』※を感じることができるという。
※ 鞍馬山 入場時にもらうパンフレットより
角にタグが取り付けてあり、『水を飲まないでください』ではなく、『お水さん ありがとう』と書かれている。
一気に階段を下り、『ケーブルは混雑していますので、なるべくお歩きください』の指示通り歩いて仁王門を目指す。
本殿金堂から九十九折の道を標高差90mほど下ると、由岐神社がある
もとは御所内にあったが、940年に朱雀天皇が北方鎮護のためにこの地に遷宮させたそうな。
写真で、階段の右側に有る「大杉」は樹齢800年、高さ53mだそうだ。
神社を出たところには、鬼一法眼社という祠があり、牛若丸に中国の兵法「六韜三略」を授けた鬼一法眼を祀っていると立て札に書かれている。
その傍らにあるのが、魔王乃滝と魔王之碑。
更に下ると、鞍馬寺の正面入口である仁王門がある。
1911年に再建された仁王門には、湛慶作と言われる仁王像が安置されている。
入場券売り場で100円払いパンフレットをもらう。京阪電車の1日券を持っているので、半額に割り引かれている。
仁王門を出て、土産物屋などが数軒並んでいるところを道なりに下ってゆくと、叡山電車の駅。来た時と同じパノラマ電車だが、別の編成なので塗装色が赤だ。
『(京都 その3) 一乗寺下り松、詩仙堂』に続く