連休の谷間、平日に貴船神社と鞍馬寺へ
鞍馬駅から、ほぼ座席が埋まった状態で出発した2両編成のパノラマ電車「きらら」号。
京都一周トレイルコースを歩くと思われるお年寄りの団体が二ノ瀬駅で降り、ガラガラ状態だった電車も、私が下車した貴船口駅から沢山の人が乗り込んで再び満員に。終点までの1駅だけ、人気区間なのだろうか…。
今回は京阪電鉄の「鞍馬・貴船1dayチケット」という1日乗車券を使ってここまで来た。単純往復で1920円のところが1600円になるから、かなりお得だ。
9時06分、電車から貴船口駅に降り立ったのは数名の乗客。観光客らしき女性は、駅を出るとまっすぐ貴船神社方面に歩いて行った。私は、京都市内方面に少し戻り、貴船神社の一の鳥居を見に行く。
駅のすぐ横の梶取橋を渡ったところに巨大な鳥居が建っている。1939年に建てられたものらしい。ここから貴船川に沿った2.1kmの府道が、参道ということだろうか。
300mほど歩いたところに、「蛍岩」がある。
傍らに立てられている看板によれば 『6月中ごろからこの付近一帯で、蛍の乱舞が見られます』 とのことだ。また、『平安時代の女流歌人、和泉式部が貴船神社に参詣し、蛍の歌を詠みました』 とあり、 そのことから恋の道という立て札が立てられているようだ。
さらに15分ほど渓谷の道を歩くと、貴船神社周囲にある川床料理屋が並んでいるところに差し掛かる。
Wikipediaの記事によれば、市内中心部を流れる鴨川では「川床」と書いて「ゆか」と読ませるが、貴船では「かわどこ」と読ませるらしい。
この鳥居をくぐると、貴船神社 本宮に続く南参道の石段がある。1989年に建てられた新しい鳥居だが、その左右にある巨木は、樹齢700年の杉と樹齢600年の欅(ケヤキ)だ。
石段の修復工事が行われていた。たいていの観光ガイドブックなどには、ここの写真が使われている。
石段を登り切ったところに南門がある。灯籠のある崖面にはシャガやヤマブキが、手前側の斜面にはヤマブキが咲き乱れている。
本殿の下には馬の像があり、傍らに立つ看板には『歴代天皇様より旱天には黒馬・霖雨には白馬又は赤馬をその都度献げて御祈願される例になっていました』と書かれており、その時の黒馬・白馬を模した像のようだ。さらに『時には生馬に換えて「板立馬」を奉納したと文献は伝えていますが、この「板立馬」こそが今日の絵馬の原形と言われています』とあり、この地が絵馬発祥の杜と呼ばれる所以らしい。
貴船神社は祈雨の神である「高龗神」を祀っているが、縁結びの神としても信仰を集めているらしい。
それ故か、始発のバスに乗ってきたと思われる若い女性のグループを何人かみかけた。(貴船口駅発のバスは9時30分が始発)
本宮北門を出て、貴船川に沿った府道を更に山奥の方へ向かうと、中宮 結社(ゆいやしろ)がある。こちらは縁結びの神「磐長姫命」を祀っているそうだ。
境内には和泉式部の歌碑があり
もの思へば
澤のほたるもわが身より
あくかれいつる魂かとそ見る
(あれこれと思い悩んでここまで来ますと、蛍が貴船川一面に飛んでいます、そのはかない光は、まるで自分の魂が体から抜け出て飛んでいるようでございます) ※歌碑横の看板から引用
平日のため、ほとんど観光客を見かけることもない貴船の景色でした。引き続いて、鞍馬山へ
『(京都 その2) 貴船 〜 鞍馬寺』に続く