07 July 2025

超長期国債の売買スプレッド

証券会社で国債(既発債)を売買するとき、理論的に計算した価格から乖離がある。これを、証券会社スプレッドというらしい。

20年と30年の超長期債で調べてみると、2円/額面100円を超える金額が徴収されている。売買の往復なら4円以上...

30年くらい前にアメリカ旅行したときに感じた、ドル紙幣両替の手数料の理不尽さを思い出した。

20年国債

前日の終値(利回り) 2.38%

2025年4月発行 第192回20年国債について
表面利率 2.4%
計算で求めた理論価格 100.3円(額面100円あたり。LibreOfficeワークシート

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20年債のチャートと計算で求めた理論価格

実際に保有している20年債を例に、取引画面を操作して時価評価額、買い価格、売り価格を表示してスプレッドを求めてみた。

買い価格 102.88円
時価評価額 100.53円
売り価格 98.39円

買いのスプレッド 2.35円
売りのスプレッド 2.14円

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20年債のスプレッドを説明する評価額と売買額

30年国債

前日の終値(利回り) 2.883%

2025年4月発行 第86回30年国債について
表面利率 2.4%
計算で求めた理論価格 90.5円(額面100円あたり)

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30年債のチャートと計算で求めた理論価格

買い価格 93.28円
時価評価額 91.00円
売り価格 88.94円

買いのスプレッド 2.28円
売りのスプレッド 2.06円

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30年債のスプレッドを説明する評価額と売買額

証券会社スプレッドとは何なのか

Google Gemini AI に質問したところ、次のような回答を得られた

国債の証券会社スプレッドとは、証券会社が国債を売買する際の価格差(買値と売値の差)のことです。このスプレッドは、証券会社の利益の一部となり、国債の取引コストを構成します。

スプレッドは、市場の状況や国債の種類、証券会社の戦略などによって変動します。例えば、市場の流動性が低い場合や、国債の信用リスクが高い場合には、スプレッドが大きくなる傾向があります。

スプレッドは毎日変化していて、機関投資家の間の売り・買いの間のスプレッドは次のような推移を示している。(日本銀行 国債市場の流動性指標

私が取引しているSBI証券の個人向けスプレッドは売り・買いの間で4.3円前後なので、機関投資家の間の約2.0円程度とは大きな違いがある。一般の株式取引のように、スプレッド無しにならないかな...

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20年債 ディーラー間取引 ビッド・アスク・スプレッド