先週、花博記念公園鶴見緑地を見に行ったときに訪れなかった各国庭園跡を見に行ってきた。
8時、福島区の堂島大橋 右岸側を出発。10分弱で中之島公園を通過する。
中之島公園
朝の早い時間で観光客の群れが居ないため、スッキリしているバラ園をしばらく見学。
鶴見緑地
中之島公園を出て、京阪本線に沿って京橋駅へ、旧奈良街道・旧鯰江川(なまずえがわ)運河跡の道を、ほぼ一直線で大阪市内を横断。
今福鶴見駅のところから国道479号を北上して、鶴見緑地の西口に到着。ここまでおよそ20分。
1873年(明治6年)に架けられた心斎橋が、新しい橋に架け替えられた後、各所に移築されながら、1989年にこの地に保存されることとなったもの。
現在は、鶴見緑地が市道を横切る場所で、歩道を立体交差させるために使われている。
山のエリア 国際庭園
「山のエリア」の西ゲート前に8時45分に到着。この区域は9時開場となっているが、時間管理がそれほど厳密なわけではなさそうで、散歩している人たちがポツポツ出入りしている。
国際庭園のマップを見て、前回通っていない地区を見て回ろうと思う。
まずは、オーストラリアやアメリカ、太平洋職の庭園がある西ゲートから見て左側の地区だ。
しかし、目の前はバリケードで閉鎖されまくっている。通れるのは園路部分のみのようだ。
国際庭園の大部分は工事中(鶴見緑地国際庭園改修その他工事-2)
大阪市役所の電子調達システムで検索してみると、同時並行で2件の改修工事が行われている。
令和6年度 鶴見緑地国際庭園改修その他工事-1
制限付一般競争入札
予定価格(円)税抜 216,870,000円
落札金額(円)税抜 198,925,000円(税込 218,817,500円)
開札日 令和6年10月11日/契約日 令和6年10月29日
落札者 (有) イクノ緑地
令和6年度 鶴見緑地国際庭園改修その他工事-2
制限付一般競争入札
予定価格(円)税抜 174,250,000円
落札金額(円)税抜 158,673,000円(税込 174,540,300円)
開札日 令和6年11月28日/契約日 令和6年12月17日
落札者 グリーンエコ建設(株)
それぞれ2.2億円と1.7億円で、発注時期もほぼ同じ。本来1件で発注すべきところを、半分くらいの量で2件として、落札できる工事業者数を増やす「意図的な操作」をしていることが分かる。
ちなみに、工事金額に比例して経費率が小さくなるため、分割するほど発注金額が増える。こういうところでも、市民税が無駄に使われているわけだ。
工事費は、資材や職人の工賃の合計である「直接工事費」と、直接工事費に経費率を乗じて算出される「共通仮設費・現場管理費・一般管理費」と言われる諸経費の合計である。工事費のだいたい半分くらいが諸経費なのだが、ここでは一般管理費が工事を半分に分割することでどれくらい違うのか(グラフで示した河川工事の例で)試算してみる。
単体の直接工事費 | 合計の直接工事費 | 一般管理費率 | 一般管理費 | ||
---|---|---|---|---|---|
2件分割で発注 | 1.0 億円 | ×2件 | 2.0 億円 | 15.6 % | 3116 万円 |
1件で発注 | 2.0 億円 | ×1件 | 2.0 億円 | 13.9 % | 2785 万円 |
一般管理費の差額 | 331 万円 |
この差額は、共通仮設費や現場経費でも同様にあるはずなので、それぞれ似たような金額と仮定すれば、この2件の工事を分割したことで1千万円くらい市民税が無駄に浪費されたことになる。
日本経済は、このようにして合法的に少しずつマージンをぼったくる中間搾取が横行して、全体として非常に低い生産性になっているのだ。
ちなみに、工事現場の看板には令和6年度の工事なのに竣工日が令和7年5月30日となっている。「令和6年度〜7年度」ではなく「令和6年度」の案件をどれだけ工期延期を繰り返しても、会計上の決算締切日(役所では出納閉鎖日と呼ばれる)の5月30日までに竣工して金額を振り出さなければならない。
(そもそも発注時期がおそすぎるのだ。12月頃に契約して3ヶ月で完遂できる工事かどうかの詰めが甘すぎるのだ。それとも、3月90日を当初から想定した確信犯か、だ。)
年度末に業務を終えても、もろもろの会計処理が2ヶ月掛かることから決算締切日送らせているのであって、「堂々と工事をしまくる」ための猶予期間ではないはずだが...。
こういう看板一つでも、ツッコミどころ満載なのが脇が甘い維新の会らしいユルさだと思う。
国際庭園 イラン (1990年の花博当時の様子)
庭園の一番高い所には、イスラムの寺院建築を模した八角形の休憩所が建てられ、カナールを軸として左右対称形に諸施設が設置された。
最も重要視された構成要素は「水」で、段差のあるカナールを流れる水がイスラム庭園のイメージを表現した。
この建物がモスクをイメージしたものですか。どこをどう見たらモスクなのかよくわからないですね。半球型の丸屋根の東屋に、円錐のとんがり屋根のミナレットという組み合わせにしないと、モスクには見えんのです...
国際庭園 スペイン (1990年の花博当時の様子)
スペインの住宅庭園をモデルにしたテラス式の庭園を出展した。スペイン瓦で葺かれたあずま屋から、テラス式庭園が一望できるよう設計された。
国際庭園 ブラジル (1990年の花博当時の様子)
上段の庭園の中程には噴水が設置され、庭園を左右分割するように水路が設けられた。
巨大なコンクリート構造物は、滝が流れ落ちていた場所だったようです。かなり巨大な展示物ですね。
国際庭園 サンフランシスコ (1990年の花博当時の様子)
庭園内に座っていると、まるでアメリカ西海岸の住宅の庭にいるような感じを演出した。
庭園は上下2段のテラスで構成され、金属的かつシャープなイメージのパーゴラ、斬新なウオール、流れ、石組、ベンチなどで構成されていた。
国際庭園 イスラエル (1990年の花博当時の様子)
「聖書の庭」をテーマに、庭園全体を3段に分け、傾斜を利用した構成で出展された。
国際庭園 ネパール (1990年の花博当時の様子)
下段部分の「ルンビニ・ピース・ガーデン(ルンビニの平和の庭)」と呼ばれる仏陀誕生の地、ルンビニにある2500年以上の歴史を持つ「聖なる庭園」を模した庭園と「パゴダ」と呼ばれる仏教の寺院様式の建物がある上段部分から構成された。
国際庭園 国際造園家会議 (1990年の花博当時の様子)
モニュメントは園路から眺めると、スイレンの花のつぼみのようにも、また大輪の花が今まさに開花しようとしているさまにも見ることができ、生命の躍動感が表現された。
国際庭園 韓国 (1990年の花博当時の様子)
ソウルにある昌徳宮、景福宮などの李王朝時代の庭園様式をモデルにした庭園を出展した。庭園は渓流、方池、韓国亭と清渓亭の2棟のあずま屋、韓国様式の塀、煙突、花階、怪石などで構成され、庭園の構成要素をできるだけあるがままの自然の姿で用い、自然と調和するよう作られた。
日本庭園の茶室「むらさき亭」
国際庭園 アイルランド (1990年の花博当時の様子)
5,000年前の古墳・ニューグランジュを模した築山と池のある石造りの庭園。ケルト族の超自然的世界の不老郷のシンボルである、池と石造りの庭園が広がり、池のほとりではアイルランドのハープ奏者によるハープ演奏が行われた。
国際庭園 ソビエト連邦 (1990年の花博当時の様子)
パビリオンの建物の周りにバルコニーがあり、設置に際して高い位置から庭全体が眺められるように配慮された。パビリオンの両側には、池があり、その池を取り囲むようにツルバラをはわせた、高さ約3メートルのトレリスが設置され、また池の真ん中にはソ連から運ばれた彫刻が置かれて、芸術的な雰囲気をかもしだした。
無機質な東屋のデザインは、伝統より科学技術を優先したソ連らしいもので、この公園で座ったベンチの中でいちばん座り心地が良かった。
大阪市の花博Webページ資料には
" 【当時の構成国】 アゼルバイジャン共和国、アルメニア共和国、ウクライナ、ウズベキスタン共和国、エストニア共和国、カザフスタン共和国、キルギス共和国、ジョージア、タジキスタン共和国、トルクメニスタン、ベラルーシ共和国、モルドバ共和国、ラトビア共和国、リトアニア共和国、ロシア連邦 "
と書かれていて、赤で着色したのは今現在ロシアに歯向かっている国々。ウクライナはソ連から(ロシアから)独立したが、何十万人も戦死者を出す戦争が発生するのなら、本当に独立してよかったのか判断が難しいところですよね。
国際庭園 カナダ (1990年の花博当時の様子)
ナイアガラの滝を模した滝と池、カナダ産の材木で作られたログハウスで構成された庭園を出展した。
国際庭園 国連 (1990年の花博当時の様子)
第1区画は、ニューヨークにある国連本部総会議場をモデルにしたパビリオンが設けられ、国連の活動の紹介が行われた。
第5区画では地球儀のモニュメントを中心に、地球儀広場が設けられた。