久々に、京都の市街地を歩いて紅葉の様子を見てきた。
前回、東山山麓の「著名な観光寺院」を歩いたのは2020年6月(清水山・将軍塚)、2018年11月(大文字山)で、インバウンド公害が激しくなかった頃。
今はどれくらいインバウンド汚染されているのかの観察もしてきた。 結論とすれば、8時台までは人の数が圧倒的に少なく快適に歩くことが出来た。
■ 京阪本線 中之島駅 07:24発 → 天満橋駅 → 祇園四条駅 08:23着 (運賃 490円 → 株主乗車券 390円)
四条大橋 〜 祇園花街 〜 八坂神社
駅を出て、四条大橋の東詰から四条通りを東に向かって歩く。
8時半なので通勤時間帯のはずだが、メインストリートの四条通りに車はあまり走っていない。インバウンド公害たちが出歩かない早い時間帯は、市街地中心でもこんなものなのである。
四条通りと直角に交差する花見小路通は、祇園花街の中心の通りでインバウンド公害が激しいので有名だが、この時間帯はほぼ無人状態だ。
四条通りの東端にある八坂神社に到着。
八坂神社
八坂神社 舞殿と本殿
本殿は17世紀に徳川家綱により建てられたものだ。
この南楼門が八坂神社の「正面」で、楼門・舞殿・本殿(拝殿)が一直線に並ぶ配置になっている。それに対して、四条通りの東西端に都を守護する八坂神社・松尾大社を創建したことから、その四条通りに向かって造ったのが西楼門。
ちなみに、西楼門は15世紀末に造られた重要文化財で、南楼門は明治時代に再建された新しいものだそうだ。
八坂神社を横切り、東側の出口より円山公園へ。
円山公園
ラジオ放送が開始された当時、ラジオ普及のために作られたラジオ塔がある。1932年に作られたもので、現存する中では最古級のものだ。(大阪城公園のものより、2年古い)
円山公園の北側に隣接する知恩院へ。こちらも、早朝のため参拝客は居らず、インバウンド公害も襲来していない。
知恩院
知恩院 三門
17世紀に、徳川秀忠により建てられたもので、知恩院では「山門」ではなく「三門」と呼んでいる。
知恩院 御影堂
御影堂は17世紀に徳川家光により建てられたもので、2012年から2020年まで大規模修復でシートで覆われていた。この建物を前回見たのは修復前なので、10年以上経っている。
この多宝塔は1950年に作られた鉄筋コンクリート造。
知恩院 阿弥陀堂
北門・黒門を通りぬけて外へ。神宮通を更に北に向かって歩く。
知恩院 〜 平安神宮
知恩院の北隣にある青蓮院門跡は、通りから見ても分かるほど大きな工事用シートで覆われた建物が見えている。公式Webによれば『寝殿、車寄せ、長屋門と青蓮院の主要建物の大屋根葺き替えと大修理』を2022年から3年間かけて行っているそうだ。
平安神宮 大鳥居
1928年に昭和天皇大礼を記念して建てられたもので、鉄筋コンクリート製。大鳥居から應天門まで、市バスも走る広い通りとなった神宮通を歩く。
平安神宮
修復工事中の平安神宮だが、チラホラと中華系のインバウンド外人を見かける。明治時代に平安遷都1100年記念祭のパビリオンとして建てられた「展示物」なのだが、外人にとっては歴史的建造物に見えるのだろうか。
平安神宮 應天門
平安神宮 白虎楼と(修復工事中の)大極殿
2024年から2030年まで、重文の建物が順次修復工事に入るそうだ。
南禅寺
東山山麓の名所巡り、最後は南禅寺へ。
三門は、17世紀に藤堂高虎が建てたとされる。ここでは山門楼上に登ることが出来(拝観料600円)、内部に祀られた本尊の釈迦坐像や、徳川家康、藤堂高虎の像・位牌を見ることができるらしい。
9時を過ぎているので、たくさんの拝観者がいる。半分以上がインバウンド公害たち。もう、中華寺院状態です。
大玄関の手前、方丈庭園の塀に沿ったところのカエデがきれいに紅葉している。
水路閣には沢山の観光客が写真撮影しているため、この写真は、時間差で撮影した数枚の写真を合成して不要な人間を消去している。
南禅寺 〜 蹴上
南禅寺を出て、地下鉄蹴上駅へ。
地下鉄蹴上駅の出口階段から、団体観光客が続々と吐き出されてくるのが見える。南禅寺や哲学の道などへ行くのだろう。
■ 地下鉄 東西線・烏丸線 蹴上駅 9:54発 → 烏丸御池駅 → 北山駅 10:13着 (運賃 290円)
六地蔵・山科よりやってきた列車も、かなり混雑していた。観光客が乗る方向ではないし、通勤時間帯も終わっているが、市内中心部へ向かう人の多さに驚く。
報道では、インバウンド外人はバスを好むそうなので、地下鉄の外人比率は高くないように感じる。
烏丸御池で乗り換えた烏丸線も、通路に立つ乗客がたくさん居るほどの混雑度合い。多くは同志社大学のある今出川や、イオンモールのある北大路で下車し、私が下車した北山駅に着く頃には列車内の乗客はだいぶ少なくなっていた。
京都府立植物園
駅の西側出口を出たすぐ前が、植物園の入場口。入場料は200円で、今月からPayPayが使えるようになったという。
どのあたりに紅葉している樹木があるのかは、入場口でもらえる植物園パンフレット 紅葉散策MAP を見れば知ることができる。通年用のマップはWebに掲載されているが、紅葉版が公開されていないのが不思議だ。
北山門から、いったん南へアジサイ園の前まで行き、そこからせせらぎに沿ってハス池方向へ。
せせらぎ沿いに、紅葉するカエデ類がたくさん植えられている。
サトウカエデは、カナダの国旗のあの葉っぱ。樹液はメープルシロップ。
京都府立植物園 イロハカエデとラクウショウ(or メタセコイア)
なからぎの森にある4つの池までやってきました。
真っ赤なものもきれいだが、黄色や赤が混じった紅葉しつつあるものもきれいだ。
湖畔の曲がりくねった道を通り抜け、植物園の西北端にある「四季 彩の丘(しき いろのおか)」までやってきました。
花壇にいろいろな花が少しずつ植えられています。
四季 彩の丘から真南へ、観覧温室の横にベンチやテーブルが置かれているので、そこで昼食。
植物園の南西端にある正門前を通り過ぎ、バラ園へ。植物園会館前にブロンズ像がいくつかある。
遥か向こうに、広葉樹が茶色に色付いて緑と茶色の斑になった比叡山の山頂付近が見えている。
京都府立植物園 バラ園(スヴニール・ドゥ・アンネ・フランク)
レンズを数センチまで近づけても、この蝶は動じることなく蜜を吸い続けていた。
1時間20分ほど植物園で滞在した後、外へ。鴨川沿いに出町柳駅を目指す。
20分ほど歩いて出町柳駅に到着。ちょうど特急が出発したばかりで、15分ほど待つことになる。
■ 京阪本線 出町柳駅 12:14発 → 京橋駅 → 中之島駅 13:15着 (運賃 560円 → 株主乗車券 390円)