ヤマレコの記事 『金剛バスに乗り金剛山へ(水越峠・ロープウエイ前)』
水越峠に向かうバスの廃止
2023年12月末で会社解散により全路線が消滅する金剛バス。一部はコミュニティバス方式で運行継続される予定となっている。
金剛バス廃止で空白地帯どうなる? 一部は自治体が運行へ 運賃や便数にも言及
大阪府南部で路線バスを運行している金剛自動車が、2023年12月20日(水)をもってバス事業を廃止することを受け、沿線自治体および近鉄バス、南海バス、有識者らは2023年10月、地域公共交通活性化協議会を開催。優先確保路線として5本を設定しましたが、その沿線外のエリアで、公共交通機関の空白地帯が生じることから、代替交通についても検討が進められました。
https://news.yahoo.co.jp/articles/d5517e0726176285dd2f224b6ded034c359633cb
地元自治体が開催した広域協議会「令和5年度 第2回 金剛自動車株式会社のバス事業の廃止に伴う新たな公共交通の素案とそれに必要な協議事項の検討について」の資料によれば、水越峠へのバス路線は廃止されるようだ。
このうち、水越峠へ向かう路線は次のように途中で打ち切られる。
この年末を逃せば、(マイカーを持たない交通弱者にとって)二度と水越峠からの登山道を歩くことはできないだろう。
GPSログ
区間 | 時刻 | 所要時間 |
---|---|---|
水越峠バス停 〜 カヤンボ(林道終点) | 08:56 〜 09:28 | 32分 |
カヤンボ(林道終点)〜 一ノ鳥居 | 09:28 〜 10:18 | 50分 |
一ノ鳥居 〜 山頂広場・国見城跡 | 10:18 〜 10:31 | 13分 |
山頂広場・国見城跡 〜 伏見峠 | 10:31 〜 11:02 | 32分 |
伏見峠 〜 ロープウエイ前バス停 | 11:02 〜 11:26 | 24分 |
登山口の水越峠へ
■ JR 大阪環状線 福島 06:48発 → 天王寺 07:06着 (運賃 190円)
環状線は早朝にも関わらず、USJに行く客で(西九条駅まで)混雑していた。テーマパークって一体何が良いのだろうか... 私には理解できない世界だ。
■ 近鉄 南大阪線 阿倍野橋 07:14発 → 富田林 07:44着 (運賃 530円)
富田林駅前を8時20分に出発するバスに乗るためなら、今日乗った列車の2本あとでも間に合う。しかし、廃止前の「駆け込み乗車」で激混みするだろうから、余裕を持った乗り継ぎの列車を選んだ。
富田林駅前のバスのりばに停車している金剛バス(千早ロープウエイ行き)
■ 金剛バス 富田林駅前 08:20発 → 水越峠 08:55着 (運賃 現金のみ 520円)
案の定、バスは「ギュウギュウ詰め」の激混み状態。乗客は高年齢齢者のハイカーばかり。バスマニアと思われる客は居なかった。
8割以上の客が葛木登山口で下車し、10人ほどが終点の水越峠まで乗車していた。
前回ここに来たのは2020年5月で、葛木登山口から先の道は違法駐車でカオス状態だったため、バスは葛木登山口バス停で運転打ち切りだった。なんであのときは県境を越える道が違法駐車で溢れかえっていたのだろうか...
水越峠バス停 〜 カヤンボ(林道終点)
バス停から水越峠(県境)を目指して350mほど舗装道路を進む
峠に近づくと、延々と路上駐車の車が連なっている。
峠のピークの数十メートル手前に、吐田郷生産森林組合のゲートがあり、「工事関係者以外 立入禁止」の看板がある。
「立入禁止」のはずだが、ここが正式な金剛山登山口で、本日開催の「第12回ダイヤモンドトレイルラン チャンピオンシップ」の赤矢印の誘導標識もしっかりと取り付けられている。
林道は水越川に沿って高度を上げていき、そのうち舗装も途切れます。
林道は細くなった水越川の谷底に沿って登っていく (標高650m付近)
湧き水「金剛の水」と休憩ベンチの前を通り過ぎて、林道が大きくカーブした右手に治山工事の痕跡がある。
崩落した谷の最上流部に法面保護工、その下流には谷止工と護岸工、そして手前に流路工と、渓間工のショールーム状態だ。
この治山工事現場のすぐ先に、カヤンボの分岐点。林道はここで終わり、登山道「ダイヤモンドトレール」は小さなコンクリート橋を渡って左手の尾根を登っていく。
カヤンボ。ガンドガコバ林道の終点。ダイヤモンドトレールは橋を渡り左へ。紅葉谷は直進 (標高700m付近)
カヤンボ(林道終点)〜 葛城神社 一ノ鳥居
カヤンボの分岐点直後。右手に水越川が見えているが、登山道はこの後すぐに左手の斜面の直登に変わる
休憩所の東屋があり、そこを過ぎると尾根の稜線目指して丸太階段で一気に標高を上げていく。
カヤンボから旧パノラマ台まで、標高差100mを丸太階段で一気に登っていく
この区間で、下山していく数人とすれ違う。
旧パノラマ台からの景色。中央に大和三山の畝傍山と耳成山が見えている
旧パノラマ台から先(一ノ鳥居まで)は、尾根道のため、なだらかな道が多くなる
登山道の分岐ごとに、「第12回ダイヤモンドトレイルラン チャンピオンシップ」の赤矢印の誘導標識があるため、迷いなく歩くことが出来る。
御所市 高天(たかま)からの郵便道が合流したすぐ先、標高950mほどの場所で少しだけ視界が開けたところがあり、大和葛城山の山頂が見える。大和葛城山との間の深い谷間が、水越峠で標高差が500mほどある。ほんの1時間でこれだけ登ってきたのだ。
金剛山の山頂が近づいてくると、杉の間に色づいた広葉樹が目立つようになる (標高1050m付近)
このあたりから金剛山の山頂付近を取り囲む国有林に入ります。
カヤンボから50分で、葛城神社 一ノ鳥居に到着 (標高約1080m)
葛城神社 一ノ鳥居 〜 山頂広場・国見城跡
登山道に面した石段を登ると、葛城神社の本殿がある。ここが、金剛山の山頂で標高1125mだそうだ。
登山道に戻り少し進むと、樹齢200年と言われる夫婦杉がある。神社の境内は伐採されず保護されているので、ここまで成長できるのだろう。
登山道は国見城跡の展望台に向けて下り坂となり、途中、転法輪寺がある。江戸時代までは葛城神社と一体の宗教施設だったが、神仏分離令によって分離され別々の施設になっている。
社務所の横には売店もあり、毎日登山して記録達成を狙う人向けにスタンプカード(600円)なども売られている。
記録達成者を掲示したボードも広場の一角にあり、1万回とか驚きの記録もある。
山頂広場と標識の間は、崩落防止の工事でブルーシートが掛けられている。
山頂広場・国見城跡 〜 伏見峠
山頂広場周辺は、まるで観光地のような賑わいようで、ここで休憩するのは取りやめ。下山することにする。
水越峠から金剛山の山頂広場まで、標高差650m・距離5.5kmを1時間35分で歩いてきた。そして、山頂広場からロープウエイ前バス停までの下山は標高差500m・距離4.1kmある。
山頂を出発するのが10時35分なので、ロープウエイ前バス停まで1時間で下れば、11時45分のバスに間に合う。このまま休憩無しで歩くしかない。
一ノ鳥居まで往路の道を逆にたどり、さらにそこから伏見峠を目指す。
一ノ鳥居から伏見峠へ、紅葉した広葉樹に囲まれたなだらかな下り坂 (湧出岳の南側付近)
「第12回ダイヤモンドトレイルラン チャンピオンシップ」のランナーが、もうスピードで横を通過していった。水越峠からここまで一気に登ってきて、スピードを維持しているというのは、すごいことだ。
展望台から見た湧出岳(標高1119m)の山頂。通信鉄塔が3基見える
長期運休中の金剛山ロープウエイの駅に続く分岐点を通過すると、ちはや園地の芝生広場に差し掛かる。
芝生広場には「第12回ダイヤモンドトレイルラン チャンピオンシップ」の補給ポイント「第3エイド」のテントが張ってある。
登山道を監視している人が、「2位の選手が来る」と声を上げた。ということは、数分前に私の横を風のごとく駆け抜けていったトレランナーは、トップ選手だったのだろう。
エイドにスタンバイしているサポーターに聞いてみると、今日のレースは二上山から紀見峠まで33kmのコースだそうだ。自宅に戻ったあと、Webを検索してみると公式ページにコースのGPXファイルが置かれていたので、地理院地図にプロットしてみた。
8時30分にスタートし、制限時間が8時間以内。ヤマレコの登山計画でコースタイムを算出すると17時間となる。コースタイムの50%弱で歩ききれば、制限時間内...。今回の登山のペースがコースタイムの40%〜50%だとヤマレコでは出ているが、このペースを維持して33kmも歩ける自信は、全く無い。
給水のペットボトル1本、超軽量のポールだけを持って行くというのなら、制限時間内でやれないことはない、かな...。ただし、この日のように「異例の夏日」であれば体力消耗が激しすぎて、私には無理そうだ。
2位選手(ゼッケン28番の人)が、ちはや園地芝生広場に差し掛かる
ちはや園地に2時間30分で到着するには、標準コースタイムの20%ほどで「走らないと」いけない。さすが、である。
ちなみに、結果はFacebookに掲載されていて、1位の選手が3時間33分、2位の選手が3時間42分だったそうだ。標準コースタイム20%ちょっとで紀見峠駅前にゴールしている。
きょうの昼食(山崎 ミニ スナック ゴールド、タイヨーフーズ ミニバウムクーヘン、サン・アローズ 豆乳入りどら焼き。合計1200kcalの重量級)
写真の右奥に見えるテントが、ダイヤモンドトレイルラン チャンピオンシップの第3エイド。選手がカロリー補給するためのチョコレート菓子などが置かれていた。
伏見峠 〜 ロープウエイ前バス停
伏見峠で、ダイヤモンドトレールから外れて下山路となる林道伏見幹線(念仏坂)を下る。
全線でコンクリート舗装されているので、駆け下りてくれと言わんばかりのコースだ。
(舗装路だから転倒の心配がないので)昼食のパンを食べながら、20分でバス停の前まで降りる。
バス到着の20分前に、ロープウエイ前バス停に到着。下山目標の1時間を5分だけ下回るタイムでゴールできた。
■ 南海バス ロープウエイ前 11:45発 → 河内長野駅前 12:20着 (運賃 530円)
■ 南海高野線 河内長野駅 12:30発 → 新今宮駅 12:53着 (運賃 540円)
■ JR 環状線 新今宮駅 13:00発 → 野田駅 13:12着 (運賃 190円)