28 April 2022

太陽光発電所が採算ベースに乗るか資源エネルギー庁の係数を使い試算してみる

エネルギー源の転換のため、太陽光発電所をさらに増やしていくというような報道がたびたびなされているが、今の売電価格で本当に採算がとれるか、試算してみた。

発電所の建設コスト、維持コスト、売電価格などは、資源エネルギー庁の「太陽光発電について」(2021年12月版)を用いた。Googleで「資源エネルギー庁 太陽光発電について」を検索すると、その時点での最新版がヒットするはず。

まず最初に、現在のFIT価格で、1.0ヘクタールの土地で発電した場合を計算する

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売電基準価格を 12円/kWh で計算した場合、減価償却は14.3年掛かる

通常の電気設備なら、15年くらいが機器寿命。減価償却に14年掛かるということは、機器寿命を迎えるまで「1年しか収益を得られない」ということになる。

あくまでも、聞き寿命で設備が故障し修復不能で撤去という計算なのだが...

FIT制度の開始直後、2012年に認定をとって発電開始した場合を計算してみると

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売電基準価格を 40円/kWh。システム導入費用30万円/kW で計算した場合、減価償却は5.7年掛かる

減価償却が5.7年と格段に短くなり、機器故障や台風や地震での全損事故を見込んでもギャンブル性が低い確実な投資案件だったと考えられる。

いろいろな値を入れて計算するために、Excelの計算表は「ここ」に格納した。