暖かな秋晴れの京都 愛宕山に登ってきた。今回は、初めて通る梨の木谷を首なし地蔵(峠)まで登り詰めるルートで登った。
ヤマレコの記事 『愛宕山(清滝〜梨の木谷〜首無し地蔵〜愛宕神社〜表参道)』
主要ポイント間の所要時間
区間 | 通過時刻 | 所要時間 | 標準コースタイム |
---|---|---|---|
清滝バス停 〜 清滝 金鈴橋 | 08:08 〜 08:12 | 4分 | |
清滝 金鈴橋(標高80m) 〜 月輪寺登山道 分岐 | 08:12 〜 08:36 | 24分 | 30分|
月輪寺登山道 分岐(標高190m) 〜 梨木大神 | 08:36 〜 09:05 | 29分 | ↓ |
梨木大神(標高370m) 〜 首なし地蔵 | 09:05 〜 09:45 | 40分 | 1時間30分 |
首なし地蔵(標高700m) 〜 愛宕神社 石段前 | 09:45 〜 10:21 | 36分 | 50分 |
愛宕神社 石段前(標高880m) 〜 愛宕神社 | 10:21 〜 10:30 | 9分 | |
愛宕神社(標高920m) 〜 愛宕神社 石段前 | 10:30 〜 10:35 | 5分 | |
愛宕神社 石段前 〜 水尾分れ | 10:35 〜 10:56 | 21分 | 30分 |
水尾分れ(標高700m) 〜 清滝 金鈴橋 | 10:56 〜 11:37 | 41分 | 1時間30分 |
清滝 金鈴橋(標高80m) 〜 清滝バス停 | 11:37 〜 11:42 | 5分 | |
(合計) | 3時間34分 |
登山口の清滝バス停へ
■ 阪急京都線 大阪梅田駅 06:43発 → 07:19着 桂駅 07:22発 → 嵐山駅 07:29着 (運賃 400円)
早朝の快速急行に梅田から乗車。梅田から乗った客はほんの僅かだったが、十三、淡路、茨木市で、どんどん客が乗車してきて満員。こんな早朝に通勤・通学?
桂で乗り換えた嵐山線は、ほぼ観光客ゼロ、通勤客もゼロ、私の乗った最後尾の車両は乗客2名だった。
嵐山駅を降りると、修学旅行の学生が団体記念写真を撮影していた。この時間帯に修学旅行生を見かけたのは、ここだけ。よほど早起きの学生なのだろうか。
清滝行のバスは7時54分に駅前を出発するのだが、まだ時間があるので渡月橋を見に行く。
バスに乗るまでの短い時間、渡月橋・天龍寺を見た記事は『 少しだけ紅葉が始まった天龍寺と松尾大社 』に書いています。
■ 京都バス 天龍寺前 07:58発 → 清滝 08:08着 (運賃 230円)
バスには6人程度のハイキング客が乗っていて、この人達はすべて終点の清滝で下車していた。
清滝バス停(標高 110m) 〜 月輪寺登山道分岐(190m):所要28分
バス停から一旦 道は下り、清滝川に架かる金鈴橋に向かう。ここにはきれいな公衆トイレがあり、次は愛宕神社のトイレしかない。
金鈴橋の標高は80mで、今日の登山ルートでは最低標高ポイントだ。
バスを降りて愛宕山に向うと見られる数人のハイキング客は、表参道の山道の方へ向かっている。私は金鈴橋を渡ると反対側の清滝川上流に向かう林道に入る。
林道からは清滝川沿いの渓谷の木々が若干色付いているのが見える。
14分ほど歩くと、東海自然歩道(清滝川沿いの道)が分岐する。今回は東海自然歩道の方ではなく、月輪寺方向の標識のある林道を直進する。
清滝から1.8km(22分)のところで、大杉谷登山道が分岐。
堂承川の谷底をゆく林道をしばらく歩くと、月輪寺登山道の分岐地点。清滝バス停から28分(2.3km)の地点だ。
月輪寺登山道の分岐地点 (月輪寺へは小屋の左横に急傾斜の登り口がある)
月輪寺登山道分岐(標高 190m) 〜 梨木大神(375m):所要29分
ここから先も国土地理院の地図上では「実線の」林道が、堂承川沿いに梨木大神まで続いている。
しばらく歩くと、鉄柵の門がある。地図では、この先は梨の木谷林道と書かれている。門の横には「私有地 立入禁止」と書かれているが、梨木大神のところにハイキングマップが掲示されているので、林道の通行だけは許されるのだろう... (勝手な想像?)
梨の木谷林道のゲート(月輪寺登山道分岐より200m北に行った地点)
林道は梨の木谷の渓流と並走して、緩やかに登っていく。
2018年9月の台風21号で発生した倒木が、月輪寺登山道分岐から1kmほど北に進んだ地点付近から目立つようになってきた。
林道に倒れ込んできた杉は、その下をくぐって通り抜けられるものは放置、支障になるものは切断・移動されて、通行に支障がないレベルにまで片付けられている。
この辺りの大量の倒木は、3年位放置されているので、表面に苔やシダが覆いかぶさりつつある。
倒木に絡みついたヒカゲノカズラ(シダ科)
梨の木谷は奥に行くほど倒木が多くなり、ひどいところでは倒木ばかりでほぼハゲ山状態になっている。
倒木を処理して再植林するのは放棄して、このまま放置なのだろう。都市に近く林道が整備されたこんな場所でも、林業は採算に乗らないのだろう。
清滝バス停から55分(4.2km)の地点だ。梨の木谷林道の後半は倒木はたくさんあったが、人が通れるだけのスペースは倒木処理されていたので歩きやすかった。
梨木大神(標高 375m) 〜 首なし地蔵(700m):所要40分
梨木大神のすぐ横に、登山地図の看板がある。それによれば、この先、首なし地蔵までの登山道は描かれていない。地理院の地図では「点線」のバリエーションルートになっている。
首なし地蔵方向の谷筋を見ると、見事な倒木の列となっている。南の谷底から吹いてきた強風が、杉を谷を遡る方向に吹き倒しているのが分かる。
そして、これから向かう登山道はこの倒木の下をくぐっていくことになる。
梨木大神から首なし地蔵方向の谷筋を見る (登山道は写真右側の倒木の下のトンネルを進む)
林道の終点付近は、斜面から崩落してきた岩ゴロゴロの場所もある
梨木大神から500mくらい谷を遡った地点で、所々コンクリート舗装されている林道がほぼ消失する。ここから先は、普通の山道に。
林道が消失し、その先は山道となるが、その道も消失しがちの場所がある(標高500m付近)
杉の植林帯が終わり、広葉樹の自然林となる。途端に倒木がなくなり、自然林は災害に強いものだと感じる。
谷底の沢を何度も横切り、水が少ししか流れていない沢を遡るような場所もある。何処が道が判別しにくい場所は、木に結び付けられた赤色のビニールテープに何度も助けられる。
岩をよじ登る。標高500mを超えると木々が紅葉し始める(標高570m付近)
渓流を登り詰めて、ふり返ると京都盆地がチラリと見えた(標高620m付近)
この上の写真のウリハダカエデの左側の小道を通り少し急坂を登ると、いきなり林道に出た。それが下の写真。この下の写真の左側、真っ赤なウリハダカエデの下の茂みから、突然林道に飛び出す形です。
逆に、梨の木谷林道へ向かう私が通ってきた道へ入ろうと思っても、何の標識も、目印もありません。GPS地図で見当を付けて降りるしか無い ?
サカサマ峠、ヒノキの巨木の下に首なし地蔵がある(標高700m)
見事に首が消失したお地蔵さんが石柱の上に乗っかっています。明治の廃仏毀釈で破壊されたのか、何らかの原理主義者が破壊したのか...
首なし地蔵(標高 700m) 〜 愛宕神社(920m):所要45分
ここにも梨木大神のところにあったのと同じ登山地図が掲示されている。ここから愛宕神社までは「愛宕神社 裏参道」というらしい。
尾根上を行く裏参道は、所々で展望が開けた場所がある。京北地域のなだらかな峰々と、ずっと向こうには2週間前に登った比叡山が頭一つ抜けてはっきりと見えている。
道はなだらかにアップダウンを繰り返しながら、少しずつ標高を上げていく。
石切り場の分岐点手前には、急傾斜地をトラバースして進む狭い山道があり、姿勢が崩れた場合に使うためのロープが張られている。表参道と違い、万人向けではない難所かもしれない。
その先、分岐点があり登山地図が掲示されている。ここの地点名は「首なし地蔵方面下山口」だそうだ。
ここから先は広い林道。石切り場の脇(?)の林道をのんびり5分ほど歩くと地蔵様が3体ある。
標識には「梨の木谷から清滝 120分」「月輪寺から清滝へ100分」「愛宕神社へ10分」「竜ヶ岳へ70分」「地蔵山へ80分」などと書かれている。
更に少し先へ行くと、再び眺望が開けた場所がある。京北から市街地まで一望できる。
さきほどのお地蔵様3体のところで合流した林道は、愛宕神社の関係者が車で登ってくる整備された林道だ。
階段を登り、銅鳥居・神門をくぐり本殿へ
入口横の授与所で幣札(200円)を1枚購入し、家から持参した去年購入分を本殿横の納所に返す。
愛宕神社(標高 920m) 〜 水尾分れ(700m):所要26分
下山は表参道を素直に降りる。清滝バス停は毎時50分に1本のバスがあるため、清滝に降りるのならこの時間に合わせる必要がある。
下山開始10時30分。清滝までの標準コースタイムは2時間。これを1時間20分以内に降りる必要がある。とりあえず水尾分れまで行き、そこで1時間弱の残り時間であれば清滝に降りることにし、ぎりぎり間に合わない恐れがあれば(1時間に3本の電車が走っている)保津峡に降りることにする。
コースタイム2時間を1時間20分で歩くのは、かなり余裕がある方なので、駆け下りるのではなく、早歩きのペースで降りる。
石段を降り、社務所横のケヤキ並木は若干の紅葉。
表参道では、疎らではあるが次々と登ってくる参拝客とすれ違う。梨の木谷林道・首なし地蔵コースで、すれ違ったのがたった2名だったのとは大違いだ。
15分で標高830mの黒門(京口惣門)を通過。
水尾分れ(標高 700m) 〜 清滝バス停(110m):所要46分
清滝バス停のバス出発時刻まで、あと54分。標準コースタイムは90分。余裕... と信じて、このままのスピードで下山を続ける。
大杉大神の少し手前に、表参道で唯一の眺望ポイントがある。ここからは、嵐山を流れる桂川がど真ん中に見える。
2017年10月の台風21号で破壊された大杉大神(標高549m)
五合目休息所の柱に、「バスへ あと45〜60分」と掲示されている。あとすこしで標準コースタイムで間に合うレベルになる。このままの速度で降り続けることとする。
11時36分、清滝口の鳥居を通過。バスの出発時刻まで14分ほどの余裕がある。
11時42分、十分余裕をもって清滝バス停に到着。
■ 京都バス 清滝 11:50発 → 阪急嵐山駅前 12:12着 (運賃 230円)
嵐山でバスを降りてから、松尾大社を見に行った記事は『 少しだけ紅葉が始まった天龍寺と松尾大社 』に書いています。