浴室(ユニットバス)の天井に取り付けられている温水式浴室暖房乾燥機(松下電工製 KBD-22KKEB, EH4591)が約20年経過し古くなっているため、Panasonic製バス換気乾燥機 FY-13UG6V にDIYで交換した。
交換前 : ガス温水式 暖房乾燥機
交換後 : 電気式 換気乾燥機
作業のポイント : 温水配管と制御線切断、給湯熱源機の再設定、天井の開口部を縮小、天吊りボルトピッチの変換
既設の温水式暖房乾燥機の撤去に向けた調査と準備作業は2月下旬より行い、『温水式浴室暖房乾燥機(KBD-22KKEB, EH4591)を電気ヒーター式換気乾燥機に交換するための下調べ』に記載している。
機材の購入
換気乾燥機の購入
3月27日にAmazon.co.jpで購入。税込み32,813円(送料無料)
3月28日にYahoo!ショッピングで購入。税込み1,591円(送料含む。PayPay祭り500円クーポン利用)
天井開口部のサイズ調整用板材の購入
アルミ複合板 アルインコ製CG960, 910mm×608mm, t=3.0mm 両面アイボリーホワイト
ホームセンターで購入 税込1,760円
天吊り金具、ボルト/ナット類の購入
アルミ チャンネル(C形) 28mm×13.5mm, t=1.5mm, L=1.0m 税込844円 × 3本
アルミ アングル(L形)30mm×30mm, t=1.2mm, L=1.0m 税込459円 × 2本
アルミアングル(L形)25mm×25mm, t=1.2mm, L=1.0m 税込393円 × 2本
寸切りボルト W3/8 L=1.0m 税込96円 × 1本
ナット W3/8 ユニクロ 税込7円 × 24個
ワッシャー W3/8 ユニクロ 税込6円 × 16枚
ステンレス ボルト M4, L=30mm × 4本
ステンレス ボルト M4, L=40mm × 4本
ステンレス ナット M4 × 16枚
ステンレス ワッシャー M4 × 16枚
電材の購入
VVFケーブル 1.6mm, 3芯 L=2.0m 税込217円/m
クイックロック φ1.6〜2.0mm, 300V 20A ニチフ製 QLX2 税込30円 × 3個
おおよその合計金額
約41,000円
天吊り金具と天井開口部のサイズ調整用板の製作
仮組立して、問題がないか確かめる。仮組立後に質量を測ると、約8.7kgだった。
既設 ガス温水式浴室暖房乾燥機の撤去
本体質量が10kg程度あるため、狭い天井裏で回転・縦向きにした後、開口部から手を突っ込んで取り出すのは難しいだろう。
室内側から撤去できる構成部品を取外して、できるだけ軽くしてから取り外すことにする。
暖房乾燥機EH4591の室内側外観(カバーを取り付けた状態)
暖房乾燥機EH4591の室内側外観(カバーを外した状態)の構成部品を分解取外し前
まず最初に、温水循環配管の電磁弁を外し内部に溜まった循環水を抜く。熱源機(給湯器)側の温水循環配管を取外した時の排水で循環水はほとんど抜けていたようで、今回はコップ1杯分くらいが出てきただけだ。
熱源機との間を結んでいるポリエチレン管の末端を切断し、暖房乾燥機内の銅管を取り外す。
そして熱交換器を取外し、最後に暖房用ファンを取り外す。また、電磁弁と暖房用ファンの電源ケーブルはコネクタ接続なので、簡単に外せる。
暖房乾燥機EH4591の構成部品(電磁弁、熱交換器、暖房ファン等)を分解取外し後
換気ファンのみ残るこの状態でも、換気運転は可能。実際、1日だけこの状態で利用した。
次に、天吊りボルトの取付補助金具(吊金具)を室内側より切り離し、暖房乾燥機の全荷重がユニットバスの鉄板天井板に乗っている状態とする。
天井裏外観(天吊りボルトの取付補助金具がまだ付いている状態)
ここまでくれば、あとは暖房乾燥機を持ち上げ、縦向きに回転させて浴室内に下ろすのみ。換気ファンしか残っていないので、軽々と下ろすことが出来た。
この写真に写っている全ての構成部品類を組み込んだ状態で、実際に計測した質量は約11kgだった。
天吊り機器(暖房乾燥機)を撤去した状態
開口寸法は 480mm×440mm
4本の吊りボルトは再利用するため、残置する。
吊り金具と開口部サイズ調整板の取付
開口部サイズ調整板(アルミ複合板)と天吊り脱着枠を取り付けた状態(室内側)
開口部サイズ調整板(アルミ複合板)と天吊り脱着枠を取り付けた状態(天井内)
天吊り金具類のボルトは、荷重を受ける下側をダブルナットで締め付けて緩み防止とする。自宅なので「合いマーク」まで入れていない
アルミ複合板を補強し荷重分散させるためのアルミアングルを、M4ボルトで仮取付して位置決めをしている。長辺側はボンドで貼り付けているが、短辺側は天井裏に搬入する時に支障があるためボンド付は行っていない。この仮取付後、テープでずれないように仮固定する。
バス換気乾燥機 FY-13UG6Vの取付
まず最初に、バス乾燥機本体に電源ケーブル(VVF 1.6mm)を取り付ける。
工事説明書の通り、バス換気乾燥機を仮固定金具で天井に仮取付する。この状態では、仮固定金具とダクト接続部で機器の荷重を支えている。
今回は、次の2つの方法で天吊脱着枠(吊り金具)とユニットバスの塩ビ鋼板天井に荷重を掛ける(取り付ける)こととする。
1)換気乾燥機に付属しているドリルタッピングビス(φ4mm)×4本で天吊り脱着枠に固定
2)M4ボルト×8本でアルミ複合板を補強するアングルに固定(天吊り脱着枠を挟み込んでいるので、すなわち天吊脱着枠にも固定していることになる)
今回の作業では、ドライバーで軽く締めるだけでよいM4ボルト×8本から締めてゆき、最後にインパクトドライバーで力を入れてドリルタッピング ビスを締め上げた。
バス換気乾燥機 FY-13UG6Vの取付完了(浴室内 カバー取付)
次にリモコンの交換を行う。
新リモコンと右側にある照明スイッチの色調がずれている(照明スイッチのプラ部品が黄ばんでいる?)ので、照明スイッチもついでに交換する。
天井内で電源配線を接続する。今回は3相用のVVF線(RST = 赤白黒)しかないため、赤を緑(接地線)と読み替えて利用している、恥ずかしい状態...
接続が終われば、絶縁抵抗測定し問題ないことを確認。
クイックロック接続した電源配線は、内線規定どおり、簡易ジョイントボックスで保護する。
電源配線の接続(透明ジョイントボックス内でクイックロック接続)
これで設置完了。
ダクト接続側から見たらこんな感じになる。
ボルト締め付けの工夫
(1)裏面ナット固定部品
本来、ボルト・ナットの締め付けは、ナット側にトルクをかけて締め付けるのが良いのだが、今回は天井裏で1人作業では手の届かない所にナットがあるため、ボルト側にトルクをかけて締め付ける。(天井の下・室内側のボルトを回して締める)
そのとき、裏面のナットが空回り(共回り)しないよう、何らかの方法で固定しておく必要がある。それが、自作の裏面ナット固定部品だ。
ポリプロピレン板(100均のまな板)を切り欠いてナットを埋め込み、強力両面テープ(クッションテープ)で、天井裏側のアルミアングルに貼り付けておくだけ。
大きなボルト穴をあけてよいのなら、既製品のターンナットを使うという方法もある。
(2)ダブルナット
FY-13UG6Vの施工説明書には、吊りボルトの固定にダブルナットが必要とは書かれていないが、緩み防止を行うため、今回はダブルナットとした。
隙間のコーキング
サイズ調整板とユニットバス天井鉄板の間の微妙な隙間をコーキングしないといけない。
購入したシリコーン コーキング材は
シリコーン コーキング材(シャープ化学工業 シャーピー シリコーンS アイボリー) 437円(税込)
サイズ調整板とユニットバス天井鉄板の間の隙間をコーキングする前
鉄板の角で手を切らないために、コーキング材を大きく盛る