『もみじが色づき始めた高野山』 からの続き
・ヤマレコの記事 『高野山(奥の院・弁天岳・不動坂・極楽橋・紀伊神谷駅)』
高野山 奥の院と金剛峯寺を巡った後、大門前から女人道(弁天岳)、京大坂道を下って紀伊神谷駅まで歩いた。
GPSログ
大門から弁天岳
この門は1705年に再建されたもので、重要文化財に指定されている。
この門は、かつての西側の結界に位置しており、大門の前で女人道と町石道が交差している。今日は女人道を通って弁天岳を経由し、下山口である京大坂道の女人堂まで歩くこととする。
杉林の中の登山道を15分ほど登ると、見晴らしの良い場所に出る。
画面中央のずっと向こうは、和歌山市である。
大門から歩くこと900m、およそ20分掛かった。 ここまで、1人で登山する女性、高齢女性3人組の4人とすれ違っただけで、女人道を歩く人はそれほど多くないようだ。
かつて女性信者は、高野山結界の外周を巡礼するしかなかったため、この女人道を通ってお参りをしたらしい。
女人堂までの下山道は、木の根が登山道を覆い尽くしていたりして、とても歩きにくい場所がある。
弁天岳から18分ほど、女人道を降りてゆくと女人堂がある。
女人堂から極楽橋
女人堂前からケーブル高野山駅方向に100mほど戻ると、京大坂道不動坂の分岐点がある。 極楽橋駅まで、この不動坂(県道118号)を経由して約2.3km 標高差300mほどである。
完全に石畳舗装された緩やかな坂道を8分ほど降りていくと、清不動堂(きよめのふどう・どう)がある。
清不動堂から100mほど下った所に、旧街道の分岐点がある。 今回は、完全に石畳舗装された新道を降りていくことにする。
ここから先も、新道ほぼ完全に石畳舗装された緩やかな下り坂だ。
まもなく極楽橋駅付近というところまで降りてきた。 旧街道との分岐点があらわれ、さきほど清不動堂付近で分岐した道が、ここで再び合流している。 旧街道は新道に比べてかなり急なようで、「いろは坂」という別名も与えられている。
女人堂を出てから約36分で極楽橋に到達。 ひたすら下りの道なので全く疲れない。
そして、この極楽橋を渡ると、すぐ目の前は南海高野線の極楽橋駅だ。
極楽橋駅から紀伊神谷駅まで京大坂道を歩く
この時間帯は、列車は1時間に1本だけだ。 つい10分前に列車が出たばかりなので、40分くらいは次の列車までの余裕時間があるだろう。
ここから先も県道118号(かつての京大坂道)が橋本まで続き、極楽橋の次の駅である紀伊神谷駅まで約1.7kmだ。
極楽橋前から100mほど下っていくと、不動谷川に架かる新極楽橋があり道が分岐している。その袂に神谷地区の観光地図が掲示されている。
かつての宿場町 高野町神谷地区の見どころは、旧白藤小学校(1997年廃校)、日本最後の仇討ち所といったところだろうか。どちらも、神谷駅に向かう道からは外れてしまうので、今回は訪問を断念。
道路なのか、資材運搬鉄道なのか分からないが、何らかの橋の下をくぐる切通しを通り抜けると、高野山に向かう道路が分岐している。
高野街道は、徒歩道は極楽橋経由の京大坂道が、車はここで分岐している道路を通って行く。そして、神谷地区のいちばん端にある住宅が1軒、ここの角にある。
道標があり、紀伊神谷駅 0.8km 、高野山 6.0km
更に100mほど下っていくと、今度は県道118号 京大坂道から紀伊神谷駅方向への道が分岐。 神谷地区の集落や観光名所は、すべて京大坂道方向にある。
今回は、紀伊神谷駅方向への下り坂を進んでいく。
道は杉林、竹林と通り抜け、遥か崖下に神谷駅が見える。道はつづら折りに駅に続いている。 住宅などの建物は一切無い。
白藤小学校 0.1km 、 紀伊神谷駅 0.2km の分岐点を通り過ぎ、
神谷集会所 0.3km 、日本最後の仇討ち 2.0km がここで分岐している。 日本最後の仇討ちとは、1871年2月に「播州赤穂藩の森主税と村上真輔が勤王派の13名に暗殺された」仇を、「村上真輔の子4人」がここで果たした「高野の仇討ち」のこと。
歴史上有名な日本最後の仇討ちは1880年12月に臼井六郎が両親と妹の仇である一瀬直久を東京の旧秋月藩主・黒田邸で討った事件であるというのが通説だが、仇討ち禁止令が1873年2月に出されていることより、その前に行われた最後の… というのが、この「高野の仇討ち」だとのこと。
秘境駅 紀伊神谷駅
紀伊神谷(きい かみや)駅は周囲に人家もなく、売店や自販機もないが、有人駅。
乗降客数は南海電鉄の全ての駅の中で最下位、1日に13人。
1日に13人しか乗り降りしない駅にもかかわらず、ICカード対応の自動改札機が鎮座している。
掲示されている時刻表には、1日に上下合わせて50本程度の列車が停車しているのに、乗降する客はたったの13人。寂しすぎる
レトロな雰囲気を残す木造駅舎を通り抜け、遮断器のない踏切を渡りプラットホームへ
列車が到着するときには、駅員さんがプラットホームに出てきて安全確認している。 列車はかなり遠くから車輪がきしむ音を響かせてくるので、遮断器の警告音は必要ないくらいだ。
4両編成の列車が停車すると、それほど秘境感もない。
■ 南海高野線 紀伊神谷駅 13:12発 → 橋本駅 13:53着 14:06発 → 難波駅 14:55着 (運賃 890円)