07 June 2020

阿弥陀ヶ峰と清水山から将軍塚への東山縦走 : その2

阿弥陀ヶ峰と清水山から将軍塚への東山縦走 : その1』 からの続き

先週、伏見稲荷大社から清水山までの「京都一周トレイル」を歩いたが、今日はその続きで蹴上までの東山縦走を行う。 この記事は、後半の東山縦走

清水山

清水寺の防災道路の門(裏門)を出て、歌中山(歌の中山)を歩いてトレイル入口まで戻る。 ここから、再び京都一周トレイルを歩く。

標高124mのトレイル入口から、標高242mの清水山 山頂まで、なだらかな尾根を歩くこと約10分。

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清水山の登山道

先週も歩いているので、楽勝だ…

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清水山の山頂分岐点

山頂は、この写真の道標のすぐ右奥にある。 分岐点にベンチがあるので、ここで昼食とする

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昼食(ふっくらバーガー、バランスパワー、奥大仙の天然水)

昼食休憩の10分ほど、登山客は誰も通りかからない。 先週は、ここでおばちゃんが4人ほど昼食を食べていた。 今日は阿弥陀ヶ峰でも清水山でも、ほとんど登山客を見かけることがなかった。

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高台寺国有林(東山)の登山道案内図

ここから先は細い登山道が入り乱れているが、京都大阪森林管理事務所の案内図に従って進めば迷わない。

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清水山の登山道(山頂から子安の塔登山道分岐の間)

向こうから犬の散歩させている家族連れがやってくる。 山の上で犬の散歩…

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ニガナ (清水山の登山道)

東山の縦走路では、あまり花は見かけなかった。 たまたま見つけたのが、このニガナ

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清水山の京都一周トレイルと、子安の塔登山道分岐

先週は、この写真のところで子安の塔方面に下山した。 今日は直進し、東山を北の端まで縦走する

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ヤマザクラの巨木

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清水山の縦走路から、清水寺へ続く登山道の分岐通行止め地点

清水寺へ降りる登山道が閉鎖されているため、厳重なフェンスが張られている。 一般の観光客が来るから、これくらいしないといけないのだろう…

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清水山から東山へ向かう登山道 (清水寺への登山道が分岐する地点)

このフェンスの前でふり返ると、右側が清水山から降りてきた道、左側が東山方向へ向かう道。 ちょうど道が折り返す付け根部分に古い石碑があり、「左 大日如来・将軍塚」と書かれている。

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将軍塚方向を示す石碑(清水寺への登山道分岐地点)

東山山頂公園へ

「東山」という山頂はないので、ここからはなだらかな稜線上を進むことになる

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防火貯水槽の前の登山道

この写真では、清水山からの登山道は左側、知恩院へ降りる登山道が右側、そして将軍塚方向はこの写真の右端にある防火水槽の脇へ抜ける道を行かないといけない。

道標が目立たない所にあるので、ここで道を間違えて知恩院へ降りてしまう登山者も居るだろう。

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防火貯水槽と東山・将軍塚方向への細い登山道

緩やかな登山道をしばらく登ると、右手に巨大な石碑がある。 明治時代の政治家で大臣を歴任した井上馨が、元代の詩人の漢詩を揮毫した石碑だそうだ (京都市役所フィールドミュージアム 井上世外詩碑

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井上世外詩碑

天懸海外三千界
月満人間幾百州

侯爵井上世外

清水山の山頂から歩くこと20分で、東山山頂公園に到達

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東山山頂公園

高校生くらいの子供が3人遊んでいるだけ。 隣りにある広い駐車場には、まばらに車が停まっているだけだ。

駐車場の向こう側には、展望台がある

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東山山頂公園展望台

この展望台からは、京都盆地の北西にある愛宕山付近から、京都盆地の西側を経て、天王山付近までを見渡せる。淀川の流れる平地の向こうには、大阪市中央部のビル群もかすかに見えている。

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東山山頂公園展望台から嵐山・愛宕山方向の景色

四条烏丸付近は見えているが、四条河原町は残念ながら木の陰になりぎりぎり見えない

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東山山頂公園展望台から京都駅・京都タワー方向の景色

ポンポン山がこの位置に見える

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東山山頂公園展望台から天王山と大阪市内方向の景色

梅田のビル群、本町付近、難波のビル群が見えているが、天王寺のあべのハルカスは見えない。

将軍塚

将軍塚は青蓮院の中にあるので、拝観料500円払って入場する。

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青蓮院大日堂

大日堂で入場券を買い、すぐ隣りにある青龍殿へ。 青龍殿は1913年に北野天満宮前に建てられた武徳殿を、東山山頂に移築したものだそうだ。

青龍殿の中には、国宝の青不動(不動明王ニ童子像)が納められている。堂内に展示されているものはそのレプリカだそうだ。

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青蓮院青龍殿

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青蓮院青龍殿の大舞台

この写真の右側の青龍殿奥殿に、国宝の青不動が納められているという。 中央の奥に見える山が比叡山。 2つあるピークの右側が山頂で、左側の小さな建物がある方がロープウェイの駅だ。

ここからは、山頂公園展望台から見えなかった北方向の景色を見ることが出来る

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青蓮院青龍殿の大舞台から見た北方向の景色

比叡山、吉田山や京都大学付近、下鴨神社あたりが見えている。

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青蓮院青龍殿の大舞台から見た御所方向の景色

見学順路は、青龍殿から大舞台、将軍塚、展望台、庭園となっている。次は、お待ちかねの将軍塚

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将軍塚

桓武天皇が平城京遷都にあたり、王城鎮護のため将軍の像を埋めた所だという。 いまは、将軍像ではなく「京都府国防協会会長」が建てた石柱が、塚のど真ん中に突き立っている。

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塚の横には、東郷元帥手植松と黒木大将手植松がある。 海軍と陸軍の英雄が、塚の両側に松を植えた形だ。

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東郷元帥 手植松

すぐ横に展望台があり、そこから見下ろす将軍塚の姿が一番良い雰囲気だ

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展望台から見下ろした将軍塚 (北方向の景色)

この展望台は周辺の木々を切り払っているので、北から南まで東山から見えるあらゆる場所を余す所無く見ることが出来る。

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青蓮院の展望台(南から南西方向の景色)

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青蓮院の展望台(西方向の景色)

この眺望は、500円の入場料に見合った眺めだと思う。 大阪方面は、生駒山脈を全て展望できるだけでなく、金剛山・葛城山や奈良盆地の西端まで見えている。

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青蓮院の展望台から大阪平野方向を見る

大阪平野の手前に見える、小さな丘は石清水八幡宮のある森。 大阪平野の向こうには、和泉山地が連なっているのが見えている。

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青蓮院の展望台から生駒山地方向を見る

最後に、日本庭園を見学。 ここには、大隈重信の手植松がある。

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青蓮院の庭園

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青蓮院の大隈重信手植松

将軍塚から粟田口へ下山

青蓮院の山門前から、京都一周トレイルの山道に入る。 道はすぐに展望台下の木々が刈り払われた場所に出て、分岐点がある。

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将軍塚の展望台下で、知恩院方向と粟田口方向の分岐

京都一周トレイルは、粟田口方向を選択する。

さらにどんどん下っていくと、15分ほどで粟田口の登山口付近に到達。

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粟田口付近の道標(左 青蓮院。右 都ホテル)

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粟田口の登山口付近から見下ろしたウェスティン都ホテル

粟田口の登山口は、尊勝院という小さなお寺の境内だ。 山道から突然、お寺の境内に出る。

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登山口にある尊勝院

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粟田口の住宅街(登山道は、元三大師の石柱の方向)

下山して最初に見かける巨大な寺院は、「青蓮院」。 東山の山頂にあったのは、麓にある青蓮院の飛び地だそうだ

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知恩院

青蓮院の南隣は、知恩院。 本堂(御影堂)の修復が終わっているようなので、観に行ってみる。

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知恩院 三門

見事に観光客がいない景色だ。 観光公害のインバウンドと、他地域からの観光客が消滅するだけで、ここまで劇的に環境が改善する

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知恩院 三門から本堂に続く石段「男坂」

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知恩院 本殿(御影堂)

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知恩院 多宝塔・手水舎・阿弥陀堂

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知恩院 納骨堂

円山公園と八坂神社

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円山公園のひょうたん池

背後の山は、東山の山頂公園展望台が存在する辺りだ。

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八坂神社の本殿と舞殿

ここまで来ると、観光客の数が少しずつ増えている。

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八坂神社の南楼門と鳥居

清水寺方向へのメインゲートなのに、観光客はほとんど歩いていない。

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八坂神社の西楼門

四条通の東端、八坂神社の西楼門前は、かつては観光客でごった返していた。 居間はこの静けさ。路線バスもスムースに定時運行している。

自宅へ

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混雑していない四条通

中国人が麻衣子さんを追いかけ回す観光公害が頻発していた花見小路通。果たしてどうなっているのだろうか…

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花見小路通

見事に観光公害が消滅しています。

■ 京阪本線 祇園四条駅 13:04発 → 京橋駅 → 中之島駅 14:01着 (運賃 480円)