21 October 2018

彦根 その1 : 彦根城・楽々園・玄宮園

久々の週末の快晴だったので、日本に12箇所しか無い「現存天守」の彦根城を観に行った。

もくじ

彦根 その1 : 彦根城・楽々園・玄宮園
彦根 その2 : 佐和山城跡・龍潭寺

ヤマレコの記録

彦根へ

■ JR 新快速 大阪駅 07:30発 → 彦根駅 08:50着 (昼得 380円 + 普通運賃 1,140円)

予め金券ショップで購入しておいた昼間特割きっぷを使い、正規運賃の1,980円より460円安く乗車した。この昼得は9月末で発売終了したので、今後は割引率が大幅に減るはずだ。

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JR大阪駅

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彦根駅に到着した近江塩津行き新快速

GPSログ

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彦根駅周辺

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JR彦根駅前の井伊直政像

駅の北西側にある駅前広場の中央に、近江国佐和山藩(彦根藩)の初代藩主 井伊直政の騎馬像がある。

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駅前お城通り

彦根駅前にはスーパーや雑居ビルが幾つか建っている。そこに金券ショップがあり、JRの回数券などが自販機で売られている。

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彦根駅前の金券ショップの回数券自販機

「大阪 ー 京都」の昼得回数券は往復分(380円×2枚)を購入済みなので、ここでは「彦根 ー 京都」の回数券を1枚(1,010円)購入

彦根からは、名古屋まで1,410円(85.9km)、大阪まで1,450円(104.5km)。昼得で割引率が高い大阪方面だが、それでも彦根からは名古屋のほうが「安く」行ける。道沿いには中日新聞の販売店もあり、ここは名古屋圏なのかもしれない。

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滋賀県消費生活センター前に置かれている人形

滋賀縣護國神社

駅前お城通りの突き当りには護国神社がある。

戊辰戦争から第二次世界大戦までの、大日本帝国時代の戦没者を祀る神社だそうだ。

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鳥居

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拝殿

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「父の像」

戦死寸前の人を表現しているのだろうか…。 戦没者は「徴兵されて後ろ向きであったとしても、国を守るために奮戦して死んだ」のだから、もっと尊厳のある勇ましい姿の像というのは無理なのだろうか。

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英霊顕彰館

戦没者の写真を展示している場所。 ここは遺族が慰霊に訪れるためのところかな…

彦根城

護国神社の境内に出ている朝市(雑貨市)の露天を抜けると、すぐ目の前に彦根城の中堀がある。

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いろは松

護国神社横から佐和口(二の丸多聞櫓)まで、一直線の松並木道が中堀沿いに続いている。

この松並木は「いろは松」と呼ばれていて、“ 表門橋に向かう中濠の沿道の松並木は47本あったのでこの名が付けられました。現在34本(補植12本)残っています ”観光協会のwebで解説されいてる。

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佐和口多聞櫓

“ 左手に見える櫓は明和8年(1771年)に再建された佐和口多聞櫓。現在、重要文化財に指定されている ” そうだ。右側の櫓は「開国記念館」という博物館になっている。

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馬屋

多聞櫓の裏手には、“ 元禄時代(1688〜1703)に建てられ、常に十数頭の藩主用の馬がつながれていた ” 馬屋がある。 多聞櫓と同じく重要文化財だそうだ。

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馬屋の内部

馬の模型…

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内堀に架かる表門橋

昔は「表門」があったのだろう。いまは橋を渡った所に入場券売り場があり、無銭入場を阻止する経済的な門となっている。

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表門管理事務所(券売場)

この事務所の手前、右側の石垣の上に、斜面の上に続く石垣がある。

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表門付近の登り石垣

「登り石垣」とは、“ 山の斜面を登るように築かれた石垣で、斜面を移動する敵を阻止するために築かれたもの ” で、“ 秀吉が晩年に行った朝鮮出兵の際、朝鮮各地で日本軍が築いた「倭城」に置いて顕著に見られる城郭遺構だが、日本では洲本城や松山城など一部でしか見られない ” そうだ。

日本では珍しいらしいが、諸外国では斜面に沿って石垣を築くのは城壁としてはアタリマエのことだと思う。 中国で見た万里の長城は、山岳地の山肌に沿って立派な長城が築かれていた。

入場券売り場で、城・博物館・玄宮園のセット券を1,200円で購入。クレジットカードは使えず、現金払い。

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天秤櫓と廊下橋

“ 表門から坂を上がって行くと廊下橋(非常時には落とし橋となる)が見え ” てくる。 “ この橋を中央として左右対称に建てられているのが天秤櫓 ”

櫓の入口に入るには廊下橋を渡る必要があるが、橋の袂にたどり着くにはぐるっと一周回りこむ必要がある。敵をぐるぐると敷地内を回らせて櫓から集中砲火を浴びせる、典型的な城郭建築だ。

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太鼓門櫓に続く坂道

天秤櫓から太鼓門櫓に向かう坂道を登って行くと、左手に時報鐘が見えてくる。

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時報鐘

太鼓門をくぐり抜けると、すぐに天守閣のある本丸広場だ。

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天守閣

“ 国宝彦根城天守は、一層目の軒に並ぶ八つの「へ」の字形の切妻破風、二層目は南北の切妻破風と唐破風・東西の入母屋破風となっており、破風の組み合わせが類い希な美しさ ” を表現しているとされる。

次の写真で、2層目の南北(写真右側)にだけ唐破風があることが分かる。

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天守閣

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天守閣と附櫓・多聞櫓

“ 彦根城天守は北西に附櫓(つけやぐら)が、さらに長い多聞櫓が連なって ” いて、天守閣の入場口は、この多聞櫓からとなる。

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天守閣一層目の内部

17世紀の木造建築物の内部は、案外広いです。一層目は中央に二部屋、その周囲を廊下が取り囲んでいる。

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天守閣 二層目の廊下

この写真にあるように、外に面した壁には82箇所の丸や三角、四角の「鉄砲狭間」がある。狭間の外側は “ 平時は外から見えないように漆喰壁で塗りこめられていて、戦時は壁を突き破って使用する ” と解説されている。

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天守閣 二層から三層に登る急な階段

急な階段を登り、最上階の三層へ。

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天守閣 三層目

三層目からの眺めは良く、

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天守閣から南方向の眺め

左側の小さな山が荒神山(標高284m)。右側には琵琶湖とその向こうにある比良山地が見えている。

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天守閣から北方向の眺め

手前には城に隣接した庭園「玄宮園」、遥か向こうに伊吹山が見えている。

天守閣を出て西の丸へ向かうが、ロープが張られていて通行禁止の札が下がっている。西の丸全体が立入禁止となっているようだ。 黒門山道を下り、玄宮園を目指す。

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黒門山道の途中にある西の丸の石垣

どんどん坂道を降りて行くと、ゆるキャラの「くまもん」が登場する。 ひこにゃんではなく、くまモンですか…

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黒門山道を登ってくる「くまモン」

市内で開かれている「ご当地キャラ博」に出演していたくまモンが、彦根城でも公開されるのだろう。しかし、被り物で城の丘を登らせるとは…。

楽々園・玄宮園

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楽々園の書院

楽々園は、“ 四代藩主直興が延宝5(1677)年に造営。大書院、地震の間、雷の間、楽々の間 ” などがあるそうだ。

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楽々園

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玄宮園の臨池閣と天守閣

玄宮園は、“ 4代藩主直興により延宝5年(1677年)に造営された、琵琶湖や中国の瀟湘(しょうしょう)八景にちなんで選ばれた近江八景を模した大名庭園 ”

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玄宮園の魚躍沼

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玄宮園の龍臥橋

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玄宮園の鳳翔台

彦根城博物館、その他

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井伊直弼像

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内堀

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彦根城博物館の展示室

右側の具足は、2代藩主の井伊直継、または初代藩主の井伊直政のものと伝えられているそうだ。

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能楽仕舞 「敦盛」

ちょうど能楽の仕舞が演じられていて、予約無しで能楽を見られるとは貴重な機会だった。