11 September 2017

乗鞍岳・双六岳トレッキング:双六小屋〜新穂高(9月11日)

もくじ

事前準備
高山、平湯(9月8日)
乗鞍岳・新穂高〜わさび平小屋(9月9日)
わさび平小屋〜双六岳(9月10日)
双六小屋〜新穂高(9月11日)
紅葉と花々

ヤマレコの記事
乗鞍岳(畳平~山頂)
双六岳(新穂高~左俣林道~小池新道~双六小屋)

双六小屋 泊

双六登山3日目の下山の日。天気予報は曇り・夕方から雨。大阪行きの13時過ぎのバスに乗るためにも、11時までには新穂高に下山しようと思う。

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天気図

朝食は5時スタート

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双六小屋の朝食

食堂の入口扉には、「朝食は並ばなくてもお入りいただけます」と札が出ているが、紙を貼った裏側には「4時半から」という文字が見える。

4時半スタートにしてもらえれば、登山者にとって大変ありがたいのだが...。

昨晩同室に宿泊した、槍ヶ岳を目指すと言っていた地元古川市から来た男性は、5時の食事時間まで出発を遅らせられないので、弁当を注文して真っ暗な談話室で食べていた。こういう早出の人も暖かい朝食があれば長距離縦走の元気が出ると思う。

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双六小屋の食堂

部屋に来る時間の早い順に、この写真には写っていないが右側のテーブル(6人×5列)から座っていく。写真に写っている左側の6人×2テーブル×5列はだいぶ遅く来た人たちだ。

テーブルに用意されている朝食の数から宿泊者の数がおおよそ推測できる。手前の2つのテーブルは完全に使われていなくて、6人用テーブルも半数以上は5人で使っている。

だから、宿泊者は5人×3テーブル×4列 〜 6人×3テーブル×4列 = 60人〜72人ほどだ。自炊コーナーを使っている人を見かけなかったので、弁当の人を考慮しても100人位(小屋の定員は200人)の宿泊者だったようだ。

GPSログ

トラッキングログの元ファイルをダウンロードする場合はこちら(GPXファイル)

主要ポイント間の所要時間

区間通過時刻所要時間標準コースタイム
双六小屋 〜 弓折乗越05:14 〜 06:0955分70分
弓折乗越 〜 鏡平山荘06:09 〜 06:4031分30分
鏡平山荘 〜 シシウドヶ原06:48 〜 07:1729分40分
シシウドヶ原 〜 秩父沢07:17 〜 07:5639分50分
秩父沢 〜 小池新道入口08:02 〜 08:3230分40分
小池新道入口 〜 わさび平小屋08:32 〜 08:4715分20分
わさび平小屋 〜 新穂高温泉08:47 〜 09:3649分65分

双六小屋(2,550m) 〜 弓折乗越(2,560m) : 52分

食事後、5時15分に双六小屋を出発する。 4時半頃に外に出て確認した時は快晴だったのだが、出発時には雲が掛かっていた。

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出発時、夜明け寸前の双六小屋

テント場、双六池の横を通り過ぎると、すぐにハイマツ帯の山道となる。弓折岳から樅沢岳の稜線に向けて、なだらかに登っていく。稜線に到達する前に、もう一度双六小屋の方を振り返ると、双六岳東峰の上部には雲が掛かっているのが分かる。

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双六岳東峰と双六小屋のあるコルを振り返って観る

登山道は稜線上に出て、南の弓折岳方向へ続いている。

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樅沢岳・弓折岳の稜線上を南へ向かう登山道

左側の蒲田川左俣谷では、かなりの速度で雲が南から湧き上がってきている。槍・穂高連峰の山々も、ガス(雲)から出たり、入ったりしている。

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蒲田川左俣谷を挟んだ向こうに見える槍・穂高連峰

槍・穂高連峰を一望しながら歩く絶景の道。晴れていたら気持ち良いことだろう

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稜線上の道の向こうには、ガスに巻かれた槍・穂高連峰

時折、自分が歩いている樅沢岳・弓折岳の稜線上の道にも濃いガスが掛かり、視界が10mくらいしか効かなくなることもある。

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ガスがかかった時だけはゆっくり歩き、ガスが通り抜けるのを待つ。しばらくすると、視界も晴れてくる。

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樅沢岳・弓折岳の稜線上の道

南岳小屋や西穂山荘のホームページによれば、この日の午後からは2500mより上の稜線は常にガスに包まれていたようなので、比較的早い時間に雲底高度より下に降りれて幸運だった。

双六小屋を出て50分で、弓折乗越に到着。この頃には、穂高連峰の稜線は常にガスの中に隠れている状態になった。

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弓折乗越と、眼下に見える鏡平

弓折乗越(2,560m) 〜 鏡平山荘(2,285m) : 30分

6時10分、休憩無しで弓折乗越を通過し、鏡平に向けて快調に坂道を下る。

下から登ってくる女性のソロ登山者2名ほどとすれ違う。これから天候が悪化するのに、山に入るのだろうか。

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鏡平に向け下る道

すでに日の出の時間を過ぎているが、槍ヶ岳方向は完全に雲に覆われていて、陽の光は地上には全く届いていない。

6時40分、鏡平山荘に到着。ひょうたん池周辺のチングルマには、朝露が付いて綺麗だ。

鏡平山荘の前のテーブルのところには、山荘に宿泊した香港から来た登山客が出発準備をしていた。予定を聞いてみたら、今日は黒部五郎岳まで行くそうだ。旅行会社からもらったのか、自分で作ったのかは分からないが、主要ポイントを通過する時刻を書いたスケジュール表を持っている。

明日、寒冷前線が通過して荒天が予想されるのに、スケジュール通り行動するつもりなのだろうか...。

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鏡平山荘と、弓折岳・樅沢岳の稜線

鏡平山荘(2,285m) 〜 小池新道 入口(1,470m) : 1時間40分

鏡平山荘前で10分弱休憩して出発。ヘッドランプや防寒着はもう不要なので、ザックの中に格納する。

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イタドリが原

シシウドヶ原を過ぎる辺りから、登ってくる登山客とたまにすれ違う。若い人のグループや、シニア女性のグループなど、いろいろだ。ソロ登山者はそれほどすれ違わなかった。

これから寒冷前線が通過する荒天なのに、小屋に足止めされてしまうことを覚悟している人ばかりのようにも見えない。なかには、9時頃に小池新道入口付近を、おしゃべりしながらのんびり登ってくる人たちも居た。

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秩父沢

秩父沢の少し手前で、テント泊装備の巨大なザックを背負って下山している若い男性と抜きつ抜かれつの状態になる。重そうな荷物で、かなりのスピードで下山している健脚者だ。

不思議なことに、林道に降りてから急に歩く速度が落ちたみたいで、「ちゃんとした道は苦手なんです」だそうだ。

秩父沢で5分程度休憩。 上部に雪渓が見えるので、その雪解け水も混じっているのだろう。かなり冷たい水で顔を洗い元気を取り戻す。

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小池新道入口付近の蒲田川

8時32分、小池新道入口に到着。5時15分に双六小屋を出たので、所要時間は3時間15分ほどだ。

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小池新道入口

小池新道 入口(1,470m) 〜 新穂高登山指導センター(1,090m) : 70分

ここから先は整備された林道だ。最早危険箇所も無い。

後ろからひたひたと近づいてくる足音がして、トレランの登山者に追い抜かれる。 ウルトラ・ライト装備で軽快に山を走るのは気持ち良いことだろう。

彼とは大阪行きの高速バスで偶然隣同士の席になったので聞いてみたのだが、今朝は4時前に黒部五郎小屋を出発したそうだ。黒部五郎小屋から双六小屋の標準コースタイムは3時間位のはずなので、かなりのスピードで下山してきているようだ。

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左俣林道(小池新道入口〜わさび平)、私を追い抜いたトレランの男性

一昨日宿泊したわさび平小屋前を通過。トレラン男性がここで休んでいたので、追い抜く。

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わさび平小屋

笠新道分岐を通過してしばらく行くと、ヘリパッドに車がたくさん集結している。 山小屋に運び上げる荷物を集結しているようだ。 わさび平小屋の主人(?)の男性が居たので、互いに会釈。 高コストのヘリコプターで物を運ばないといけないので、山小屋の経営も大変だ。

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山小屋にヘリコプターで輸送する荷物を集結しているヘリポート

中崎橋を渡る手前に、北陸電力 中崎発電所の取水口がある。対岸に右俣谷の取水口から流れてきた水が左俣谷の川に流れ込み、その水も合わせて手前の水門を通って取水されている。

ここの標高が1,340mくらいで、発電所のある新穂高の標高が1,090mなので、落差250mほどのエネルギーが得られるわけだ。

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中崎発電所 取水口

9時34分、新穂高ロープウェイの駅前に到着。ここで再びトレランの男性に追い抜かれる。

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新穂高ロープウェイの駅前

登山指導センター横の中崎山荘に行き、温泉(入湯料 800円)にのんびり浸かる。タオルを貸してくれるのかと思いきや、タオルは自前のを使えということらしい。 浴槽の底に硫黄の凝集したものがゆらゆらと揺れている、不思議なお湯。

新穂高 〜 高山 〜 大阪

新穂高でバスに乗車する前に、スマホで高山から大阪への高速バスの予約を行う。切符は高山駅前のコンビニで引き換え可能だ。

■ 濃飛バス 新穂高温泉 10時55分発 → 高山バスセンター 12時33分 (運賃 2,160円)

新穂高ロープウェイ前のバス停を出たバスは、10人程度の客を乗せて平湯温泉へ。途中から外国人観光客などが乗車してくるが、たいていの客は平湯で下車。平湯から新たにたくさんの乗客が乗ってくる。

途中のバス停にはほとんど停車しないので、バスは最速で高山に向かっているはずだ。それでも、高山まで1時間半以上掛かる。 新穂高も高山市なので、相当広大な面積の市のようだ。

高山駅横にあるバスターミナルで下車。

駅前のファミリーマートへ行き、ネット予約した大阪行き高速バスの切符を購入する。高速バスの出発時刻は13時40分で、1時間ほど余裕がある。

観光客向けの店が建ち並ぶ駅東側ではなく、駅西側にマクドナルドがあるので、そちらに行く。駅は改修工事中のため、入口にたどり着くのがややこしいが、駅の跨線橋を通って西口に抜けられる。

外国人観光客もここまでは来ないようで、マクドナルドは地元の人が食事している以外、かなり空いていた。

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マクドナルド 高山駅西店

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昼食 : チキンクリスプ(100円)、ハンバーガー(100円)、フレンチフライ(150円)、アイスコーヒー(100円)

山に3日間行ってると、マクドナルドのメニューが文明的で超美味しい。 平湯温泉や新穂高に、コンビニくらいは作って欲しいと思う。(市街地から離れすぎていて、物流が難しいのかな...)

■ 濃飛バス 高山バスセンター 13時40分発 → 大阪 東梅田 18時51分着 (運賃 4,700円)

大阪行きの高速バスは、乗車率6割位か。私の隣は、出発直前に駆け込んできた、左俣林道で抜きつ抜かれつをしたトレラン登山者だ。奈良の自宅まで帰るところらしい。

雨が振りそうで降らない曇り空の中、全く渋滞などにあわずにバスは大阪まで走った。 渋滞に巻き込まれて1時間ほど遅れた往路と比べれば、断然快適だ。

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高山発大阪行きの濃飛バス (黒丸PA)

バスは、関SAで15時12分から15時25分休憩し、黒丸PAでも16時45分から16時55分まで休憩、京都駅八条口バス停に17時50分に停車し、大阪東梅田には定刻の10分前に到着した。

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関SAでわさびふりかけ購入(648円)

以前、飛騨牛肉ふりかけというのを売っていたと思うのだが、今回は長野県のわさびふりかけしか見当たらなかった。

本日の支出

・温泉入湯 中崎山荘 800円
・バス 新穂高〜高山 2,160円
・昼食 高山マクドナルド 450円
・高速バス 高山〜大阪 4,700円 (クレジットカード払い)
・関SA 信州わさびふりかけ 648円 (クレジットカード払い)
・関SA ヴィダーゼリー 210円 (クレジットカード払い)
・黒丸PA クリームパン 124円、おにぎり 110円、お茶 120円、小計354円

合計 9,322円
3泊4日の登山に掛かった総費用 41,751円