『うどん県1日旅行 : 金刀比羅宮・善通寺』 からの続き
善通寺の赤門を出てから、およそ15分。 かなり早歩きで善通寺駅まで戻ってきた。列車の出発まで10分ほど余裕がある。
丸亀方面から普通電車が到着し、乗客が改札口から出てくる。 本州の駅からICOCAで乗車してきた乗客が、善通寺駅にIC改札機が無いため現金精算している。 改札内にICカードを扱える端末機を置いておけば良いのにと思うが、観光地だからといって特例ばかりは作れないのだろう。
■ JR 善通寺駅 12:19発 → 丸亀駅 12:37着 (運賃 230円)
丸亀港
せっかく丸亀に来たので、人気のセルフうどん店を訪問する。
丸亀駅を出て、しばらくJRの高架沿いに高松方向へ歩く。 「骨付き鶏」を有名にした一鶴本店があり、そこから斜めの道を丸亀港方向へしばらく歩くとセルフうどん店「麺処 綿谷」がある。
ちょうど遅めの昼食の時間で、周囲の駐車場に車を停めて、沢山の人が店に入っていく。
食後、丸亀港をチラッと見て丸亀城方向へ向かう。
港の船だまりの出口に架かる青いアーチ橋(ニールセン・ローゼ橋)は「京極大橋」という。 後で知ったことだが、この船溜まりの岸にある「太助灯籠」が観光名所だそうだ。
JR予讃線の高架をくぐり市内中心部に入ると、シャッター通りと化した商店街が広がっている。
通り沿いの建物は至るところで取り壊され、更地になっている。いずれ、空き地の中にアーケードだけがある末期的状態になるのかもしれない。
通町商店街を抜けると、市役所とドン・キホーテの店がある。ドン・キホーテは、ダイエーが閉店した跡に2013年に入居したそうだ。店内に入ってみるが、ほとんどお客さんがいない。 かなり立派な商店街施設があり、ダイエーが入っていた巨大店舗がありと、施設だけはあるがスカスカな街の中心部。
通りの向こうに、巨大な石垣の上にちょこんと乗っかる丸亀城が見えてくる。
市役所側に面した大手門から入城する。
城外側が「二の門」、場内側が「一の門」と、二つの門がセットになった二重門。 重要文化財に指定されていて、1670年頃に造られたものだそうだ。
天守閣に登る坂道「見返り坂」に上る方向と逆方向、城の周囲を一周する道の方へゆくと玄関先御門がある。
玄関先御門の先には資料館があるが、工事中で閉鎖されている。
標高60mにある天守閣目指し、「見返り坂」を登る。 城の北西角付近で、三の丸の石垣が目の前に現れる。算木積み石垣の隅角部では、高さ20mほどあるそうだ。
この隅角部には高浜虚子の句碑もある。
” 稲むしろあり 飯の山あり 昔今 ”
丸亀城より飯野山(讃岐富士)を眺めて詠んだ詩だそうだ。
新緑が眩しい坂道(見返り坂)を更に登ると、標高50.5mの場所にある三の丸に出る。
瀬戸内海には瀬戸大橋が架かっているのがはっきりと見える。
本丸広場から見た飯野山(讃岐富士) 421.7m
本丸南西角の石垣を、『上に建物が建っていることから石垣の解体修理をせず、石垣が膨らんだ箇所を崩れないように外側から押さえて保護した』のが、ハバキ石垣だそうです。
この写真の右奥には、三の丸井戸の平らな石蓋が見えている。立て看板によれば『深さ31間(56m)で現在は空井戸の三の丸井戸は、抜け穴伝説がある』とされる。
さらに坂道を登ると二の丸広場。ここはたくさんの木で覆われていて、中央辺りに井戸がある。
傍らの立て看板に拠れば、『直径が1間(1.8m)、絵図によれば深さ36間(63m)とされ、石垣を築いた羽坂重三郎が敵に通じるのを恐れた藩主により、この井戸の底に入っている間に石を落とされて殺された』場所とされる。 エジプトのピラミッドや、中国の始皇帝陵を築いた職人も、秘密を暴露されることを恐れて全て殺されたという伝説があるのと同じことが日本でも起こっていたということか。
さらに坂道を少しだけ登ると本丸広場。天守閣が目の前に現れる。 この天守閣は、国内に12箇所しか残っていない「現存天守」だ。
天守の建つ本丸の南西角には、四等三角点がある。国土地理院によれば、標高66.21mだそうだ。天守内部は丸亀城の史料を展示した資料館となっていて、入場料200円。
江戸時代の初期、丸亀藩の藩主 山崎治頼が無嗣断絶で改易となり、その後の藩を引き継いだ京極高和(京極家初代藩主)が天守を完成させたとされる。
柱はもちろん、屋根も含めて木造。
高松へ向かう電車の時刻が迫っているので、城を後にして駅へ急ぐ。 大手門を出てまっすぐ駅へ向かう道から振り返ると、街路樹の里桜と天守閣が見事にマッチしている。
市民広場の北端の道路には、『外濠跡』の石碑がある。 丸亀城天守閣内に展示されていた古地図でも、ちゃんと外濠が描かれているが、Wikipediaによれば明治以降に順次埋め立てられ破壊されたようだ。
高松駅行き電車が出る15分ほど前に駅に到着。
高架駅のプラットホームに上がると、ちょうど特急しおかぜ号・いしづち号が駅に到着したところだ。
松山から岡山・高松へ向かう8000系の電車。途中の宇多津駅で、岡山行と高松行切り離される。
特急が出発した7分後に、高松行の快速電車がやって来る。こちらは2両編成で、通学の学生で混雑している。
■ JR 丸亀駅 15:35発 → 高松駅 16:00着 (快速 運賃 550円)
高松駅に到着した快速サンポート (右側の電車)
玉藻公園 (高松城址)
高松駅を出ると、目の前には高松シンボルタワーが夕日に照らされている。 このビルは四国で最も高い、高さ151.3mの商業施設とオフィスの複合ビルだ。
最上階の30階には無料の展望スペースがあるが、昼・夕のレストラン営業時間帯は入場禁止となる。 17時までは入場可能なのだが、今回は高松城址を見に行くことを優先する。
高松シンボルタワーのあるサンポート高松に隣接して、高松城址の玉藻公園がある。 昨春も入場しているので、主要な施設は見学済みだ。入場料は200円。
ことでん高松築港駅に隣接した西入口を入ると、目の前は二の丸跡。 芝生広場と松林となっている二の丸跡を斜めに横断し、海水を引き込んでいる内濠に架かる鞘橋(さやばし)を渡ると、こぢんまりした本丸となる。
1884年に老朽化のため天守が取り壊され、再建されないまま現在に至っている。 この天守は1669年に松平頼重が讃岐藩主だった時に完成したものだ。
再び二の丸に戻り、三の丸方向へ。三の丸には披雲閣と内苑御庭がある。
三の丸の北側、瀬戸内海に面したところには月見櫓と水手御門がある。
月見櫓は1676年頃建てられたもので、水手御門も同時期のものとされる。 再び三の丸の内苑御庭を横切って、南側にある桜の馬場へ。
ちょうど枝垂れ桜が満開だが、広い芝生広場(桜の馬場)にお客さんは誰も来ていない。 平日だから仕方ないか…
艮櫓も1677年頃に建てられたものだそうだ。 高松城址で江戸時代から残っている遺構は、月見櫓・水手御門・渡櫓(水手御門の両側の建物)・艮櫓の4つ。
丸亀町・兵庫町・片原町商店街・
そろそろ夜ご飯を食べる時間なので、商店街を目指す。玉藻公園(高松城址)艮櫓横の旭門から出て、400mほど南へゆくと三越の横から片原町の商店街アーケードに出る。
ここは、商店街再開発の模範例としても有名な高松中央商店街の一部だ。 郊外にイオンモールが出来たりしても完全に客を奪われること無く、店舗構成をショッピングモールのテナントのように少し柔軟に変化させて生き残っている。
この丸亀町・兵庫町・片原町の商店街が交差する場所には、ルイ・ヴィトン、シャネル、コーチ、グッチなどの欧州の一流ブランド店が出店している。
ここから更に南へ。 Wikipediaによれば、『高松を開拓した生駒親正により高松城築城と同時に造られた通りである。丸亀から町人を連れて来て商売をさせたのが名前の由来。当時から現在に至るまで最も人通りが多く、また賑わいがある』 とされている。
この商店街に客が集まっているのは、全国チェーン店をちゃんと誘致しているからなのだろう。ZARAや無印良品、ダイソー、紀伊國屋書店、ABCマートなどが軒を連ねている。
地方の商店街にありがちな、土地を持っている既得権益の旧来の商店がいくら補助金をもらって店を開いていても、客は来ない。ショッピングモールのように、客が望むテナント構成に、全国規模のチェーン店に入れ替えていくことしか生き残る道はない。
琴平、善通寺、丸亀と、今日一日見てきたシャッター通り商店街と比較すれば、高松市の商店街は「成功例」なのだと思う。
兵庫町商店街の中央通り角にあるセルフうどん店 「うどん市場」 に入る。
照り鳥丼(小)とかけうどん(小)セット 480円 ・ かぼちゃ天ぷら 80円 ・ 鶏天ぷら 90円 = 650円
今日、4食目のうどん。 十分堪能しました。
中央通を渡った所にあるローソンの2階に、インターネットカフェがある。 深夜1時発のジャンボフェリーに乗る予定なので、それまでの時間をのんびり過ごすのに調度よい場所だ。
入会金 324円 + 3時間キャンペーン価格 756円 + 延長80分 (70円×8×1.08 = 604円) − 割引 324円 = 1360円
4時間20分 (18時45分 → 23時04分) 利用で、無料ドリンクバーでスープやジュース飲み放題、漫画読み放題でのんびり休憩できて、たったの1300円ほど。 喫茶店やファミレスで無理やり時間を潰すより、断然有意義。
神戸へ
23時過ぎ、ネットカフェを出て高松駅へ向かう。 高松駅方向へは中央大通りを通って行ったが、オフィス街のためお店も少なく、歩いている人も皆無。
もちろん、高松駅付近も繁華街(丸亀町商店街の東側一帯)から離れているので閑散としている。
高松駅前のサンポート高松とバスターミナル
■ 高松駅前バスターミナル 23:30発 → 高松東港 23:42着 (無料 連絡バス)
ジャンボフェリーの連絡バスには、私も含めて5名程度の乗車。 この時間帯、ほとんど車の走っていない道をスムースに港まで到着。 高松東港の1kmほど南にはイオンモールがあるが、この道の暗さ、沿道が倉庫ばかりで外灯もなく、人も誰も歩いていない道は歩けるものではないと思った。やはり、時間調整は高松駅付近でないと無理だ。
0時10分頃、神戸からやって来たフェリーが到着して20〜30名程度の乗客が旅客ターミナルに降りてきた。 このフェリーが折り返しで1時発の神戸行きとなる。
徒歩の乗船客は、ぱっとみたところでは30名位。0時40分頃乗船開始。 昨日の夜と違い、ボーディングブリッジで晒される外気はけっこう肌寒い。
カーペットの敷かれている大広間は、往路の時よりも客数が少ないため、好きなところに場所とりし放題だ。
フェリーが出港した直後、熟睡。神戸三宮に到着する直前に流れる歌『二人を結ぶジャンボフェリー』が聞こえるまで全く意識がなかった。
■ 高松東港 01:05発 → 神戸三宮港 05:15着 (ジャンボフェリー 往復運賃 3,690円)
5時少し過ぎ、神戸三宮の港に接岸。 徒歩乗客は、私を含めて3名が歩いて三宮駅に向かい、その他の人たちはシャトルバスに乗り込んでいた。
三宮駅へフラワーロードは、車はほとんど走らず、もちろん遊歩道を歩く人も誰もいない。
阪神電車の三宮駅へ。
特急の始発は5時59分なので、フェリーを降りてゆっくり歩いてきてもじゅうぶん間に合う。
■ 阪神 三宮駅 5:59発 → 甲子園 6:17着 (特急 梅田行き 運賃300円)
■ 阪神 甲子園駅 6:18発 → 野田駅 6:38着 (普通 梅田行き)