『うどん県1日旅行 : 神戸・高松・栗林公園』 からの続き
■ ことでん 栗林公園駅 08:08発 → 琴電琴平駅 09:02着 (運賃 高松築港より620円)
琴電琴平駅を出ると、すぐ北隣に金刀比羅宮 北神苑がある。 去年はフジの花が咲いていたが、今年は春の訪れが遅いのかまだ咲いていない。
1860年に建てられた、高さ約17mの高灯籠の前には、満開の里桜。
さて、今回は善通寺や丸亀城も見に行くので時間的余裕が少ない。寄り道せずに金刀比羅宮の本宮を目指すことにする。
金刀比羅宮 (こんぴらさん)
琴電琴平駅前より金倉川を渡り、表参道の登り口に最短コースで歩く。(去年は、鞘橋など周辺を見て歩いた)
金刀比羅宮は標高538mの象頭山(ぞうずさん)中腹にあり、国土地理院地図では本宮の標高は236m。琴平駅付近の標高は約70mなので、約160m登るだけの簡単なハイキングだ。それも、整備された階段が延々と続いている恵まれた環境。
登山口、ではなく参道の入口付近からは、本宮直下にある旭社の屋根が象頭山の中腹に見える。 一般的に『785段の石段登りはかなりキツイ』とされているが、たとえば京都の愛宕山山頂にある愛宕神社は標高差約900mも登らなければならないのと比べれば、標高差160mなど全然大したこと無い。
表参道の入口付近 (道の突き当たり付近には、785段の石段の最初の部分)
表参道の入口付近には、値段設定がやや高めの讃岐うどん店などが建ち並んでいる。 その後、土産物屋などが石段365段目の大門付近まで約600m、途切れること無く続いている。
琴電琴平駅より、歩いて約15分で一之坂鳥居・備前焼狛犬の所までやって来る。ここまで113段の石段を登ってきたようである。
参道を挟んで1対ある備前焼狛犬は重要有形民俗文化財で、立て看板に拠れば 『備前岡山の「長榮講」により1844年に奉納されたもので、備前焼でつくられた狛犬のなかでも一、二を争う大きさの良作』とされる。
此処から先の参道は『一の坂』と呼ばれるそうで、更に歩くこと5分、神域とを隔てる大門に到着。沿道の土産物屋もここまで。 石段は365段登ってきたようで、およそ半分程度の石段数を踏破したことになる。
大門のすぐ脇には巨大な重要有形民俗文化財の青銅大燈籠が、また金刀比羅本教総本部もあり、里桜が満開。
大門をくぐると、鎌倉時代以降、神域で唯一営業を許された飴売りの屋台『五人百姓』があるはずだが、平日だからか営業しているのは3軒のみ。
ここから先200mほど、平らな『桜馬場』と呼ばれる道が続く。
再び短い石段を登ると桜馬場西詰銅鳥居があり、その少し手前の広場には神馬の居る御厩や今治造船が奉納した大型船用のスクリューのほか、アフリカ像の銅像がある。
「象頭山」だから「象の銅像」なのかなぁ…
桜馬場西詰銅鳥居をくぐり、しばらく石段を登ると(431段目〜628段目) 旭社がある。参詣道の麓から見えた、標高200m付近の社だ。この少し手前に、資生堂パーラー カフェが堂々と営業していたりする。神域で営業できるのは鎌倉時代より五人百姓だけじゃなかったのか…。 現代の商業主義恐るべし。
旭社の前を通り過ぎ、黄銅鳥居と賢木門をくぐり抜けると御前四段坂と呼ばれる、最後の急登となる。
御前四段坂は石段652段から785段まで、133段ある。GPS記録では標高差20m程度、標準的な階段の高さ200mとすれば26mの標高差だ。階高4mのオフィスビルなら5〜6階分くらいの高さだ。その御前四段坂の登り始めの所に 『百度石』 が置かれている。
願い事を聞き入れられるためには、100回往復せぇと…。 25m×100回 = 2,500m を登り降り。 かなり覚悟がいりますね。 たとえば上高地(1,500m)から北穂高岳(3,090m)を1日で往復して、さらに体力が余ったから西穂山荘(2,367m)往復をあわせて日帰りでこなすくらいのトレイルランナーなら出来るかも。 私には無理です。
その御前四段坂を登り切ると、本宮前に到着。
琴電琴平駅を9時5分に出発して、本宮に9時50分到着。所要時間45分。
JR琴平駅から高松方面への電車の出発時刻は、10時46分。およそ55分後だ。 下り坂はかなりスピードアップして歩けるので、余裕で琴平駅に到着できそうだ。
それにしても、普通・快速電車がパターンダイヤではなく、ひどい時には1時間も間隔が開いている。 ことでんのように、30分毎のパターンダイヤになればもっと便利だろう。 イタリアのように、電車とバスが同じ切符で乗車でき、相互に補完してパターンダイヤというのも地方都市ではありだと思う。
走るわけではないが、少し早歩きで下山。琴電琴平方向へは向かわず、表参道をまっすぐ金倉川を渡る道を進むと商店街がある。
ほぼシャッター通り商店街。13km西の綾川駅前にイオンモールがあるため、もはやここで日用品を売る商店は成り立たなかったのだろう。 地元商店という個人利権を保護しているうちに、地元には店が無くなって買い物難民発生。 シャッター閉めてる個人商店は、たいてい年金受給者か他に職業を持っていて、固定資産税の面からも店を売ったり更地にしたりではなく「シャッター閉めたまま」にしておくインセンティブあるんですよね。
10時30分、本宮を出発してから40分でJR琴平駅に到着。
まもなく、岡山行の特急「南風」が到着する。
南風の出発した3分後に岡山行き普通電車が出発するので、それに乗車する。
ちなみに、特急は岡山駅に11時40分に(所要時間57分)、普通は同じく12時02分に(途中で快速乗換で所要時間1時間16分)到着だ。たった20分ほどの差で1,200円ほどの特急料金は価値あるのかなぁ…。
■ JR 琴平駅 10:46発 → 善通寺駅 10:52着 (運賃 210円)
第七十五番札所 善通寺
Wikipediaによれば屏風浦五岳山 善通寺は、『和歌山県の高野山、京都府の東寺と共に弘法大師三大霊場に数えられる。 平安時代初頭の807年に真言宗開祖空海の父である佐伯善通を開基として創建された。伽藍は創建地である東院と、空海生誕地とされる西院(御誕生院)に分かれている』 とされている。
善通寺駅は善通寺からは街の中心を挟んで1.2kmほど東にある。 駅前通りには、市役所や四国学院大学などの公共的な施設が並んでいて、セルフ方式の讃岐うどん店も2軒ある。
まずは、うどん店に入り昼食。
肉ぶっかけうどん(温・小) 420円 ・ メンチカツ 130円 = 計 550円
すぐ横が大学のキャンパスなので、12時過ぎると混雑するだろうから、少し早めのこの時間で運が良かったのかもしれない。
食後、善通寺に向かう。 駅前通りのはるか向こうにあった我拝師山(481m)と筆ノ山(296m)がだんだん近づいてくる。
2つの山の間、低い丘が見えるが香色山(157m)。この丘の東に接している善通寺は『屏風浦五岳山』の山号を持ち、香色山・筆ノ山・我拝師山・中山・火上山が屏風のように並んでいることに由来しているそうだ。香色山は標高が低すぎて山と認識されなかったか…
更に西へ。自衛隊 善通寺駐屯地開設67周年の市中観閲行進が、4月23日(日曜日)に行われるので交通規制する旨の看板が出ている。
今日が水曜でなければ、駐屯地内にある資料館(水曜定休)を見学したかったのだが…。
街の中心の大通り商店街のアーケードがあるが、シャッター通りと化している。善通寺の赤門に至る本郷通り商店街も、同様のシャッター通り。
高松市の商店街の復活が鮮やかなだけに、琴平・善通寺の堂々としたシャッター通りが潔く見えたりする。 次に向かう丸亀も、期待できるかも…
駅から歩くこと 約15分、善通寺の東院の入口である「赤門」に到着。
東院は『空海の父で地元の豪族であった佐伯直田公(法名善通)から土地の寄進を受け、813年に建立された』とされる。
重要文化財の金堂。1699年上棟で、本尊の薬師如来坐像を安置している。
重要文化財の五重塔は1884年に再建されたもので、高さ43m。
登録有形文化財の南大門と鐘楼。
県指定天然記念物のクスノキ
歴史的な文化財としては、見どころはこんな感じで東院に小ぢんまりとまとまっている。
空海が生まれた場所とされる西院を見に行ってみる。 工事中の中門を通り東院を出て、70mほど歩くと西院の入口の仁王門がある。
空海がまさに生まれた場所、佐伯家の邸宅跡地には御影堂が建っている。
善通寺での滞在時間 25分ほど。 この時間なら予定より1本早く電車に乗れそうだ。 急いで善通寺駅に戻り高松行き普通電車に乗車。
■ 善通寺駅 12:19発 → 丸亀駅 12:37着 (運賃 230円)