新平湯温泉で1泊した後、西穂高岳 独標を目指す。
もくじ
・ 西穂高岳トレッキング : 事前準備
・ 西穂高岳トレッキング : 大阪 〜 奥飛騨温泉郷(10月13日)
・ 西穂高岳トレッキング : 新平湯温泉 〜 西穂高岳 独標 (10月14日)
・ 西穂高岳トレッキング : 西穂山荘宿泊 氷点下の早朝 (10月14日〜15日)
・ 西穂高岳トレッキング : わさび平小屋 〜 新穂高 〜 大阪 (10月15日)
新平湯温泉
濃飛バスの新穂高ロープウェイ行き始発バスが、7時13分に新平湯温泉を通過するため、その時間に間に合うように起きる。 腕時計のタイマーを5時にセットしたのだが、なぜか4時45分頃目覚めてしまう。
館内の温泉に入り、朝食。 自宅より持参したアルファ米牛めし(350円)、ローソン 炭火焼きチキン(198円)、イオン ごぼう根菜サラダ(105円)、どん兵衛カップ麺(135円)で登山前に十分栄養をつける。
6時少し前、夜が明ける。空は、薄い雲が結構早く南向きに流れている。 予報では、昼ごろに雲が南に抜けて晴れるそうだが…
7時、新平湯温泉バス停に向かう。バス停横には、奥飛騨慕情の歌碑がある。 (YouTubeの公式動画)
まだ私が小学性くらいの頃、聞いた覚えがある有名な演歌だ。
7時15分ごろ、神通川営業所行きのバスがやって来て、1分ほど後に新穂高ロープウェイ行きのバスがやって来る。 乗車していたのは、登山客の女性が2名ほど。
新平湯温泉 〜 新穂高ロープウェイ
■ 濃飛バス 新平湯温泉 07時16分 → 新穂高登山指導センター 07時33分 (560円)
バスは温泉旅館などの集まる集落のバス停に、ポツポツと停車して谷の奥へ進んでゆく。 途中、中尾高原方面へ立ち寄るコースはデマンド運転なので、客が居ないと分かりショートカット。 その結果、終点の新穂高登山指導センターに到着したのは、定刻より10分早かった。
後ろに見える山は、笠ヶ岳と抜戸岳の間の稜線。 ここで、登山届に記入し提出。
トラッキングログの元ファイルをダウンロードする場合はこちら(GPXファイル)。
新穂高ロープウェイ : 新穂高 〜 西穂高口
新穂高ロープウェイの乗り場に向かう。登山指導センターからは数分間坂道を登った所にある。 先ほど乗ってきたバスが、折り返しの終点であるロープウェイ山麓駅の横に停車している。
駅の入り口には、8時10分開門、始発8時30分と掲示されている。開門と同時に、駅に入り自動券売機で切符を購入。
・往復券 2,900円
・荷物券 300円 (片道、当日限り有効)
改札口手前の待合室で並んで始発の出発を待つ。 そのうち団体客もたくさんやってきて、50人位になっただろうか。
■ 第1ロープウェイ 新穂高温泉駅 08時25分 → 鍋平高原駅 08時29分
まずは、小さい方のロープウェイ(第1ロープウェイ)で高低差188mを登る。ここで大きな方のロープウェイ(第2ロープウェイ)に乗り換え。
こちらは、自家用車などでやって来た客が既に10人程度並んでいた。出発までに、100人ほど並んだだろうか。ただ、第2ロープウェイは2階建てで、定員が121人なので積み残しは無いはずだ。
■ 第2ロープウェイ しらかば平駅 08時45分 → 西穂高口駅 08時53分
今度のロープウェイは高低差848mを一気に登る。
かなりのスピードで走行しているので、すれ違いは一瞬のうちだ。
眼下に見える森の木々は、あまり紅葉しているようには見えない。先週、能登半島付近を通過した台風の暴風で、紅葉していた木々がほとんど落葉してしまったのだそうだ。
山上の西穂高口駅に到着。駅舎屋上の展望台は標高2,156m。 たった1,500円ほどで、苦労せずに2,000m付近まで登ってくることが出来るのはすごいことだ。
新穂高ロープウェイ 西穂高口駅展望台からの眺望
左側の山頂が笠ヶ岳(標高2,898m)、中央右寄りの山頂が抜戸岳(2,812m)、更に稜線が右端の方に連なって樅沢岳(2,755m)付近まで見えている。
これから登る西穂高岳と、更に北に位置する南岳、中岳、槍ヶ岳が見えている。
一度登ってみたいものだ…
西穂高口駅 〜 西穂山荘
■ 西穂高口駅 09時10分出発 → 西穂山荘 10時05分到着 所要55分 (標準コースタイム1時間30分)
西穂高口駅4階の食堂を出た所に、水場があるのでペットボトルの空容器に給水する。とりあえず、1リットルほど持っていくことにする。
散策路を数分間歩くと、「西穂高口 登山届出所」と看板の掛かった小屋があり、すぐ脇に登山道入り口がある。
まだ登山届を出していない人は、ここで登山届を出すことも出来る。 登山道入り口には、『登山装備をされていない 一般のお客様は 立ち入らないでください』 と書かれている。 さらには 『 単独登山は やめよう 』 と大きなお世話だ。
登山道入り口を入ってしばらくすると、下り坂になる
GPSログでは、西穂高口駅の2,150mから、一旦2,125mまで下り、再び登り坂となり2,171mの測量標高点(石柱あり)に達する。ここから、西穂高岳の全貌をちらっと眺めることが出来る。
西穂高岳は第13峰から主峰まで、主なピークが13もある。今日向かうのは独標(第11峰 2,701m)だが、西穂高岳という時は主峰(2,908.8m)のことをいう。
更に登山道を西穂山荘の方へ歩いて行くと、下り坂が少しあって2,140mの鞍部になり、続いて登りになる。ここから岩がゴロゴロと転がっている急な坂道がおよそ30分間続く。
坂を登り切ると、いきなり西穂山荘が目の前に現れる。
西穂山荘
別館(レストハウス)で宿泊受付が出来るようなので、素泊まり1泊を申し込む。宿泊費は6,800円。 小屋番の女性に案内されて、今日泊まる部屋へ。
2階の7人部屋。窓からは上高地の河童橋付近を挟んで、部屋の名前にもなっている「六百山(2,470m)」が見えている。
荷物を廊下の棚に置き、独標の山頂で食べる昼食と防寒用のウルトラライトダウンをアタックザックに入れて出発。
西穂山荘 〜 西穂高岳 独標
■ 西穂山荘 10時30分発 → 西穂 丸山 10時45分 通過 所要15分 (標準コースタイム15分)
西穂山荘のすぐ横の、ハイマツで覆われた丘の大きな岩が転がっている坂道を登って行くと、西穂高岳山頂が見えてくる。 振り返ると、西穂山荘の赤い屋根はかなり下となり、遥か南には焼岳や乗鞍岳が見えている。
丘の上をしばらくダラダラと歩いて行くと、ケルンが2つある。このすぐ左手に「丸山」と書かれた標識柱が立っている。
丸山(2,452m)に到着
西穂 丸山の標識柱と、はるか向こうに見える笠ヶ岳(標高2,898m)と抜戸岳(2,812m)
■ 西穂 丸山 10時45分 通過 → 西穂 独標 12時10分着 所要1時間25分 (標準コースタイム 1時間15分)
丸山を通り過ぎると、こんどは第12峰のダラダラと続く坂道となる。足元は、小石や中くらいの石がゴロゴロ転がった歩きにくい道。
まるで、さわやかな草原の丘にも見えるが、実際はハイマツの中のガレた坂道…
しばらく登って行くと前方の視界が開け、西穂高岳 主峰方面への道が一望できるようになる。
独標から主峰あたりのギザギザの稜線を拡大してみると…
右端の山頂が平らなのが独標、中央左よりにピラミッドピーク、左端は主峰(?)
右手方向を見下ろすと、上高地の河童橋付近から大正池付近までが見える
登山道は、第12峰の西側斜面を巻いてゆきます
第12峰直下は、踏み外せば数百メートル滑落間違い無しの、狭い足場の道に。 初心者向けの独標登山では、ここが核心部かもしれない。
この付近に、ザックなどの装備を放置して独標を目指す登山者もちらほら居ます。私も、ストックが邪魔になったので、放り出して(ちゃんと揃えて置いて)独標を目指すことにします。
登攀ルート真正面から見た独標は、まるで垂直の壁に見える。GPSログでは、登攀すべき標高差はおよそ30mほど。
垂直の岩壁のように見えるが、実際は岩が微妙に階段状になっていて、足をかけて登るルートは十分確保されている。
途中から数メートルだけ鎖場があるだけで、特に苦労することはなく頂上に到達。
振り返ると…
かなりの急角度で岩山を登ってきたのがわかる。手前の緑色の丘が第12峰。はるか向こうには、西穂山荘の赤い屋根も見えている。
西穂高岳 独標
台形の山頂なので、それなりの面積はあるはずだが、20名位の登山客でごった返している。なかには、ガスバーナーでカップ麺を作ったり、コーヒーを沸かしたりする猛者も…
気温5℃くらいで、風も殆ど無い穏やかな登山日和。私も、昼食として持ってきたレーズンロールパンを食べる。
北には、西穂高岳主峰から奥穂高岳などが並んで見えている
左より、ピラミッドピーク(第8峰)、チャンピオンピーク(第4峰)、西穂主峰、ちょこっと見えているのが間ノ岳、ギザギザの山頂のジャンダルム、そこからなだらかに続いて奥穂高岳
西穂高岳 独標 〜 西穂山荘
■ 西穂高岳 独標 12時40分発 → 西穂山荘 13時55分着
空から完全に雲がなくなり、快晴となる。天気予報は完全にあたっている。
新穂高方向の小鍋谷から、冷たい風が吹き付けてくる。 凍るほどの寒さではないが、簡易的な防寒対策は必要だ。
第12峰付近から見下ろした小鍋谷。彼方に見える山頂は笠ヶ岳(2,898m)
この写真からもわかるように、稜線付近は常緑のハイマツ、その下にダケカンバなどの完全に落葉した落葉樹、その下にはまだ緑色の木々があり、紅葉の色付きなど無縁の世界だ。