上高地から涸沢カールへのトレッキング復路の記録。涸沢カールから横尾・明神池経由で上高地まで。
目次
『上高地・涸沢トレッキング : 事前準備』
『上高地・涸沢トレッキング : 上高地・横尾』 (9月1日)
『上高地・涸沢トレッキング : 横尾・涸沢カール』 (9月1日)
『上高地・涸沢トレッキング : 涸沢滞在』 (9月1日〜2日)
『上高地・涸沢トレッキング : 草花』
『上高地・涸沢トレッキング : 下山 涸沢・明神・岳沢湿原・上高地』 (9月2日)
本谷橋 〜 横尾 2.4km
食事後、少し休憩して6時25分に出発します。
前穂高岳と屏風の頭の稜線に遮られて、まだ太陽光は横尾谷まで届いていない。 涼しい中、順調に下る。
トレイルランニングと思われる数人が駆け下りていく以外、前後に居る登山者は私と同じくらいの速度でチンタラ下っているようだ。
GPSトラッキング記録で緑色に着色したところが、崩落がある危険箇所。 明神館から明神池まで、一時的にGPSトラッキング記録が途切れている。トラッキングログの元ファイルをダウンロードする場合はこちら(GPXファイル)。
Sガレで着ていたユニクロ ウルトラライトダウンを脱いで、長袖ジャージの上に半袖ドライメッシュシャツというウエアで上高地まで下る。
Sガレを通過して8分ほど、段々と低木が生い茂ってくる辺りで振り返ると、涸沢カールが綺麗に見える。
次はいつ来れるだろうか…
下りはスピードが出やすいので、つまづいて転落しないよう、足首をひねらないよう、調子に乗り過ぎないようにする。
出発から30分で、2016年6月18日に大規模崩落を起こした場所に差し掛かる。
すぐ前に1人居るので、彼が大崩落箇所をトラバースし終えてから岩石帯に進入する。谷の向こうに見えるのは、横尾本谷右俣。
次の人が横断してきている。涸沢谷の底の岩石で覆われた谷筋が見える。はるか向こうには、ほとんど見えなくなりつつある涸沢カールと、前穂高岳からの稜線が見える。
まもなく、屏風岩の北東角を通過。横尾本谷が谷の向こう側正面に見える。
大崩落箇所から10分ほど歩くと、小崩落補修箇所に出る。崩落している沢の上を見ると、巨大な岩石がかろうじて止まっているような雰囲気だ。地震など小さな衝撃で、いつ落ちてくるかわからない。
ここから、ひたすら岩石で作られた坂道を下り続ける。
小崩落箇所から15分弱で、本谷橋に到着。ここで10分弱休憩。目の前には、冷たい水が流れているが、この水は(上流に山小屋があるため)汚染されている可能性があり飲めない。 涸沢ヒュッテで給水したペットボトルの水を飲む。
涸沢ヒュッテ 6時25分 - 本谷橋 7時25分 所要60分 (標準コースタイム2時間)
本谷橋 〜 横尾 2.8km
7時30分、本谷橋を出発。
ここからは、安易なハイキングコースのような道になる。時折、眺めの良い場所があり、振り返ると横尾谷を挟んで屏風岩と、谷の奥に北穂高岳が見える。
横尾に近づいてくると、平らな杉林の中の道になる。もはや、歩くのではなく駆け足…
8時10分、横尾大橋を渡り横尾山荘前に到着。
ここで20分休憩。カロリーメイトと魚肉ソーセージで栄養補給。涸沢で1.5リットル給水して持ってきた残りの水を捨て、横尾で新たに500ミリリットル給水。
本谷橋 7時30分 - 横尾 8時10分 所要40分 (標準コースタイム60分)
横尾 〜 徳沢 3.9km
横尾大橋前では、これから涸沢や槍に向かう登山客が数十人休憩している。私も含め、上から降りてきた登山客は数人程度。下山者はここで休憩するまでもなく、通過していく人が多いのかもしれない。
8時30分、横尾を出発。
上高地から登ってくる登山客、ハイキング客と頻繁にすれ違う。今日は休日ではなく平日の金曜日なのだが、「生産年齢世代」が次々と山を目指して歩いているのは、少し不思議な感覚を覚える。平日なら山小屋が空いているから、週末に有給休暇を1日プラスしてやって来ているのだろうか。
ほぼフラットな道が徳沢まで続く。この区間は、頻繁に川沿いに道が走り景色が良い。梓川の広い河原には、洪水で流れてきた流木がそこら中に放置されている。 大雨が降ると、大量の流木が流れてくるくらいの濁流になるのだろうか。
9時15分、徳沢に到着。 15分ほど休憩し、徳沢園の「みちくさ食堂」でソフトクリーム(400円)を食べる。
横尾 8時30分 - 徳沢 9時15分 所要45分 (標準コースタイム70分)
徳沢 〜 明神 3.4km
9時30分、徳沢を出発。徳沢キャンプ場の横を通過。
空が段々と薄曇りになってきた。3,000m級の山の上は、ガスがかかっている可能性が高い。
徳本峠方向から流れてくる白沢・黒沢に架かる橋から見た明神岳(2,931m)
10時05分、明神に到着。 ここでは休憩せずに、公衆トイレのみ借用。 水を補給しようかと思ったが、水場が見つからず断念。
徳沢 9時30分 - 明神 10時05分 所要35分 (標準コースタイム60分)
明神 〜 穂高奥宮・明神池 〜 河童橋 〜 上高地バスターミナル
このまま上高地まで最短コースで歩き続ければ、11時前にバスターミナルに到着してしまう。 ここで、明神池を通る大回りのコースを歩くことで、少し時間調整する。
10時10分、明神を出発。
明神館前を、「穂高奥宮」の道標の方向に分岐し、北上する。数分で、梓川に架かる明神橋を通過する。
川を渡るとすぐに、穂高神社奥宮の鳥居がある。ここは、北アルプスの総鎮守だそうです。
社務所で、明神池の拝観券(300円)を購入して神域に入場します。
穂高奥宮を出て、河童橋の方向へ行くと、岳沢湿原を歩く木道に出る。
湿原を抜けると、まもなく河童橋。橋を渡り、上高地バスターミナルに到着。11時50分。
明神 10時10分 - 上高地バスターミナル 11時50分 所要100分
上高地から大阪へ
上高地バスターミナルの2階にある食堂で、昼食。豚の生姜焼き定食、1,300円。 味付けはかなり濃い目。 汗を大量にかいた登山者向けなら、この塩分量が必要なのだろう。 周囲を見渡せば、登山者より一般の観光客の方が多そうだが…。
NTT DoCoMoのホームページでは、上高地バスターミナルと明神館周辺では携帯電話が使えるとされている。明神館では全く電波が捕まらず、上高地バスターミナルでは電波が弱すぎ、河童橋付近まで行ったらやっとまともな電波状態になった。基地局が殆ど無いのか、電波出力が弱いのだろう。
14時20分、上高地発のアルピコ交通 さわやか信州号に乗車。 インターネット発券で、8,820円だった。 数日前に予約サイトを見たところでは、この便は満席だったはずだが、実際に乗車してみると乗客数は15名で6割位の乗車率だ。 ネットで簡単にキャンセルできるからと、モラル違反の寸前キャンセル者が多いのだろう。
バスは、安房峠有料道路・国道158号線を通って、岐阜県の高山へ。そこから高山清見道路、東海北陸自動車道、名神高速道路を通り、京都駅前を経由して、大阪梅田に20時35分に到着。
安房峠有料道路のトンネルを抜けて飛騨山脈の西側に出ると、低層の雲が大量に湧いていて、山脈で東に行くのを阻止されているような感じに見える。これでは、穂高岳などの上はガスに覆われるはずだ。
途中2箇所で休憩が入る。
1回目はひるがの高原SAで15分休憩。標高860mと、日本で一番高い所にあるSAだそうだ。シュークリーム(240円)を食す。高原だから酪農が主要産業で、それでシュークリームなのだろう。美味しかった。
2回目は滋賀県の黒丸PAで15分休憩。夕食にカレーライス(520円)を食べる。15分休憩では、カレー食べてトイレ行ったら時間ギリギリ。