01 September 2016

上高地・涸沢トレッキング : 横尾・涸沢カール

上高地から涸沢カールへのトレッキング往路の記録。横尾から涸沢カールまで。

目次

上高地・涸沢トレッキング : 事前準備
上高地・涸沢トレッキング : 上高地・横尾』 (9月1日)
上高地・涸沢トレッキング : 横尾・涸沢カール』 (9月1日)
上高地・涸沢トレッキング : 涸沢滞在』 (9月1日〜2日)
上高地・涸沢トレッキング : 草花
上高地・涸沢トレッキング : 下山 涸沢・明神・岳沢湿原・上高地』 (9月2日)

横尾 〜 本谷橋 2.8km

横尾で15分ほど休憩し、8時20分に出発。梓川に架かる横尾大橋を渡る。ここを渡ると涸沢を経て穂高岳方向へ。橋をわたらずに梓川左岸に沿って上流に向かうと槍ヶ岳方向。登山客は、ここで2:1くらいの比率で各々の方向へ別れてゆく。

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梓川に架かる横尾大橋

横尾大橋から梓川下流方向を見ると、前穂高岳(3,090m)から屏風の頭(2,565m)までの山塊が右岸側に見える。

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横尾大橋から梓川下流方向を見る

GPSトラッキング記録で緑色に着色したところが、崩落がある危険箇所。



横尾大橋を渡ったところに警告看板があり、『ここから先は、登山エリアです。ヘッドランプ・雨具・地図など登山準備の無い方は入山をお控えください。』『涸沢方面への登山者へ。午後2時以降の入山は控えてください。』 とある。 横尾まではハイキングコース、ここから先が登山道ということだ。

それでも、しばらくの間は杉林の間の整備された道が続く。

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杉林の中の道

道は時折横尾川に沿って見晴らしの良い場所を通り、屏風岩が目の前に姿を表す。

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横尾谷と屏風岩

横尾から歩くこと約20分、やっと登山道らしい岩石で覆われた坂道となる。 ただ、この坂道はほんの少ししか続かず、すぐに平坦な道になるので全く疲れることはない。

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岩石の登山道

道は、横尾谷を挟んで屏風岩東壁の真正面になるところを通過する。

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屏風岩東壁

標高差約700mのこの壁を、登る人も居るそうです。すごいですね。

道はところどころ登りがあるものの、ほとんど水平に近い。2箇所ほど、崩落してガレている小さな沢を横断するところがある程度。

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道が、ガレている小さな沢を横断

横尾谷を行く道は、屏風岩を回りこんで本谷橋に近づいてくる。先程まで真正面に見えた、ロッククライミングの東壁がだいぶ遠くなってくる。

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屏風岩 北東面

そして、道の遥か前方には北穂高岳(3,108m)が見えてくる

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横尾谷の先に見える北穂高岳

まもなく、本谷橋(ほんたにはし)に到着。9時15分。

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本谷橋

橋を渡り横尾谷の右岸に出ると、涸沢への「現在の」登山道に続く。橋を渡らず、このまま横尾谷の左岸を直進すると、現在は閉鎖された「かつての」涸沢への登山道や横尾本谷に向かう道なき道が続いている。 今回は橋を渡り、対岸で休憩することに。

横尾 8時20分 - 本谷橋 9時15分 所要55分 (標準コースタイム80分)

本谷橋 〜 涸沢カール 2.4km

本谷橋の袂で15分ほど休憩し、チョコ・ビスケットやナッツ類で栄養補給。ここの左岸側河原は、かつてはもう少し休憩場所に適していたそうだが、横尾尾根側からの崩落でガレ場になってしまっている。

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本谷橋付近の河原で休憩

本谷橋を9時30分出発。ここからが、「本来の」登山道となり急な坂道が続く。

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岩石で作られた登り坂が続く

およそ15分ほど登り坂が続き、いい加減にしてくれと思った頃やっとなだらかな坂道に変わり、小規模な崩落を横断する箇所に出る。

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小規模な崩落箇所を横断。一部分、道が補強されている

崩落箇所に立って眺めると、谷の対岸にある横尾尾根が綺麗だ。下を見ると、谷底まで50mくらい崩れ落ちた斜面になっている。

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崩落箇所の谷底を眺める

小崩落箇所より数分で屏風岩を完全に回りこむ角に出る。谷の対岸には、横尾本谷左俣が見える。このカールの奥が北穂高岳と南岳の間の大キレット。

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横尾本谷左俣

小崩落箇所から10分ほどで、2016年6月18日に大規模崩落を起こした場所に出る。道はこの崩落箇所を横断している。

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大規模崩落箇所

向こうから下山者が2名やって来たので、やり過ごすために少し待ってから横断開始。動かない岩や、通行可能な経路は「赤丸」がペイントされているので、浮石に乗らないよう注意して横断してゆく。 崖の上を眺めるとこんな絶景が…

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大崩落部分の上を見上げる

崩落箇所を通りすぎて振り返ると、横尾本谷右俣がみはらせる絶景

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大崩落箇所から、横尾本谷右俣を見る

【登山道一時通行止め】北ア、横尾ー涸沢間で 屏風岩が崩落
2016年6月18日午後、北アルプス、横尾と涸沢を結ぶ登山道に屏風岩の斜面が崩落した。
涸沢ヒュッテ従業員の話では、時刻は午後6時45分頃で、飛行機が落ちたような音がしたという。崩落地点は本谷橋と涸沢ヒュッテの中間地点で、19日午前5時頃に涸沢ヒュッテと涸沢小屋の従業員が現場を確認したところ屏風岩西側で幅およそ100メートル、長さおよそ200メートルにわたって崩落していた。

一時通行止めとしたが、涸沢ヒュッテ、涸沢小屋従業員らが19日午前9時半頃には登山できるように整備した。

今後も崩落の恐れがあるとして、横尾山荘、上高地インフォメーションセンターでも看板や張り紙を掲出し注意を促している。

http://www.tozanarekore.net/article/439218307.html

だらだらと坂道を登って行くと、大崩落箇所から10分弱で涸沢カールが眼前に現れる。が、ここからまだ結構距離があるので安心するのはまだ早い。ここから直線距離でも約1.0km、標高差250mほどはある。

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涸沢カールが姿をあらわす

しばらくすると、涸沢ヒュッテとテント場が見えてくる。

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奥穂高岳を背景に、涸沢ヒュッテとテント場

写真左側は吊尾根、吊尾根の向こう側は岳沢・上高地。中央の山塊が奥穂高岳(3,190m)。

しばらくすると道は谷底に合流して、Sガレと呼ばれる岩場になる。ここで小休憩。

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Sガレ

(本谷橋 9時30分 - Sガレ 10時30分 所要60分)

Sガレを出てからは、低木のナナカマドとなり直射日光を浴びながらの歩きとなる。だらだらと、岩石で作られた道を登り続ける

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ナナカマドの林を登る

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涸沢ヒュッテと涸沢小屋の分岐地点

涸沢ヒュッテと涸沢小屋の分岐地点に出る。この写真のナナカマドの群生の向こう側がヒュッテ。ここから5分ほど、更に坂道を登り続けると…

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涸沢ヒュッテに到着

本谷橋 9時30分 - 涸沢ヒュッテ 10時55分 所要1時間25分 (標準コースタイム2時間)

上高地から涸沢までの所要時間

区間距離標準コースタイム実際の所要時間
上高地 - 明神3.0km50分30分
明神 - 徳沢3.4km60分40分
(休憩)15分
徳沢 - 横尾3.9km70分45分
(休憩)15分
横尾 - 本谷橋2.8km80分55分
(休憩)15分
本谷橋 - 涸沢2.4km120分85分
合計15.5km6時間20分5時間