奈良の斑鳩にある聖徳太子ゆかりの寺院巡り。
『奈良 斑鳩 : その1 法隆寺』の続き
法隆寺の東院伽藍を出て、まっすぐ北へ。住宅街を抜けると溜池が点在する田園地帯となる。600mほど歩いたところに、田園の中にポツリと雑木林が取り残された『中宮寺宮墓』の丘がある。
伏見宮貞敦親王王女・尊智女王(1602年没)、伏見宮邦房親王王女・尊覚女王(1694年没)、後西天皇皇女・高栄女王(1722年没)、有栖川宮職仁親王王女・栄恕女王(1776年没)、有栖川宮織仁親王王女・栄暉女王(1845年没)、伏見宮貞敬親王王女・成淳女王(1865年没) が埋葬されているという。
中宮寺宮墓の丘の横を通り越して200mほどで法輪寺に到着。広大な駐車場にはたくさんの自動車が駐車しているが、法輪寺に来ているお客さんは皆無。ここに車を停めて、一体どこに観光に行っているのだろうか…。 自転車道の通過地点でもあるらしく、付近ではチラホラとチャリダーも見かける。
法輪寺
法輪寺、またの名を『三井寺(みいでら)』。聖徳太子ゆかりと言われている3つの井戸があったことから、この名が付けられたそうだ。飛鳥時代に太子の子 山背大兄王が建立したとされ、法隆寺の西院伽藍ほどの大きさの寺院だったようだが、江戸時代頃までには寂れてしまい、現在の小さいお寺になってしまったとか。
入場料は500円です。みどころは、講堂に展示されている重要文化物で飛鳥時代に作られた薬師如来坐像や虚空蔵菩薩立像など。
三重塔は1975年に再建されたもの。講堂は1960年に建てられたもので、建物には文化遺産的な価値はない。だから、斑鳩の世界遺産の中には含まれていない。
法起寺
JR法隆寺駅の観光案内所で聞いたところによれば、法輪寺からJR法隆寺駅・JR大和小泉駅のどちらへの徒歩で50分とのこと。今回の小旅行のちょうど中間点。
法輪寺からまっすぐ東へ、約700m。田畑の中に三重塔が建っているのが遠くからでも見える。『聖徳太子建立七大寺』のひとつだが、ここも観光客の姿は皆無。
法起寺(ほうきじ) 南大門
農道に面した立派なこの門は閉鎖されていて、境内には西門から入る。入場料300円。
706年に建てられた日本最古の三重塔で、国宝に指定されている。高さは約24m。
かつて金堂が建っていた跡地に、1863年に新たに造られたそうだ。
講堂は1694年に再建されたものだそうだ。扉が閉じられており、中を伺うことは出来ない。重要文化財の金色に輝く十一面観音立像は、隣の収蔵庫で展示されていて、ガラス面の反射でよく見えないが、何体かの仏像が横に並んでいる。
大和郡山市内へ
法起寺を出て、農道を更に東へ。振り返ると、法起寺の三重塔が綺麗に見える。
しばらく歩くと芦川という細い川を渡り、大和郡山市に入る。一応、一級河川だそうだ。市議会議員のポスター掲示板があり、ポスターの「枠の数」が斑鳩町よりはるかに多くなり、20枠位ある。ここから、大和小泉駅までの間はずっと住宅街が続く。
室町時代に建てられ、戦国時代にかけて使われた「小泉城(小泉陣屋)」の跡地に造られている神社。
JR大和小泉駅までの道中、ところどころに「身代わり
13時少し前、JR大和小泉駅に到着。昼食を食べられる場所を探すが、駅前のコンビニ以外に選択肢がなさそう…。観光地じゃないから仕方ないか。それに、大阪まで戻って食べたほうが選択肢も多くて良さそうですしね。