ロシアのカムチャッカ半島でM8.7の大地震が発生し、日本でも津波警報・注意報が発令された。さて、大阪の防災体制はどうだったのか検証する。
ロシアでは大津波
チャンネル1(国営放送)の朝9時のニュースでは、カムチャッカ半島の漁村を大津波が襲う映像が繰り返し伝えられている。
現地レポーターのお姉さんは、日本の東日本大震災の津波にも言及していた。確かに、街をおそう津波の映像は東日本大震災を思い出させる。
ロシア TV1: 7月30日 9:00 (地震に関する特別)ニュース
новостей в 9:00 сегодня, 30 июля 2025 года
カムチャッカで過去70年で最大級の地震
Сильнейшее за последние 70 лет землетрясение произошло на Камчатке
日本の気象庁は津波警報・注意報を出し、予報された津波は検出された
大阪港では、12時から通常とは違うパターンの潮位変動が観測され始めて、2時間後くらいからは高さ30cmから40cmくらいの津波が検出されている。
ちなみに、震源に近い北海道の十勝のデータでは...
十勝では、10時より高さ60cmくらいが検出されている。大阪の倍くらいの高さだ。
大阪では防潮水門は閉鎖されなかった
東日本大震災では気象庁の津波予想の数倍の高さの津波が実際に襲来したので、(大阪での)予想が1mであってもその数倍のものが来るかもしれないと警戒するのは当然のことだが...
大阪府庁や大阪市役所の公式Webページには、定型文のような素っ気ない津波情報が掲載されているだけで、防災対策など全くやる気がないようだ。
そもそも、安治川水門を管轄する大阪府西大阪治水事務所のWebページでは、津波注意報が出ていることも水門の閉鎖状況も掲載すらされていない。
注意報が出ているのに、なぜ閉鎖しなくてよいのかの説明くらいは必要だろう。
結局、津波注意報などガン無視なのだ。 万博を始めとする、経済を回すというバカの一つ覚えのような目標以外は見えていないと思われる。
大阪万博会場では、津波到達予想時刻より2時間以上経ってから場内放送
テレビのワイドショーでゲストの専門家やコメンテーターが、万博協会や役所の対応を批判しまくって盛り上がっている。
博覧会協会のWebページに掲載されている津波情報は「安全です」一辺倒
万博の開幕直後、大阪メトロ中央線が「ほんの短時間」運休しただけで、万博会場から帰る人たちが駅の入口に滞留してひどい状況になった「経験」は全く生かされていないようだ。
博覧会協会や大阪府・大阪市の役人の目は節穴のようで、大阪メトロの路線がハザードマップの浸水予想区域を通っているのは考慮対象外のようだ。
大阪市の津波ハザードマップに、メトロ中央線の路線を描いてみた
メトロ中央線は大阪港駅付近・阿波座駅付近でトンネルから地上に出る「ウィークポイント」がある。その2地点はハザードマップでオレンジ着色されている。
その周辺の街が仮に水没した場合でも、メトロ中央線は平然と運行を続けるのだろうか。まともな鉄道会社なら運休である。そうすると、万博会場の客は帰宅困難者となる。
猛暑の万博会場に、津波注意報が解除されるまで放置される何万人もの観光客の安全をどう考えているのだろうか。
万博会場は8mに嵩上げされているので、十分な安全率があるのは理解できる。しかし、災害時に交通機関がボトルネックになることに対して、メトロ中央線のハザードマップ危険エリア通過をどう考えているのか、併せて発表すべきだろう。