六甲山地の森林植物園へ。平地ではソメイヨシノは散ってしまい、ヒラドツツジやキリシマツツジのツボミが膨らんで咲き始めているが、六甲山地ではどうなっているのか見に行ってきた。
区間 | 時刻 | 所要時間 |
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三宮駅 〜 新神戸駅 | 06:50 〜 07:07 | 17分 |
新神戸駅 〜 市ケ原 | 07:07 〜 07:49 | 42分 |
市ケ原 〜 修法ヶ原池 | 07:49 〜 08:24 | 35分 |
修法ヶ原池 〜 森林植物園(西口) | 08:24 〜 08:53 | 29分 |
森林植物園(西口)〜 森林植物園(さくら園) | 09:02 〜 09:35 | 33分 |
休憩 | 16分 | |
森林植物園(さくら園)〜 森林植物園(正門) | 09:51 〜 10:13 | 22分 |
森林植物園(正門)〜 谷上駅 | 10:13 〜 10:47 | 34分 |
■ 阪神本線 大阪梅田駅 06:12発 → 神戸三宮駅 06:44着 (運賃 330円)
姫路行の特急列車は、早朝にも関わらず尼崎駅から先は立ち席が出るくらいの混雑度だった。
インバウンド公害の子連れ中国人が、ふてぶてしくも荷物を座席に置いて居座っていたのが印象的だった。
新神戸駅の北側、生田川を渡る砂子橋(いさごばし)が登山口 (標高約50m)
この橋は、1897年(明治30年)頃に架けられた水管橋。煉瓦アーチ橋の中に水道管が埋め込まれているのだろう。神戸市水道局のWebページによれば、現在でも導水管として使われているそうだ。
砂子橋から2分ほど緩やかに登っていくと、布引の滝(雌滝)がある。
実際の「滝」は写真奥の細いほうで、手前の幅広の滝は水道局の雌滝取水堰堤を越流する水だ。
布引三十六歌碑のうち、紀貫之の歌碑
松の音琴に調ふる山風は
滝の糸をやすけて弾くらむ
新神戸駅の高架下から11分、標高約120mの地点にある雄滝に到着。早朝だからか、今日が平日だからか、ここまで観光客を全く見かけない。山の上から降りてきたと思われる登山者2名とすれ違っただけだ。
展望台のベンチで高齢者が道具の後片付けをしている。東屋の横にある待合室(倉庫?)に荷物を運んでいて、待合室の扉には「神戸ヒヨコ登山会」と書かれている。
「ヒヨコ」といえば、元町から大龍寺に向かう大師道の登山口の地名。「ヒヨコ地蔵尊」や「ヒヨコ橋」がある。布引にもヒヨコがある理由を、待合室から出てきた人に聞いてみると...
六甲山の須磨から東灘まで、いくつかの登山口にある登山会はすべて「ヒヨコ登山会」だそうだ。公式Webページがあるので帰ったら見てほしいとのこと。
神戸ヒヨコ登山会
神戸ヒヨコ登山会は1922年(大正11年10月5日)に創立。
「毎日登山」を日々のトレーニングと考え、七支部(西から順に旗振・高取・再度・布引・一王山・保久良・唐櫃)があり、活動を行っています。
http://koube-hiyoko.net/
登山会の7支部の情報が簡単に掲載されている。支部のあるところが「いわゆる主要登山道」だと思われるが、私が通ったことないのは裏六甲の唐櫃(神戸電鉄 有馬口)と一王山(阪急六甲)。一王山とは神戸大学教養部(いまは教養教育院というらしい)のグランド横にある丘のことなので、30年前に私が通った母校に隣接していたのだ。教養部の2年間、毎日歩いて通いましたね...。
布引貯水池に向かってコンクリート舗装された生田川沿いの登山道を歩く。5分ほどで布引五本松堰堤(布引ダム)の直下までやって来た。
きょうは五本松かくれ滝が勢い良く流れている。3月になって例年より多めの降水量があったため、貯水池が満水になっているのだろう。
布引五本松堰堤の洪水吐からの水が流れ落ちる「五本松かくれ滝」
布引五本松堰堤(標高約200m)
この堰堤は日本で初めての重力式コンクリートダムで、1900年に竣工した神戸市の水道施設だ。堤高33.3m, 堤頂長110.3mの堤体は石積みのようにも見えるが、これはコンクリートの表面に貼られた化粧石。
洪水吐の上を横切る管理橋を渡り、生田川の左岸へ。歩廊面の下、約3mのところに洪水吐(越流堤)の天端があり、チョロチョロと水が流れ落ちている。この水が五本松かくれ滝の水源だ。
布引貯水池の左岸側に沿って作られた管理道(葺合山林方面52号線)を歩く
管理道はダム天端と同じ高さなので、標高213.5mのはずだ。しばらく行くと、湖畔に小さな稲荷神社がある。
堰堤から貯水池沿いに800mほど歩くと、道路(市道 布引大竜寺線)に合流する。合流地点に紅葉の茶屋があり、周囲を法面改修工事のバリケードで囲まれている。
新神戸駅から2.5km、約40分で市ケ原の分岐点に到着。ここで生田川の河原に降りて、対岸に渡る。
生田川を渡り、市道 布引大竜寺線と名付けられているのに、単なる山道を少しだけ進むと舗装された林道に出る。
この林道は秋になるとカエデの紅葉で美しいのだが、いまは若葉に小さな花が咲いている。
"再度公園方向と、二十渉 あじさい広場方向(右折)の分岐点。蛇ヶ谷の謂れが書かれた立札がある(標高約350m)
あじさい広場付近の山道が崩落し、生田川沿いの二十渉(トゥエンティクロス)登山道を迂回するための道が、この分岐点を右折する道だ。
再度公園方向に直進すると、すぐに再度山ドライブウェイの下をくぐり抜けるトンネルがあり、その向こうが再度公園となっている。
池の畔にはドウダンツツジも植えられているが、こちらは全く咲いてない。
再度公園の修法ヶ原池から、仙人谷に沿ってまっすぐ北上し、洞川湖の東岸を回り込んで学習の森を目指す。
予定していたとおり、開園時間の9時少し前に森林植物園 西門に到着。
ゲートの所に設置されているインターホンで正門を呼び出し、年間フリーパス「四季トリコロールカード」を購入したい旨を伝えると、正門から出るときに購入すればよいとのこと。西門の電子ロックを解錠する暗証番号を教えてくれた。
森林植物園の西門。硬貨投入式の自動改札と、暗証番号式電子ロックの扉がある
西門から長谷池に向かって歩く。園路沿いにはコバノミツバツツジが群生して、赤紫の花を咲かせている。
青葉トンネルをくぐり抜けると、ヤマザクラやミツマタ、コブシなどが咲いている。
長谷池の畔まで降りてきて、一段低い谷間にあるカモシカ園へ。ぱっと見たところ1頭も斜面に出ていないように見えたが、小屋近くの平地にのんびりと座っている1頭がいる。
地面の色と似たこげ茶色の体で、完全に保護色になっている。
秋は紅葉の名所になる長谷池の周囲、この時期は特に見どころがあるわけではないようだ。中央の島へ渡る橋の袂に、ほぼ花を散らしてしまったソメイヨシノと、満開のコバノミツバツツジの木が1本あるだけだった。
長谷池に渡る橋。散りかけのソメイヨシノと満開のコバノミツバツツジ
長谷池の北端付近にラクウショウの巨木が何本かあり、その脇に気根がたくさん生えている。
気根の間に説明板が挿してあり、「ミソハギ」と書かれている。なんじゃこりゃ...
開園時刻と同時に、長谷池の北側で大規模に除草作業をしていたので、ここで昼食を食べるのを諦めて、さくら園の方へ向かう。
左側の白っぽい桜はオオシマザクラ。中央のはソメイヨシノ。右奥の背の高い桜はおそらくヤマザクラ。
芝生広場の坂道を緩やかにのぼり、イヌブナの大きな木があるところを右折すると、斜面に何種類かの桜が植えられている。
トイレのある東屋が面する園路を横切ると、さくら園となる。白いオオシマザクラやピンク色の枝垂れ桜が満開だ。
ここまで、維持管理業者を除いて他の入場者を全く見かけない。さくら園のベンチに座り、静寂な中、いつもと同じ自作の昼食を食べる。
16分ほど昼食休憩を取ったあと、しゃくなげ園へ。入口付近をざっと見回したところ、咲いているのは一輪も見られない。
しゃくなげ園を見てから正門へ。こちら側から見たさくら園も満開の桜できれいだ。
大阪市内では3月中旬が満開だったモクレンが、ここ六甲山地では今が満開。
森林植物園前から谷上駅までは約3.8km。ひたすら緩やかな道を下っていくだけだ。
300mほど歩くと、山地を切り開いて作った桜森町の住宅街がある。ここから三宮まで直通バスが出ているので、楽したい誘惑に負けないように進む。
丸山堰堤の横を過ぎ、林の入口から1.3kmほど進むと、いきなり視界が広がって眼の前に巨大な高架橋が現れる
谷上駅のコンコースには、壁全面を使ったマスコットキャラクターの絵
■ 神戸市営地下鉄 谷上駅 10:57発 → 三宮駅 11:07着 (運賃 280円)
■ 阪神本線 神戸三宮駅 → 大阪梅田駅 (運賃 330円)