半年ぶりの愛宕山への登山。今回は、表参道で登り農林道で降りる。
ヤマレコの記事『松尾大社・天龍寺と、愛宕山(清滝・表参道〜農林道・水尾)』
KITTE大阪とJR大阪駅サウスゲートビルを結ぶ歩道橋からの眺め
■ 阪急京都線 梅田駅 06:38着 → 桂 → 松尾大社駅 07:19着 (運賃 410円)
6時48分の梅田発の列車に乗るため、自宅から駅まで徒歩30分を予定して6時10分に出発したら、意外に駅に早く付いたので1本前の列車に乗れてしまった。
梅田を出発した時点では、座席の7割くらいが埋まった程度で空いていた列車も、十三駅を過ぎる頃には少しだけ立ち席の乗客も見られるようになる。
桂で3分の乗り継ぎ時間があり、きょうは嵐山の1駅前、松尾大社駅で下車した。
松尾大社 〜 嵐山
駅の改札を出ると、府道29号を挟んだすぐ目の前に大鳥居(一の鳥居)がある。
大鳥居をくぐって少し行くと、赤鳥居がある。
赤鳥居のすぐ奥に楼門が見えている。楼門は江戸時代初期に建てられたもので、左右に随神(主神に随行し、警護する神)の像が納められている。
「相生の松」とは、「雌株・雄株(黒松・赤松)の2本の松が寄り添って生え、1つ根から立ち上がるように見えるもの」(Wikipedia)とされ、「縁結び」の象徴とされているそうだ。
ここは中世より「酒の神」として知られていたが、創建のときの役割は都の西を守る「西の王城鎮護社」だ。(東の鎮護社は八坂神社。2つの神社は四条通の東西端にあり向かい合っている)
松尾大社境内の一ノ井川と、まるで咲いているようにも見える黄色く紅葉したヤマブキ
1歳から4歳にかけて、このあたりに住んでいた。(と、親から聞いている)
その住んでいたと思われるアパートは、2020年ごろに解体撤去され、いまは戸建住宅となっている。Googleストリートビューの過去データで解体前の建物が見れるので、自分の昔の写真に写り込んでいる建物と同一のものが、この時点まで残っていたことになる。(2階建てアパートが築50年も寿命があったことが驚きだ)
四国・高野山・伊勢・奥州など全国を巡った西行が、出家後すぐに庵を結んだのが平安京周辺だったそうだ。そのうちの一つが、おそらくここなのだろう。
昼間はインバウンド公害でごった返す嵐電 嵐山駅前のメインストリートは、平日の早朝は人がほとんど居らずスッキリとしている。
石柱の横に「紅葉 色づき始め」の看板が立っている。
放生池の周囲のモミジは、確かに「色づき始め」だ。
天龍寺 庫裏(方丈や書院の入場口である庫裏の扉は、まだ開いていない)
天皇陵の立て札があるが、その手前の門に立入禁止のフェンスがあり、そこから撮影してみたのがこの写真。
■ 京都バス 嵐山天龍寺前バス停 08:06発 → 清滝バス停 08:18着(運賃 230円)
天龍寺前のバス停から3分遅れでやって来たバスに乗車。車内は満席となり、半数は化野念仏寺で下車するインバウンド、残りが終点の清滝まで乗り通す高齢者ハイカー達だ。
清滝バス停 〜 金鈴橋・二の鳥居
バス停から清滝の谷底に続く坂道を降り、金鈴橋のたもとにある公衆トイレへ。ここで用を足しておかないと、愛宕山の山頂までトイレはない。
清滝の愛宕神社 二の鳥居(表参道の登山口)(標高 約90m)
表参道には2種類の「丁目」がある
- 伝統的な丁石で、鳥居本の一の鳥居を起点とし、愛宕神社までを50丁としたもの
- 消防団が設置した、清滝の二の鳥居を起点とし、愛宕神社社務所までを40丁としたもの
二の鳥居は丁石で13丁目、消防団の1/40丁目。
GPSログ
区間 | 時刻 | 所要時間 |
---|---|---|
清滝バス停 〜 二の鳥居(0.5km) | 08:18 〜 08:25 | 7分 |
二の鳥居 〜 五合目(1.8km) | 08:25 〜 09:06 | 41分 |
五合目 〜 水尾分れ(1.1km) | 09:06 〜 09:26 | 20分 |
水尾分れ 〜 愛宕神社(愛宕山)(1.5km) | 09:26 〜 09:57 | 31分 |
愛宕神社(愛宕山)〜 社務所前(0.2km) | 09:57 〜 10:07 | 10分 |
休憩 | ||
愛宕神社 社務所前 〜 水尾(2.7km) | 10:19 〜 11:07 | 48分 |
水尾 〜 JR保津峡駅(3.8km) | 11:07 〜 11:35 | 28分 |
二の鳥居 〜 五合目
登山口近くには「往復5時間」「日没前までに下山する行程を」との警告看板がいくつかある。
これまで、表参道で登ったときの所要時間と山と高原地図の標準コースタイムは
登山日 | 登り 所要時間 |
---|---|
2016年05月01日 | 1時間56分 |
2017年01月02日 | 2時間01分 |
2018年01月07日 | 2時間05分 |
2019年10月09日 | 1時間33分 |
2022年10月14日 | 1時間41分 |
2023年05月17日 | 1時間33分 |
2024年11月08日(今回) | 1時間32分 |
標準コースタイム | 2時間40分 |
登山口を出発すると、標高差50mほどの急登階段を経て火燧権現跡付近の尾根に取り付く。
嵯峨小学校 清滝分教場跡付近の急登階段 (標高約170m付近)
尾根筋に出ても、しばらくは階段道が続く。
茶屋跡地の「丁目」は、すべて旧来の鳥居本起点の数え方のものだ。
「消防団」の12/40丁目標識のすぐ先に25丁目茶屋跡の休息所が見える(標高約380m)
25丁目の丁石(「消防団」の12/40丁目標識と同一場所にある)
茶屋跡の説明看板によれば「明治はじめには19軒(の茶屋が)あった」とされ、いまは石垣が残る程度だという。
5合目休憩所を過ぎると、すぐに大杉大神(標高点549m地点)となる。2017年の台風21号で「大杉」は倒れ、西隣にあった小さな祠は押しつぶされてしまった。
五合目 〜 水尾分れ
5合目のすぐ先で、登山道の横が崩落し見晴らしが良くなっている(標高約550m)
5合目付近からの眺め。渡月橋と松尾橋の間で蛇行する桂川がキラキラ光っている
5合目を過ぎると、なだらかな山道になる。
東屋の入口に温度計があり、6℃を指している。
愛宕神社のX投稿。6時30分の山頂(標高900m)での気温が1℃
気象庁のアメダス気温を参考に、山頂に到着したときの気温を推測してみると、5℃と計算される。
さすが、「この秋一番の寒さ」だけはある。
気象台(40m) | 水尾分れ(650m) | 愛宕山 山頂(900m) | |
---|---|---|---|
06:30 | 8.0℃ | 1.0℃ | |
09:30 | 10.0℃ | 6.0℃ | 3.0℃ |
10:00 | 12.0℃ | 5.0℃ |
水尾分れ 〜 愛宕神社(愛宕山)
表参道で唯一、亀岡市街地が見下ろせる場所を通過する。目立つ位置に見えている競技場は、亀岡駅に隣接するJリーグ京都サンガのスタジアム。
参拝後、社務所前の広場まで戻り昼食。
ふと社務所側の壁際を見ると、江戸時代初期の剣豪(片山久安)を称える石碑(社標)がある。
寒さでかじかんだ指先は、ほぼ曲げることが出来ず、ぎこちなく昼食を食す。
自作の昼食(チーズ乗せトースト2枚、焼きちくわ3本、焼きインゲン)
これ以上、5℃くらいの山頂に居ると凍えてしまうので、急いで農林道を下る。
愛宕神社 社務所前 〜 水尾
愛宕山 農林道を一気に下る(激下りの始まり付近。標高約800m)
寒さで手はかじかみ、足の動きもぎこちなく、激下りのトラバース道を踏み外さないよう注意しながら歩く。
社務所前から10分ほどで、標高約700mの第3ベンチまで降りてきた。ここまで来ると少し気温が上がり、手足の冷えも収まってくる。
ことしの10月に設置されたばかりの、真新しい「熊鐘」がある。炊飯器のアルミ釜を緑色に塗っただけのものだが、いい音が響く。
京都府のクマ出没情報マップでは、愛宕山を囲む地域でもこの1〜2ヶ月で幾度と無くクマが目撃されている。
・2024/09/08:亀岡市篠町山本
・2024/10/13:右京区清滝
・2024/10/14:南丹市八木町神吉
・2024/10/28:右京区嵯峨樒原稲荷元町
愛宕山でも「クマ鈴」が必須アイテムになったようだ。怖いねぇ...
第2ベンチの横には、熊ベルがある。仏壇のおりんのような「チーン」とよく響く。ここも何度も鳴らして熊が出てこないよう祈る。
このあたりから、かなりなだらかな下りとなり、空気も暖かさを感じるようになる。山頂で5℃の寒さを経験した後の体には嬉しい気温だ。
愛宕神社社務所前からこの合流地点まで、農林道を35分ほどかけて下ってきた。
さらに数分歩くと、水尾浄水場の横にある登山口に出る。浄水場といっても、中規模の工場が持っているような井戸水のろ過装置だけのかんたんなもの。
京都市のWebページでは、水尾小学校は2002年4月に休校とされている。
水尾 〜 JR保津峡駅
水尾集落の中心、府道50号に登山道からの道が合流する地点に標識があり、JR保津峡駅まで3.4kmと表記されている。
列車の出発時刻が11時42分なので、3.4kmを35分で(小走りに)歩けばよいことになる。
作業員の横で現場監督をしていたJR職員の方に聞くと、嵯峨美術大学とのタイアップで実現した「芸術的」なサインボードが完成して、今日がお披露目日だとのこと。
嵯峨美術大学・嵯峨美術短期大学と西日本旅客鉄道株式会社京滋支社は包括的連携協定を締結
協定に基づく主な取り組み
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000926.000095753.html
(1) JR保津峡駅のキャッチコピー・キャラクターの学内公募
(2) JR嵯峨野線の駅装飾デザイン等による美化や環境の改善
『秘境、保津峡駅、いつ行こう』というキャッチコピーと、新デザイン駅名標の左下に描いてあるキャラクターが、今日から使われるようだ。
駅のプラットホームから激流の渓谷が見ることができる場所が、京都市街地からたったの1駅(240円)なのだから、お手軽な秘境体験だと思う。
■ JR嵯峨野線 保津峡駅 11:42発 → 二条駅 11:57着 (運賃240円)
二条駅から大宮駅まで、1kmほど歩く。
■ 阪急京都線 大宮駅 12:18発 → 桂 → 大阪梅田駅 13:02着 (運賃410円)