27 April 2023

和泉葛城山から犬鳴温泉

和泉葛城山から紀和山地を縦走し、犬鳴温泉まで歩いた。

ヤマレコの記事 『 和泉葛城山から犬鳴温泉まで

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区間 時刻 所要時間
蕎原バス停 - 春日橋 09:07 - 09:27 20分
春日橋 - 和泉葛城山 09:27 - 10:23 56分
和泉葛城山 - 葛城山展望台 10:23 - 10:31 8分
葛城山展望台 - ハイランドパーク粉河 10:46 - 11:16 30分
ハイランドパーク粉河 - 犬鳴トンネル 11:16 - 11:50 34分
犬鳴トンネル - 七宝瀧寺 11:50 - 12:00 10分
七宝瀧寺 - 犬鳴山バス停 12:00 - 12:27分 27分

■ 大阪メトロ 阿波座駅 07:17発 → なんば駅 07:22着 (運賃 190円)
■ 南海本線 難波駅 07:44発 → 岸和田駅 → 貝塚駅 08:16着 (運賃 570円)
■ 水間鉄道 08:25発 → 水間観音駅 08:40着 (運賃 300円)

南海電車は停車駅の少ない特急だが、通勤・通学客で満員。10年以上前、この時間帯の特急で通勤していたことがあるが、その時はどこでも座り放題のスカスカ状態だった。まいにち、座席でのんびり化粧していた女性もいたくらいだ。

水間鉄道は通勤・通学時間帯でも増発が一切無いようなので、極端に混雑していた。終点の水間観音駅で降りる、リハビリ医療技術者の専門学校の学生の割合がかなり高かった。

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水間観音駅(もと東急の7000系電車)

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水間観音駅

登山口へ向かうコミュニティバスの出発時間まで5分ほど余裕があったので、500mほど離れた水間寺を見に行ってみる。

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水間寺 (本堂と三重塔)

水間寺のすぐ前にコミュニティバスの停留所があるので、ここからバスに乗る。

■ 貝塚市コミュニティバス 黄色系統 水間観音前 08:53 → 蕎原 09:07着 (運賃 220円)

バスは山間部の狭い道を走り、標高差150mほど稼いでくれる。終点・折り返し地点の蕎原(そぶら)バス停で下車。地元の人2名と、私の3名がここまで乗ってきていた。

今日は平日なので、他の登山者は全く見かけない。

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蕎原(そぶら)バス停

蕎原(そぶら)バス停 〜 春日橋 : 1.8km 20分

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蕎原(そぶら)の集落から葛城山方向に続く東手川の谷。この谷を春日橋まで詰めていく。

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蕎原の畑の脇に植えられていたオオデマリ

バス停から4分ほど歩くと、登山道のAコース(今日通る予定のコース)とBコース(2年前に通ったコース)の分岐点。

今回はAコースの予定なので、このまま道路を直進する。

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葛城山登山道Aコース・Bコースの分岐点

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春日橋に向かう道は杉の植林に囲まれた緩やかな坂道

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山間部の道沿いは、行楽キャンプ場が並んでいる

最近は、車で来てテントを張って寝るという趣味の人がいるらしい。

バス停から、ゆるゆるとした坂道を1.8km・標高差100mほど登ってきて、春日橋に到着。橋の少し手前には、きれいな公衆トイレもあった。(行楽キャンプ場の施設なのかもしれない)

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春日橋。ここで東手川と本谷・宿ノ谷が合流している

春日橋を渡ると、林道の路肩に2張りのテント。登山者視点で言えば路肩に幕営なんてビバーク以外に考えられない。しかし、にわかキャンパー相手のここではキッチリ利用料金取るのかな...

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春日橋から(車は通行止めの)林道に入る。 軽ワゴンの向こうの林道に車止めが見えている

春日橋 〜 和泉葛城山 山頂 : 3.1km 56分

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大きくつづら折りになった林道 (標高370m付近)

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林道は宿ノ谷の渓流沿いにどんどん標高を上げていく (標高430m付近)

標高500m付近、林道の通っている谷底から青空が見える、杉の植林が完全に刈り払われた場所に出る。

渓流には真新しい砂防堰堤。銘板には「令和2年度 1号治山ダム工」と書かれている。渓流の対岸は「令和3・4年度 予防治山事業」と書かれた看板がある土留工。

この数年間、登山道Aコースが断続的に通行止めになっていたのは、この治山工事のためだったのだろう。

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砂防堰堤、治山工が新たに造られた現場に差し掛かる

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林道はどんどん細くなり、とうとう未舗装になる (標高600m付近)

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林道横の渓流に、大きな滝 (標高600m付近)

林道横の渓流は、いつのまにか小さな側溝程度の流れになり、標高630m付近で葛城山に向かう登山道が分岐する。

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林道から登山道に分岐する地点 (標高630m付近)

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登山道は丸太の階段などで完全に整備されている

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和泉葛城山の山頂付近はブナ林が少しだけ残っている(天然記念物)

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天然記念物のブナ林の中を登る

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和泉葛城山直下の鳥居前で、登山道AコースとBコースが合流する (標高約820m)

石段を登り詰めると、高龗神社(たかおかみじんじゃ。またの名を石宝殿)の小さな祠がある。ここが、標高858mの和泉葛城山の山頂。

2年前の5月に、登山道Bコースを通ってきたときは1時間22分掛かった。Aコースの今回は1時間15分。尾根道のBコース、谷道のAコース、どちらもほぼ同じ所要時間となった。

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和泉葛城山の山頂にある高龗神社(たかおかみじんじゃ。またの名を石宝殿)

高龗神社と背中を合わせるようにして、八大竜王社の祠が、和歌山県側を向いて建てられている。

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和泉葛城山の山頂にある八大竜王社

和泉葛城山 山頂 〜 和泉葛城山 展望台 : 0.3km 7分

和歌山県側へ石段を降りると、こぢんまりした駐車場と売店跡。落書きだらけだ。

駐車場には2台ほどの車と、1台のロードバイクが停まっている。

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和泉葛城山の山頂にある売店跡

2年前に来たときには、水洗方式の公衆トイレを使った記憶があるが、いまは破壊されて閉鎖されている。

落書きの多さといい、民度の低い場所だ。 こういうところは、夜間通行止めと、顔認証AI監視カメラを無数に設置すべき場所だろう。

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和泉葛城山の山頂にある閉鎖された公衆トイレ

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紀泉高原スカイラインを300mほど歩いて展望台へ

展望台も落書きだらけだが、売店の建物ほどはひどくはない。道から少し外れた場所なのが幸いだったのか。

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和泉葛城山 展望台

展望台の上から見る景色は遠くが霞んでいる。昨日の雨で湿度が高いからなのだろう。

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和泉葛城山展望台から見た泉佐野・関西空港方向の眺め

大阪市方向は、かろうじて堺市あたりまでしか見えていない。もし空気が澄んでいれば六甲山地まで見えるはずだ。

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和泉葛城山展望台から見た堺・大阪市方向の眺め

これから向かう犬鳴山方向には、経路上のハイランドパーク粉河展望台が小さく見えている。

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和泉葛城山展望台から見た和泉山脈・犬鳴山方向の眺め

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和泉葛城山展望台から見た紀の川市方向の眺め

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昼食(Pasco 焼きカレーパン)

和泉葛城山 展望台 〜 ハイランドパーク粉河 : 3.2km 30分

展望台で15分ほど休憩して出発。ここから3kmほど、稜線上に造られた紀泉高原スカイラインの舗装道路を歩く。

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紀泉高原スカイラインを3kmほど歩く。すれ違った車は3台、ロードバイクが2台だけ。

日当たりの良い路肩には、いろいろな花が咲いている

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タチツボスミレ

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コリダリス (ケシ科の植物)

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バライチゴ

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オオイヌノフグリ

キャンプ場の駐車場を通り過ぎ、ハイランドパーク粉河の敷地内と思われる領域に入る。

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ハイランドパーク粉河に近づくと、紀泉高原スカイラインの路肩にはツツジが植えられている

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ハイランドパーク粉河の管理棟

自販機のある休憩所や、2階には食堂もある市営の施設。紀の川市の予算書には、農林業費・林業施設費・ハイランドパーク粉河運営委託料 309万6000円が計上されている。

Google検索していると、数年前までは指定管理者に任せていたはずだが、令和4年に条例改正して市営施設(管理委託)に変えているようだ。 採算が全く取れず、指定管理者が撤退したんでしょうね。

ちなみにこの施設は観光施設(商工費)や文教施設(教育費)ではなく、林業の普及啓発施設(農林業費)なんですよね。キャンプする人や、レジャーを楽しむ人は「森林に関する知識の普及及び自然保護思想の高揚」(条例より)効果は体感したのかどうなのか...

スカイラインを歩いて縦走・通過する登山者から、通行料100円取ったほうが手っ取り早く黒字にできるのでは

ハイランドパーク粉河 〜 七宝瀧寺 : 4.6km 44分

ハイランドパーク粉河の管理棟を過ぎて、林道を数分歩くと五本松の分岐点。

つづら折りの林道をショートカットして、犬鳴山の七宝瀧寺を最短距離で結んでいる登山道に入る。

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五本松の分岐点。ここで林道をショートカットする登山道に入る (標高約740m)

ほぼ完璧に石畳の階段になっている登山道は、たとえ雨の日でもぬかるみにならず、ありがたいものだ。これだけ整備した道なのだから、なおさらハイランドパークは通行料取るべきだろう。

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ショートカットの登山道は、歩きやすいよう石畳の階段となっている

この区間で、今日初めて登山者とすれ違う。

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何箇所かで林道と交差する登山道。交差地点にはきれいなベンチが整備されている

標高600m付近で、不動谷の林道に出る。ここからは林道を歩く。

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不動谷の林道(正式名称は犬鳴東手川林道といい、登山口の蕎原までを葛城山を経由しない最短距離で結んでいる)

日当たりの良いところに、ヤマブキが咲いていた。そういえば、ヤマブキの季節ですね...

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ヤマブキ

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約200mの長さがある犬鳴トンネル(犬鳴隧道)

トンネルを抜けると、高城山に向かう林道が分岐する地点があり、更にそこから少し下ると七宝瀧寺(しっぽうりゅうじ)へ降りる階段への分岐点がある。

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林道から七宝瀧寺へ向かう階段が分岐する地点。 道標は根本が腐って倒れている

階段を降りていくと、左手にお寺の境内らしきものが見える

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登山道から見下ろした七宝瀧寺 身代不動前広場

七宝瀧寺 〜 犬鳴山バス停 : 1.6km 25分

ここがお寺の中心(本堂?)だと思っていたが、自宅に帰ってから調べたら本堂はもう少し谷の奥にあったらしい。

ここは身代わり不動明王とのこと。

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七宝瀧寺 身代り不動明王

身代り不動明王広場のすぐ横には、韋駄天将軍神の祠とぼけ除け不動に挟まれて、滝がある。

これが行者の滝か... と思っていたが、これも帰宅後に調べると違ったらしい。(標識とか無いからわからんなぁ...)

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「韋駄天将軍神」と「ぼけ除け不動」に挟まれた滝

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谷の奥にある七宝瀧寺から、いろいろな祠が建ち並ぶ渓谷の参道を降りていく

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七宝瀧寺の参道。大きな杉の木が並んでいる間を進んでいく

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七宝瀧寺 瑞龍門

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七宝瀧寺 犬鳴大明神の石碑と滝

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七宝瀧寺 大黒天岩

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身代わり不動明王から歩くこと1.1km、約18分。七宝瀧寺の総門までたどり着いた

ちなみに、犬鳴山(いぬなきさん)という山(山頂)はどこにもなく、このあたりの山域全体を指しているそう。また、七宝瀧寺の山号が「犬鳴山」だとのこと。

数分歩くと、バス停のある犬鳴山温泉に到着。

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犬鳴山温泉の温泉街

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犬鳴山 バス停

■ 南海バス 犬鳴山 12:50発 → JR日根野駅前 13:15着 (運賃 460円)