15 March 2023

ZWO ASI662MCにPENTAX kマウントレンズを接続する

カメラ用ズームレンズをASI662MCに接続することで、望遠鏡よりもはるかに広角撮影ができる。

今回は、保有している smc PENTAX DA 50-200mm F4-5.6 ED を使うこととする。

カメラ用レンズとCCDカメラを接続する

購入した接続部材

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SVBONY SV149 Canon EOSレンズと31.7mmアイピース接続アダプタ (Amazon 3,280円)

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PENTAX kマウントレンズをEOSカメラに接続するアダプタ (EBay 1,039円)

組み立て

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使用した部材(ASI662MC, EOS-M42アダプタ, PK-EOSアダプタ, PENTAX-DA 50-200mm)

ZWO ASI662MCは付属の超広角レンズを外し、M42雌ネジ部分を使って接続する。

EOS-M42アダプタは3分割できる。そのうち、31.7mmアイピース用スリーブは利用しない。

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PENTAX-DA 50-200mm F4-5.6EDレンズ

絞りレバーは「全開」となる位置でテープ固定する。

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ASI662MCとPENTAX-DA 50-200mmを2種類のアダプタを介して接続した

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レンズのマウント面から、CCDカメラの先端面までの距離 = 約 29mm

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SV149アダプタのM42ネジ残り寸法 = 約 9mm

撮影テスト

曇りや薄曇りの日が続いているので、適当な夜景でテストした。

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自由雲台を使って三脚に固定し撮影する

レンズは50mm~200mmがズーム範囲だが、ASI662MCを接続すると約55mm~200mmが(無限遠で)合焦する範囲となる。また、レンズのピントリングはシルク印刷通りの場所ではなく、全く違う場所で合焦する。

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PENTAX-DA 50-200mmレンズ使用 広角側は約55mmまでしか焦点が合わない

画面下の高速道路は、阪神高速 海老江JCTで、1.8kmの距離。その向こうに見えているのは、淀川沿いのロックペイント大阪本社(距離3.0km)と、その背後にある西淀川区のマンション群(距離約4km)。

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PENTAX-DA 50-200mmレンズ使用 望遠側200mm

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デジタル一眼レフで約50mmで撮影した

画面中央の白い四角で囲んだところが、ASI662MC/約55mmで撮影したときの画角ライン。

AZ GTiにカメラを取り付けるためのプレート製作

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マンフロット(Manfrotto)ビデオ雲台用のクイックリリース プレート (898円)

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Vixenアリガタ プレート , マンフロット プレート(加工前)

AZ-GTiのアリミゾにピッタリと収まるよう、マンフロット プレートの両端を削り、幅を小さくする。

マンフロット プレートはアルミ製なので、100均の金属用ヤスリで容易に削れた。(30分ほど掛かった)

ちなみに、Amazonでたくさん売られているカメラ用プレートはアルカスイス規格なので、幅が小さすぎてアリミゾから脱落してしまうので購入時には注意が必要。

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Vixenアリガタ/アリミゾの寸法と、今回購入したマンフロット プレートの加工寸法


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マンフロット プレートを削り、アリミゾに収まるサイズとした加工後の写真

写真下半分の「プレート裏面の写真」で、手前のアルミ削り面が露出した部分の一部が欠損しているのは、アリミゾのクランプを締めたときに割れたため。この位置は部材が薄くクランプを締めることができない。(削った部分を一番奥まで差し込めないということ)

しかし、レンズ・CCDカメラをつけて前後バランスをとる場合は、この位置では締めないので問題ない。(次の写真を参照)

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AZ-GTiに加工したマンフロット プレートを取り付ける

レンズ・CCDカメラを取り付けて、前後バランスをとるには、「アリミゾのクランプが下」となるこの位置関係でセットしないといけない。

なお、SLIKの自由雲台SBH-100を、プレート上に取り付けた状態で撮影している。

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AZ-GTi自動経緯台に、加工したマンフロット プレートを用いてCCD・レンズを取り付けた

フード作成

SVBONY SV149 レンズロック解除ボタンの光漏れ対策用フード

「SVBONY SV149 Canon EOSレンズと31.7mmアイピース接続アダプタ」の、レンズロック解除ボタンは、密閉が完全でないため外光が入ってくる。

その光漏れを防ぐためのフードを、クラフト紙(黒色)で作成した。

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SVBONY SV149 レンズロック解除ボタンの光漏れ対策用フード作成

PENTAX SMC DA 50-200mm 用フード

無限遠で合焦する焦点距離約60mm, ASI662MCで撮影する場合の視野角は

視野角 θ = arctan( 撮像素子寸法 / 焦点距離 ) = arctan( 5.6 / 60 ) = 0.093rad = 5.3度

と狭く、適当に鏡筒幅の円筒をを黒クラフト紙で取り付けておけばよし、と。

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PENTAX SMC DA 50-200mm 用フードを黒クラフト紙で作成

テスト撮影(ファーストライト)

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M42 オリオン大星雲

レンズ:Pentax DA 50-200mm, カメラ:ASI662MC, 露出時間:40sec, Gain:260, DeepSkyStackerで10枚を合成

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M45 プレアデス星団

レンズ:Pentax DA 50-200mm, カメラ:ASI662MC, 露出時間:40sec, Gain:260, DeepSkyStackerで10枚を合成

20230315-m44.jpg
M44 プレセペ星団 (左側の明るい星は、かに座デルタ星)

レンズ:Pentax DA 50-200mm, カメラ:ASI662MC, 露出時間:20sec, Gain:300, DeepSkyStackerで10枚を合成

20230315-bara.jpg
NGC2237-9 ばら星雲(星雲は何も写っていない)

レンズ:Pentax DA 50-200mm, カメラ:ASI662MC, 露出時間:25sec, Gain:260, DeepSkyStackerで10枚を合成

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レンズ:Pentax DA 50-200mm, カメラ:ASI662MC, 露出時間:30msec, Gain:60, RegiStax6で10枚を合成(ウェーブレット変換)

20230329-moon.jpg

レンズ:Pentax DA 50-200mm, カメラ:ASI662MC, 露出時間:27msec, Gain:30, RegiStax6で10枚を合成(ウェーブレット変換)