28 February 2023

(天体望遠鏡)電子観望のためにZWO ASI662MCカメラを購入

2月中旬に購入した天体望遠鏡で、電子観望や写真撮影を行うために、高感度CMOSカメラを購入した。

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Sky-Watcher MAK90(焦点距離 f=1,250mm)にASI662MC(撮像素子長辺 h=5.6mm)を取り付けたときの視野角は、長辺側が

θ = atan((h/2)/f)*2 = 0.257度 (0度 15分 24秒)

と、かなり狭い。

この視野角の狭さが、いったいどれほどのものなのか、テスト撮影してみた。

地上の景色

近いところから、遠くまでそれぞれ確認した。

梅田スカイビル展望台 : 1.8 km

1.8km離れたところにある、梅田スカイビルの展望台を撮影してみます。デジタル一眼レフの250mmレンズよりも、はるかに高倍率です。展望台にいる人の顔が識別できるレベルです。

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梅田スカイビル (MAK90, ASI662MC)

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梅田スカイビル (MAK90, 0.5x レデューサー, ASI662MC)

視野角を広げるため、0.5倍のレデューサーを取り付けてみたのが、この写真。周辺がボケてしまい、あまり実用的ではない。

一眼レフで撮影した、肉眼で見た感覚の画角は次のようなものだ。

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梅田スカイビル (PENTAX k-x 250mmレンズ)

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梅田スカイビル (PENTAX k-x 18mmレンズ)

千里万博公園 太陽の塔 : 14 km

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万博公園の太陽の塔(MAK90, ASI662MC)

スカイビルのちょうど真下に、万博公園の太陽の塔が見えています。距離は14.0kmほどのところです。空気の揺らめきで、ゆらゆらと見えていました。

六甲山、東おたふく山 : 22 km

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六甲山最高峰の自衛隊通信塔(22㎞の地点)

春霞の快晴だった2023年3月5日、22km向こうにある六甲山最高峰を撮影しました。右側に自衛隊の通信塔(この付近が山頂)。左側に登山道が折り返して、ベンチのある東屋が見えています。

10枚の写真を結合した動画をダウンロードする(大気の影響で揺らいで見えています)

六甲山最高峰の800mほど西側にある、西おたふく山の山頂です。国土交通省の通信塔があります。撮影を行った時のWindows PCの画面はこういう感じで...

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西おたふく山の山頂と、撮影ソフトウエア、AZ-GTi制御ソフトウエア画面

無限遠の星景

オリオン大星雲 M42

春霞かつ、すぐ横に半月が出ている状況で、長時間のライブスタックはできなかった。

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オリオン大星雲 M42 (MAK90, ASI662MC, 高感度 0.5sec×スタック)

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オリオン大星雲 M42の中心付近星図と、撮影画角(視野角)

星雲の中心部、四重星トラペジウム近傍だけしか撮影できないことになる。

木星

春霞 & 低高度のため、リアルタイムで画面上で見ていても、ぼんやり、ゆらゆらとしています。

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木星(MAK90, ASI662MC, 低感度 0.1sec×スタック)

ガリレオ衛星が見えます。

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木星(MAK90, ASI662MC, 低感度 0.004sec×スタック)

惑星の横縞が、この画面では上下方向に微妙に見えています。

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Stellariumで表示した木星とガリレオ衛星

天頂付近の月は、春霞の状況でもそれなりにくっきりと見えています。しかし、視野角は月の半分くらいしかありませんので、撮影できるのも月の一部分だけです。

20230228-moon-01.jpg
月(MAK90, ASI662MC)

ASICAPのRAWモードで撮影してしまった場合

RAWモードで撮影すると、出力されたファイルは一見モノクロのように見える。画像と同時に出力されるtxtファイルには次のようになっている

[ZWO ASI662MC]
Auto Exp Max Exp = 30000ms
Auto Exp Max Gain = 300
Auto Exp Target Brightness = 100
Bin = 1
Brightness = 15
Capture Area Size = 1920 * 1080
Colour Format = RAW8
Debayer Preview = ON
Debayer Type = RGGB
Exposure = 2ms
Flip = None
Gain = 0
Hardware Bin = OFF
High Speed Mode = OFF
Mono Bin = OFF
Raw Format = ON
StartX = 0
StartY = 0
Temperature = 38.4 C
Timestamp Frames = OFF
USB Limit = 100
USB Port = 3.0
White Balance (B) = 75
White Balance (R) = 55

20230915-asicap-rawimage.jpg
ASICapが出力したRAW画像(縮小してjpeg保存した)

このRAWファイルは、Fitswork(https://www.fitswork.de/software/softw_en.php)を用いてデコードすることができる

20230915-fitswork.jpg
Fitsworkを起動し、デコードしたい画像を読み込んだうえで、Processing -> Bayer Interpolation -> demosaic Camera Raw Image のデコーダを実行する