Debian 11とUbuntu Server 22.04をデュアルブート対応でインストールするため、VMWareで試行した結果のまとめ
VMWare仮想マシンをUEFI設定に変更する
Debian 11がインストールされたマシンに、Ubuntu Server 22.04を追加インストールしようとすると...
レガシーBIOS起動では パーティション設定画面で
" To continue you need to: Select a boot disk "
というメッセージを解決できず、先に進めなくなってしまう。
UEFI起動とすれば 問題なく設定が進む。
したがって、VMWare仮想マシン設定をUEFI起動とするために次のように変更する
vmware_virtual_machine.vmx
.encoding = "UTF-8"
config.version = "8"
virtualHW.version = "19"
firmware = "efi"
BIOS.BootDelay = "5000"
bios.forceSetupOnce = "TRUE"
pciBridge0.present = "TRUE"
pciBridge4.present = "TRUE"
〜 以下省略 〜
Debian 11 (64bit)のインストール
Debian 11 インストール画面(DVD iso起動時メッセージ)
セットアップ画面表示の言語を設定したり、ネットワーク接続の設定をしたりといった、ありきたりの選択画面が幾つか続いた後、ディスクのパーティション設定画面が表示される。
ここでは必ず「手動設定」を選択する。
Debian 11 インストール画面(パーティション設定で「手動」を選択)
ドライブとパーティション一覧画面が表示される。今回はまっさらなディスクを用いた設定なので、まだ何もパーティションが存在しない。ここに...
・EFI ブートパーティション
・Debian 11をインストールするパーティション(ext4フォーマット)
・swapパーティション
の3つを作ることとする。
最終的に、次のような画面になるようパーティションを作っていく
Debian 11 インストール画面(パーティション設定の最終形)
空き領域をダブルクリックすると、パーティション作成画面になる
Debian 11 インストール画面(「新しいパーティションの作成」を選択する)
1つ目のパーティション(/dev/sda1)は UEFI boot パーティション。サイズは200MBytes以上が目安。今回は300MBytesを確保した
Debian 11 インストール画面(UEFI bootパーティションの設定画面)
2つ目のパーティション(/dev/sda2)はDebian 11をインストールするパーティション。サイズは6.5GBytes以上が目安。
Debian 11 インストール画面(Debianをインストールするパーティションの設定画面)
3つ目のパーティション(/dev/sda3)はswapパーティションとする。
全て作成を終えると、さきほど目標とした画面となる
Debian 11 インストール画面(パーティション設定の最終形)
パーティションを書き込んで、セットアップを先に進める。
OSの表示言語やユーザ名・パスワードを設定する画面などがいくつか続き、最後にパッケージの選択画面となる。ウィンドウマネージャをGnomeからXfceに変更しても、それほどディスク消費量が軽減されるわけではない(1GBytes程度しか小さくならない)ので、今回は標準設定のままとする。
なお、「CUIのみのインストール」という選択肢は、残念ながら無い
このあとインストール作業が進み、再起動すればDebian 11が起動する。
Ubuntu Server 22.04のセットアップでは、新規パーティションが作れない
デスクトップ版のセットアップでは自由自在にパーティションを作成出来るのに... 明らかにServer版のセットアップの作り込み不足を感じる。
仕方ないので、適当な(ここではUbuntu 22.04のLive DVDを使った)Live Linuxを起動して、パーティションを作っておく
ここに、Ubuntu Server 22.04をインストールするパーティション(/dev/sda4)を作成する。サイズは3.5GBytes以上が目安。
フォーマットは何でも構わない。Ubuntu Serverセットアップ時に再度フォーマットされるため、気にしないこと
Ubuntu Server 22.04のインストール
Debian 11しか起動しないばあいは、次の方法でブートセレクタ―を表示する必要がある。
コンピューターが再起動したら、BIOS画面が5秒間表示(BIOS.BootDelay = "5000" の設定による)されるので、その間にF2キーかESCキーを押せば、ブートセレクタ―を表示される。
そして、CD-ROMから起動を選択すると、Ubuntu ServerのセットアップDVD(isoファイル)から起動することが出来る
いくつかの設定項目があり、その後にディスクのパーティション設定画面が表示される。
Ubuntu Server インストール画面(パーティション設定は手動:Custom storage layoutを選択)
Ubuntu Server インストール画面(既存のパーティション一覧が表示される)
画面上部に " To continue you need to : Mount a filesystem at / Select a boot disk " と表示されているので、これを解決することとする
まずは、ルートパーティションを指定する。先程Gpartedで手動作成した /dev/sda4(partition 4)をクリックし
・Format : ext4
・Mount : /
と設定する。
Ubuntu Server インストール画面(ルートにマウントするパーティションを設定)
画面上部の1項目め FILE SYSTEM SUMMARY に ルート(/)のマウントされたと表示され、同時にブートパーティションが /boot/efi に自動的にマウントされる。
Ubuntu Server インストール画面(パーティション設定の完了)
これで、パーティション設定画面に表示されていた解決すべき問題2点の両方が、同時解決した。
インストール作業は順調に流れ、終了し再起動を促されるはずだ。
デュアルブートの確認
コンピューターが再起動したら、BIOS画面が5秒間表示(BIOS.BootDelay = "5000" の設定による)されるので、その間にF2キーかESCキーを押せば、ブートセレクタ―を表示される。
EFIブートパーティションがどうなっているのか、確認する
$ tree /boot/efi/ /boot/efi/ └── EFI ├── BOOT │ ├── BOOTX64.EFI │ ├── fbx64.efi │ └── mmx64.efi ├── debian │ ├── BOOTX64.CSV │ ├── fbx64.efi │ ├── grub.cfg │ ├── grubx64.efi │ ├── mmx64.efi │ └── shimx64.efi └── ubuntu ├── BOOTX64.CSV ├── grub.cfg ├── grubx64.efi ├── mmx64.efi └── shimx64.efi 4 directories, 14 files
debianとubuntuの双方のGRUBが、別ディレクトリにインストールされている。
起動順の設定を確認すると、後にインストールしたUbuntu Serverの起動順が第1位になっている。
$ sudo efibootmgr BootCurrent: 0004 BootOrder: 0004,0005,0001,0000,0002,0003 Boot0000* EFI VMware Virtual SCSI Hard Drive (0.0) Boot0001* EFI VMware Virtual IDE CDROM Drive (IDE 1:0) Boot0002* EFI Network Boot0003* EFI Internal Shell (Unsupported option) Boot0004* ubuntu Boot0005* debian $ sudo efibootmgr -v BootCurrent: 0004 BootOrder: 0004,0005,0001,0000,0002,0003 Boot0000* EFI VMware Virtual SCSI Hard Drive (0.0) PciRoot(0x0)/Pci(0x10,0x0)/SCSI(0,0) Boot0001* EFI VMware Virtual IDE CDROM Drive (IDE 1:0) PciRoot(0x0)/Pci(0x7,0x1)/Ata(1,0,0) Boot0002* EFI Network PciRoot(0x0)/Pci(0x11,0x0)/Pci(0x1,0x0)/MAC(000c29cccf4b,0) Boot0003* EFI Internal Shell (Unsupported option) MemoryMapped(11,0xefe6018,0xf3f5017)/FvFile(c57ad6b7-0515-40a8-9d21-551652854e37) Boot0004* ubuntu HD(1,GPT,021fffd0-161f-4c05-82e5-e7c201b2fc89,0x800,0x5f000)/File(\EFI\ubuntu\shimx64.efi) Boot0005* debian HD(1,GPT,021fffd0-161f-4c05-82e5-e7c201b2fc89,0x800,0x5f000)/File(\EFI\debian\shimx64.efi)