08 May 2022

竜王山と湛水前の安威川ダム

堤体の工事が完了に近づき、連休明け間もなく湛水を開始するという安威川ダムを見に行ってきた。

ヤマレコの記事 『 竜王山と安威川ダム

GPSログとコースタイム

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区間通過時刻所要時間
忍頂寺バス停 〜 摂津 竜王山10:08 〜 10:3325分
摂津 竜王山 〜 車作バス停10:48 〜 11:2234分
車作バス停 〜 安威川ダム展望広場11:22 〜 12:0341分
安威川ダム展望広場 〜 茨木サニータウン 幼稚園前バス停12:03 〜 12:2320分

忍頂寺バス停 〜 摂津 竜王山 : 距離1.3km, 所要22分

■ JR 環状線・京都線 福島駅 08:43発 → 大阪駅 → 茨木駅 09:03着 (運賃 310円)

相当余裕をもって茨城駅に到着してしまったので、バス乗り場のベンチで25分ほど時間を潰す。

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JR茨木駅

■ 阪急バス 81系統 JR茨木駅 09:28発 → 忍頂寺 10:08着(運賃 560円)

忍頂寺行きバスは1時間に2本なので、ほぼ満席状態。半数近くの乗客が中河原バス営業所で降り、次に大量に下車したのは山間部に入った彩都あかね地区の物流倉庫群外れの馬場バス停。

この彩都あかね地区の物流倉庫群は自宅からもくっきりと見えていて、本来ここには大阪モノレールが延伸して「彩都中部駅」が設けられるはずだった。しかし、住宅街となる予定が居住需要が無く、結局物流倉庫地域となってしまったため、延伸計画はキャンセルされてしまった。

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大阪市内の自宅から見た彩都と竜王山
(彩都あさぎ=彩都西駅、彩都あかね=彩都中部駅、彩都はなだ=彩都東駅)

ここから先へは、ハイキングに向かう老人団体が10人程度が乗車しているという状況だ。そして、その半分は泉原で下車。おそらく、東海自然歩道を箕面方向へ歩くのだろう。

JR茨木駅から40分、標高300mほどのところにある忍頂寺バス停に到着。ここまで乗り通してきたのは5人ほどの乗客だけ。

そして、さっそく竜王山の登山口に向かったのは私だけだったので、他の人たちは一体何処の山に向かうのだろうか...

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阪急バス 忍頂寺バス停

バス停のすぐそばにある登山口は、竜王山の中腹にある宝池寺 八大竜王宮の入口でもある。石柱には「龍王山参道」と彫られている。

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忍頂寺交差点の竜王山登山口(宝池寺入口)

交差点から何段かの階段を登ると、古そうな鳥居がある。寺でもあり、神社でもある... 神仏習合のお寺なのだろう。

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宝池寺 八大竜王宮の鳥居

鳥居をくぐると、およそ300mほどの落ち葉に埋もれた階段道が続いている。

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宝池寺(八大竜王宮)の参道階段

標高380m付近で、忍頂寺方向からやってきた林道に合流し、ここから先は歩きやすい舗装された林道となる。

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宝池寺(八大竜王宮)の参道が林道に合流する

標高450m付近に車止めがあり、ここが参拝者・登山者の駐車スペースとなっている。

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宝池寺(八大竜王宮)の参道に駐車スペース

駐車スペースのすぐ先に、薬師如来の祠がある。

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宝池寺(八大竜王宮)の参道沿いに「薬師如来」の祠がある

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宝池寺(八大竜王宮)の参道沿いの「金龍龍神」の石碑

忍頂寺交差点の登山口から13分、標高差160mほど登ってきたところが竜王山宝池寺(八大竜王宮)。登山道沿いには公衆トイレもある。

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宝池寺(八大竜王宮)の公衆トイレ

写真の右側の建物が八大竜王宮。左奥の建物が御札などを売る窓口のある社務所。その間辺りに、屋根のある休憩所がある。

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宝池寺(八大竜王宮)の境内

八大竜王宮の由来(寺院の公式Webページより転載)
宝亀年間(715年 - 716年)の頃、畿内一帯が大干ばつに見舞われました。光仁天皇の御子である開成皇子が来山し池を掘り、護摩を焚き、般若心経を唱え、八大竜王を召請したと言われています。
背後に控える山を竜王山と呼ぶようになり、建てられたのが、境内にある八大龍王宮です。

宝池寺(八大竜王宮)を通り過ぎると、その先は普通の山道となっている。さすがに、山頂まで舗装道路をつくるメリットはないのだろう。

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宝池寺(八大竜王宮)から先、竜王山に登る参道

山頂までの間には、愛宕大権現の祠もある。説明看板によれば、京都の愛宕神社の方向を向いた遥拝所ということだ。

そういえば、竜王山の北2kmほどのところは京都府亀岡市となっている。ここは、大阪の市街地よりも京都嵐山のほうが近いのかな...

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宝池寺(八大竜王宮)の参道沿いにある「愛宕大権現」

忍頂寺交差点の登山口から20分、標高差190m登ると、竜王山の山頂。登山道から少し外れた場所に、三等三角点(標高509.75m)がある。

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竜王山の山頂、三等三角点

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竜王山の山頂から50mほど南にある展望台

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竜王山展望台

展望台からは、生駒山地が南から北までの全て、金剛山地・和泉山地も二条山の辺りが生駒山地で隠れている以外、和泉葛城山付近まで一望できる。

また、これから向かう安威川ダムの堤体も見えているし、道路沿いのユニクロの巨大物流倉庫も見えている。

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竜王山展望台からの眺め(生駒山地、金剛山地)

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竜王山展望台からの眺め(金剛山地、和泉山地、大阪市中心部ビル群)

登山口からここまでの間、他の登山客は誰も見かけなかった。誰も居ない展望台の上で昼食。

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昼食(ヤマザキまるごとソーセージ、明太子・鮭おにぎり)

20分ほど昼食休憩し、下山する。

摂津 竜王山 〜 車作バス停 : 距離1.8km, 所要32分

山頂付近では幾つかの方向に下山する道が続いているので、GPS地図を慎重に確認しながら、それらしき方向のものを選択。

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竜王山から車作へ下山するアカマツ林の道

尾根道を700mほど降りていくと、舗装された林道に出る。

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竜王山からの山道が林道に合流する地点

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車作地区に向かう舗装された林道を降りる

砂防堰堤の左岸を通過し、先程の林道合流点から550mほど歩いたところで、車作集落に出る。その集落の端っこ、林道脇に清水廃寺の経塚がある。

説明看板によれば、戦国時代にキリシタン大名の高山右近が清水(しみず)寺を焼いたときに、僧徒が逃れて経文を埋めた場所がこの経塚だそうだ。

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清水廃寺 経塚

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清水廃寺経塚から見下ろした車作地区と安威川ダムのダム湖となる谷

地区の入口に、東海自然歩道の看板があり、地名のいわれが解説されている。

東海自然歩道 環境庁 現地解説看板より
ここ車作では、その昔良質のケヤキ材が産出され、車や建築用材に利用されていました。白鳳時代の天智天皇の御代(660年頃)に御所車を造って御所に献上したと伝えられており、このことが車作の地名となったようだ。

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畦に咲くアザミ

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車作集落の棚田(代掻きまで完了し、田植えを待つ状況)

竜王山から1.8km、標高160mの車作バス停に到達。バスは3時間に1本程度しか走っておらず、交通不便地だ。

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車作バス停

車作バス停 〜 安威川ダム展望広場 : 距離3.6km, 所要40分

阪急茨木駅に向かうバスの経路に沿って、府道1号、府道46号を歩く。

府道1号が府道46号に合流する地点、安威川に架かる車作橋がある。安威川ダムが湛水すれば、このあたりまでダム湖の上流端がくるはずだ。(谷底の標高が100mで、ダムのNWLが99.4mなので、水面がちょうどこの辺りの谷底の高さと同じとなる)

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車作橋から下流方向のダム湖予定地

ダム付帯工事で造られた造成地の中に、一直線に通された府道46号を歩く。右手の擁壁の西側は、彩都はなだ地区で物流倉庫が建ち並んでいる。

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府道46号の大岩橋と、ダム右岸側の造成地擁壁(この擁壁の上は、ダムのコア材料を掘り出した採石場跡)

ユニクロの物流倉庫がある付近に、大阪モノレール彩都線の引き上げ線・車庫が作られるはずだった。すぐ近くには彩都東駅も作られたはずなので、計画が実現していれば便利だったろう。

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彩都はなだ地区のユニクロ西日本倉庫

府道46号を挟んで、ユニクロ西日本倉庫の東側は、茨木市と大和リースなどが公設民営で作る「AIGAWA DAM PARK」が造成中だ。計画によれば、2024年度にダム湖を横断する吊橋などが出来るようだ。

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安威川ダムParkの建設現場

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安威川ダムParkの計画図


府道46号の左手に、ダムの取水施設(呑口部)が見えてくる。工事期間に川の水を排除している転流工(仮排水路、完成時に閉塞される)、維持流量放流管の選択取水設備、常用・非常用洪水吐の呑口。湛水(貯水)後は水没するものも含めて、全て一望できる。

転流工の呑口上部には、竣工時に角落としか何かで閉塞するための仮設鋼製枠が設置されているのも見える。

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安威川ダム 湛水前の呑口部全景(府道46号より)

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放流管等断面ポンチ絵(安威川ダム事務所発行のイラストに、個人的に追記した)

もう少し南に歩き、大門寺トンネルの入口横から見ると、つぎのような"完璧な"視界が得られた。水没する前に、目に焼き付けておきたい景色だ。

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安威川ダム 湛水前の呑口部全景(府道46号より)

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大門寺トンネルの北側入口部

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大門寺トンネル入口脇より遊歩道が建設中

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大門寺トンネル内は、広い歩道スペースがあり安全に歩行可能

府道46号は長さ246mの大門寺トンネルを抜けると、深い谷の上に架けられた長大な橋(大門寺橋)となる。橋の中途に交差点があり、大門寺やダム展望広場に向かう道が分岐している。

橋の真下は、大阪学院大学の野球部練習グラウンド。

橋の上からはダムの下流側が観察できる。非常用洪水吐のスロープ構造と、その中段付近に常用洪水吐の放流口が見えている。

常用洪水吐はゲートレス方式なので、配管の丸い穴が開いているだけだ。

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安威川ダム堤体と、非常用洪水吐を下流側から見る

道の突き当りには展望広場があり、ダムの堤体が見下ろせる。

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安威川ダム展望広場

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展望広場から見た安威川ダムの堤体

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安威川ダムの堤頂通路とダム湖の底

安威川ダム展望広場 〜 茨木サニータウン 幼稚園前バス停 : 距離1.8km, 所要18分

大門橋の交差点まで戻り、そのまま府道46号を横切って、丘陵地に作られた新興住宅地の茨木サニータウンに入る。

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茨木サニータウン 山手台新町

新興住宅地の中心部に作られたショッピングセンターの前が、JR茨木駅に向かうバスが停まるバス停。

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茨木サニータウン 幼稚園前バス停

■ 阪急バス 87系統 幼稚園前バス停 12:33発 → JR茨木駅バス停 13:01着 (運賃 380円)

■ JR 京都線 茨木駅 13:07発 → 大阪駅 13:20着 (運賃 220円)