久々に、摩耶山に登りに出かけてきた。今回は、六甲全山縦走路の一部となっている「稲妻坂・天狗道」を経由するため、人が少ない平日とした。
ヤマレコの記事 『 摩耶山(布引滝・稲妻坂・天狗道・掬星台・山寺尾根) 』
GPSログ、コースタイム
区間 | 時刻 | 所要時間 |
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JR三宮駅 地上出口 〜 新神戸駅 | 07:38 〜 07:54 | 16分 |
新神戸駅 〜 布引の滝 展望広場 | 07:54 〜 08:15 | 21分 |
布引の滝 展望広場 〜 市ヶ原 公衆トイレ | 08:19 〜 08:43 | 23分 |
市ヶ原 公衆トイレ 〜 掬星台 | 08:43 〜 10:02 | 1時間19分 |
掬星台 〜 長峰堰堤 | 10:43 〜 11:39 | 56分 |
長峰堰堤 〜 阪急六甲駅 | 11:41 〜 12:01 | 20分 |
阪急六甲駅 〜 JR六甲道駅 | 12:05 〜 12:15 | 10分 |
三宮駅 〜 布引の滝・展望広場 : 距離2.5km 所要35分
■ 阪神本線 野田駅 06:55発 → 尼崎 → 三宮駅 07:32着 (運賃 310円)
通勤ラッシュになる少し前だったので、平日だが座れる程度の乗車率。
三宮駅を出て、新神戸駅に向かってフラワーロードを歩く。ふり返ると、去年(2021年)4月に開業した阪急三宮駅ビルが頭一つ抜けて見えている。
今日は平日なので、三宮方向へ歩く通勤客と次々とすれ違う。この辺りのマンションに住んでいる住民なのだろうか。
三宮駅(の地上出口)から歩いて16分、新神戸駅の高架下を横切る。
新幹線に乗って地元に帰るのだろうか、修学旅行生と思われる高校生が行列を作って改札口に向かっている。
新神戸駅をすぎてすぐ、去年の秋に再度公園・森林植物園に行くときに通った城山道が分岐する。
振り返って新神戸駅方向の登山口を見ると、公衆トイレが新たに作られている。この後、布引の滝から展望広場に向かう坂道にも、新しい公衆トイレが作られていた。この辺りだけ、集中的にトイレが作られているのは何故だろう。
生田川の渓谷に沿って5分ほど登っていくと、布引の滝(雌滝)前の広場に出る。女性が登山前(?)の準備運動をしていたが、その他に観光客や登山客の姿は全くなし。
布引の滝へ向かう登山道(園路)沿いには、明治初期に建てられた平安時代から江戸時代に詠まれた滝にまつわる名歌三十六の碑がある。
下の写真の歌碑は藤原(九条)良経の詠んだ歌
山人の衣なるらし白妙の
月に晒せる布引のたき
新神戸駅から12分、標高120mほどまで登ってきた。目の前に、かなりの水量が流れ落ち轟音を立てている布引の滝(雄滝)。前回この滝を見たときは渇水で、ほとんど水が流れていなかった。
ここまで、見かけた登山客(散歩してる人)は2人だけ。コロナ自粛が飽きられて、近隣の観光から遠方への観光にシフトした人が多いからなのだろうか...
展望広場にやって来た。布引ダムを経由してトゥエンティクロスに続く山道の入口には、通行止めの貼り紙が。
電柱折損により危険のため、上図区間を通行止めとさせていただきます。ご迷惑をおかけ致します。(復旧方法を検討中のため期間未定)
貼り紙の地図には、迂回路は市ヶ原まで続く道路(市道 布引大竜寺線)のようだ。 ハーブ園入口を経由するので、登って降りてなので無駄な高度ロスが出てしまうのが残念だ。
布引の滝・展望広場 〜 市ヶ原 : 距離1.9km 所要22分
道は山の中腹を等高線に沿ってなだらかに登っている。走る車もなく、のんびり歩く。
展望広場から10分、標高差100mほど登ってきた。整備された舗装道路なので、「100mも登った」という感覚はない。神戸布引ハーブ園の入口がある。看板には「開門は10時」と書かれていてもんは閉まっているが、もう一つのアクセス手段の「ロープウェイ」は既に動いている。
ハーブ園から市ヶ原まで、今度はなだらかな下り。
Web公開されている道路台帳では、布引ダムの天端より50mほど上に今歩いている道路が通されているようだ。確か、ダムの左岸側に「水天宮」という祠に登る急な階段が分岐していた。その階段の出口が布引大竜寺線に繋がっている。
せっかく獲得した50mの高度差を失ってまで、ここからダム湖に沿った登山道に戻るつもりはない。このまま市道を歩いて市ヶ原を目指す。
ダム湖に沿った登山道が、紅葉茶屋のところで合流する。
さらに2分ほど市道を直進。
布引の展望広場から22分、1.9kmほど歩いてきた。ここは市ヶ原の櫻茶屋。市道 布引大竜寺線は、ここで生田川の対岸に渡って再度公園の大竜寺まで続いている。橋は架かっていないので、車は直通できない。
今回は生田川は渡らず、このまま川の左岸を直進。ここから先が登山道(トゥエンティクロス)で、登山口の目印の公衆トイレがある。
掲示板には、「トゥエンティクロスの途中、あじさい広場手前でのがけ崩れが未復旧のため通行止め」という貼り紙が残っている。一体いつになったら仮復旧させるのかわからないため、多くの登山者は強行突破しているようだ...
市ヶ原 〜 (天狗道・稲妻坂) 〜 摩耶山・掬星台 : 距離3.4km 所要80分
新市ヶ原堰堤手前まで生田川左岸沿いを歩き、ここから天狗道(六甲全山縦走路)の尾根に取り付く。
市ヶ原の公衆トイレから7分、標高300mの地点でトゥエンティクロスと天狗道の分岐点。写真の右側、天狗道方向に進む。
天狗道入口の道標から18分、標高差160mほど登ってきた。地図では、尾根上の無名ピークに四等三角点「山群」と記載されている。ピーク付近は少し平らになっていて、ベンチもあったりする。
ここから先、標高555mの学校林道との分岐点までは「稲妻坂」と名付けられている。
北向きに少し視界の開けたところがあり、地獄谷を挟んだ向こう側に、黒岩尾根が見えている。写真の左側のピークは標高606mの水準点がある場所だ。
標高400mのコルを通過し、ここから本格的な登り坂。
階段あり、少々の岩場ありという感じだ。
天狗道入口の道標から36分、標高差290mほど登ってきた。ここで学校林道が分岐する。
学校林道分岐点から先、300mほどの区間は標高550mほどの平らな尾根上の道になっている。
ここまでの登り坂の疲れを癒やす、ボーナス区間といったところか...。
しばらくなだらかな区間を歩いた後、摩耶山手前まで続く急な岩場道が出現する。
岩場の急な坂道を登りきると、大きな反射板が目の前に出現。銘板には「西神戸 − 神戸回線 8M×8M 反射板」と書かれている。
マイクロ通信の反射板のようだが、銘板の一部が塗り消されていて、どの企業のものなのか分からなくしてある。
天狗道入口の道標から1時間10分、距離2.8km、標高差430m登ってきた。突然、目の前に巨大なアンテナ。NHKとKiss FM神戸の摩耶山送信所だ。
間もなく右手に摩耶山(標高702m)の山頂がある小高い丘があり、その向こう側が掬星台だ。平日の朝早い時間帯なので、掬星台に登山客などの姿が全く無い。
孤独好きの私には、誰も居ない空間は至福の場所だ。
湿度は30%未満と低いのだが、かなり霞んでいる。六甲アイランドがかろうじて見えるくらいで、大阪湾を挟んだ向こうの大阪市街地は、ほぼ霞の中という状況だ。
掬星台にある巨大な東屋には、黒白ぶちの野良猫が2匹いるだけで、他に人の姿はない。
摩耶山・掬星台 〜 (山寺尾根) 〜 長峰堰堤 登山口 : 距離2.1km 所要60分
掬星台 展望台の横に、山寺尾根登山道の入口がある。道の真ん中に目立つように看板があり、
注意 : 山寺尾根は急勾配が続く難路です。通行には登山の装備が必要です。 阪急六甲まで5.3km
登山の【装備】... ? こんなところで、ヘルメット及びハーネス着装、ロープの準備とか要らんでしょ。せいぜい、「登山靴か運動靴履くこと」という注意喚起がふさわしいと思うのだが
山寺尾根の標高650m付近、落ち葉の積もった丸太の階段が続く
摩耶史跡公園(旧天上寺跡)へ向かう水平道分岐地点までの200mで、標高差80m下っている。傾斜角39度の激下りだ。
分岐点をすぎて5分ほどは、ほぼ水平の山道。ただし、それほど整備された道ではないので、細かいアップダウンや障害物があったりする。
確かに、ハイキング気分の小さな子供を連れた人が入り込む道ではないだろう。
その後は、100mあたり標高差35mほど下っていく傾斜角20度ほどの急坂が、1.2kmほど続く。「北アルプス 三大急登」の一つ合戦尾根(燕岳の登山道)が傾斜角25度なので、山寺尾根もそれなりの急登だといえる。
突然、目の前に巨大な鉄塔が現れる。標高300m、銘板からは「神戸東線 二三」と消えかけの文字が読み取れる。
何処からとも無く沢を流れる水音が聞こえてくる。突然、カスケードバレー(杣谷峠への登山道)との合流地点に出る。標高200m。
地理院地図では、ここは合流点ではないのだが、杣谷堰堤の工事でカスケードバレー登山道のルートが変更されているのだろう。
合流地点にガマスミの群落がある。掘っ立て小屋のような廃屋があり、その持ち主が植えたものだろうか。
木々の間より、工事用のケーブルクレーンの支柱が建てられた杣谷堰堤が見える。堰堤の工事で、この付近の登山道は軒並みルート変更されているようだ。
都賀川上流域の砂防堰堤マップが掲示されている。こういう地図は、わかりやすいのでありがたい。
掬星台から60分、標高差500mほど降りてきた。長峰堰堤のすぐ横で、長峰台の住宅街に出る。
長峰堰堤 登山口 〜 JR六甲台駅 : 距離2.7km 所要35分
ここから先は、阪急六甲に向かって「長峰坂」を歩く。説明プレートには
全長550mのこの坂は、区内屈指の傾斜度を誇り、通称「長峰坂」と呼ばれています。長峰坂は徳川道の一部でもあり、ここから北へ続く道は杣谷を抜け、摩耶山町へ続くため、ハイキングコースとしても人気があります。
だんだん市街地っぽい街並みになっていくが、それでもここは標高100m以上。階高4mのオフィスビルなら25階以上。階高3mの高層マンションなら30階以上の高さということだ。道の奥に見える大阪湾が、遥か下に見えるわけだ...
だから、市街地なのにこの辺りで自転車に乗る人を全く見かけない。下るのは良いが、登れないからね...。そう考えれば、こういうところには住みたくないなぁ。
阪急六甲の踏切を渡り、標高40mのJR六甲道駅が今日のゴール地点。
■ JR神戸線・東西線 六甲道駅 12:19発 → 尼崎 → 新福島駅 12:57着 (運賃 410円)