10 January 2022

大腸ポリープ切除手術

11月に受けた人間ドックで便潜血陽性(2回の内1回陽性)だったので、大腸内視鏡検査を受けたところ、ポリープが見つかった。その切除手術を1泊2日の入院で受けてきた。

大腸ポリープの分類

20220117-polyp-type.jpg
大腸癌学会の資料からの転載

今回見つかったポリープは、0-Is(無茎型)と0-Ip(有茎型)が1個ずつ。両方を切除した

参考資料

日本消化器病学会ガイドライン

大腸癌研究会 大腸癌治療ガイドライン

ポリープ切除写真

S状結腸に発見された0-Ip(有茎型)ポリープ

11月に受けたスクリーニング検査のとき、30cmのところにあったやつだ。切除写真の before and after を、ドクターPCの液晶画面を撮影したもの

20220117-polyp01before.jpg
切除前の0-Ip(有茎型)ポリープ

20220117-polyp02after.jpg
ポリペクトミーで茎の部分を焼き切り、クリップで止血した

ドクターの説明では、クリップは1週間ほどで流れ去るそうだ。こんな巨大なステンレス製洗濯バサミ、ウンチに混じって出た記憶がないが...

上行結腸に発見された0-Is(無茎型)ポリープ

写真を見せてもらったが、素人目には盛り上がりがあるのかどうかも分からず。コールドスネアポリペクトミー(CSP)で切除

組織診断の結果を見ると、地味な見かけのこっちのほうが怪しそうやね。ドクターの説明では、組織診断で「断端陰性」なので、病変部は完全に取り切れているとのこと

組織診断の結果

S状結腸に発見された0-Ip(有茎型)ポリープの所見は

  • 一部に鋸歯状構造を示す過形成上皮の増生を認める
  • 上皮に異型性はみられない
  • 診断:過形成性ポリープ(Hyperplastic polyp)

上行結腸に発見された0-Is(無茎型)ポリープの所見は

  • 鋸歯状構造を示す過形成上皮の増生を認める
  • 一部線管に底部のT字型拡張も認める
  • SSA/Pと考えられる
  • 診断:SSA/Pである。断端陰性(cut end : negative)

掛かった費用

支払った料金は53,000円ほど(事前説明1回分+手術入院1回分)だったのだが、これの内訳はどうなってるんだろう...

厚労省の「令和2年度診療報酬改定について」に、『診療報酬の算定方法の一部を改正する件(告示)』が掲載されているので、これを元に病院で発行された診療明細書を検算してみよう

DPC 包括 A100 急性期一般入院料1 1,650 2 3,300 8,612
A100 一般病棟加算(14日以内) 450 2 900
A200 総合入院体制加算2 180 2 360
A218 地域加算2級地 15 2 30
A207-3 急性期看護補助体制加算 25対1 (看護補助者5割以上) 240 2 480
A207-4 看護職員夜間配置加算 12対1配置加算 105 2 210
A244 病棟薬剤業務実施加算1(週1回) 120 1 120
A207 診療録管理体制加算1 100 1 100
A204 地域医療支援病院入院診療加算 1,000 1 1,000
A204-2 臨床研修病院入院診療加算 基幹型 40 1 40
A234 医療安全対策加算1 85 1 85
A234 医療安全対策地域連携加算1 50 1 50
A207-2 医師事務作業補助体制加算1(25対1補助体制) 630 1 630
A243 後発医薬品使用体制加算1 47 1 47
A234-2 感染防止対策加算1 390 1 390
A234-2 抗菌薬適正使用支援加算 100 1 100
A234-2 感染防止対策地域連携加算 100 1 100
A252 地域医療体制確保加算 520 1 520
A245 データ提出加算2(200床以上) 150 1 150
N000 病理組織標本作製(1臓器あたり) 860 2 1,720 1,720
入院料 A247-2 せん妄ハイリスク患者ケア加算 100 1 100 195
A219 療養環境加算 25 1 25
234-3 患者サポート体制充実加算 70 1 70
病理 N006 病理診断料 組織診断料 450 1 450 770
N006 病理診断管理加算2(組織診断) 320 1 320
手術料 K721 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2cm未満) 5,000 1 5,000 5,219

薬剤 6種類分 219 1 219
食事
食事標準負担額(1食) 46 2 92 220

入院時食事療養費(1食) 64 2 128
薬剤
下剤(モビプレップ、ビスコルファートNa) 204 1 204 204
外来診療 A002 外来診療料 74 1 74 74
検査料 D208 心電図検査(12誘導) 130 1 130 658
D012 梅毒トレポネーマ抗体定性 32 1 32
D012 梅毒血清反応(STS)定性 15 1 15
D013 HCV抗体定性・定量 108 1 108
D013 HBs抗原定性・半定量 29 1 29
D026 血液学的検査判断料 125 1 125
D026 免疫学的検査判断料 144 1 144
D026 検体検査管理加算(I) 40 1 40
D400 血液採取(静脈) 35 1 35
E001 エックス線 単純撮影 85 1 85 210
E002 エックス線 単純撮影デジタル撮影 68 1 68

電子化して管理及び保存 57 1 57






17,882





3割負担 5,365

診療明細書の表を作成したodsファイルをダウンロードする

病理診断には「2臓器」とあるので、「上行結腸、横行結腸及び下行結腸」「S状結腸」「直腸」のうちの2箇所に1個ずつポリープがあったということだ。同一箇所なら、何個ポリープをとっても「1臓器」

世の中には、「日帰りでポリープまで切除する」という病院もあるため、仮に入院が必要なかったとしたら不要となる金額を計算してみる。赤字(黄色マーカー)のところがそれに該当するもので、9,027点。

そして、入院が必要なくなれば不要となると思われる検査は、水色のマーカーで着色したところで、868点となり、入院にかかる全ての診療点数は9,027+868 = 9,895点。3割負担で2,968点(29,680円)

これらを差し引くと、ポリープ切除にかかる実質診療点数は7,987点。3割負担なら2,396点(23,960円)である。

手術料より、入院料のほうが高いではないか。それに、明細書を見ると、どう考えても「余計な項目」がたくさんあり、そんなサービスは受けてないし、必要もないような「加算項目」がたくさん紛れ込んでいる。

そもそも、ポリープを切除するのに「地域連携」とは何ぞな。さらには「せん妄ハイリスク患者ケア」とは失礼な話だ。そんなケア受けたっけ...(笑

入院診療点数のうち、最低限必要そうなのは、リストの上から2項目〜4項目程度(5,000点程度)くらいしか無いのではないだろうか。


茎が伸びきった0-Ip(有茎型)ポリープは、茎の部分に血管が通っていて、切断するとここから大出血の可能性もあるため、入院が好ましいと考えられているのだろう。

2個取って、とりあえず「悪性のポリープではなかった」のだから、これで良しとしよう

今後

すくなくとも、3年後に内視鏡検査を再び受けてくださいとのこと。