03 December 2021

今年最後の登山? 六甲山系 八幡谷から七兵衛山・打越山を経て十文字山へ

少し冷え込むが、冬型が緩んで良い天気になったため、今年さいごの登山として六甲山系の山を歩いてきた。

ヤマレコの記事 『 六甲山系(八幡谷から七兵衛山・打越山を経て十文字山へ)

GPSログと主要地点間の所要時間

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区間通過時刻所要時間
摂津本山駅 〜 八幡谷登山口09:16 〜 09:3115分
八幡谷登山口 〜 打越峠09:31 〜 10:1241分
打越峠 〜 七兵衛山10:12 〜 10:164分
七兵衛山 〜 打越山10:35 〜 10:4813分
打越山 〜 十文字山10:48 〜 11:2537分
十文字山 〜 摂津本山駅11:25 〜 12:0035分

八幡谷登山口へ

■ JR東西線 新福島駅 08:47発 → 尼崎駅 → 芦屋駅 → 摂津本山駅 09:12 (運賃 400円)

ギリギリ通勤時間帯と思われる時間に新福島から乗車した列車は、半分くらいの座席が空いていた。この時間帯はこの程度の混雑度なのか、それとも経済的に遅れた大阪でもテレワークが進んでいるのか...

尼崎駅で新快速に乗り換え、芦屋駅で1本前(東西線の列車間隔は7分)を行く普通列車に追いつき乗り換える。

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JR摂津本山駅

天上川に沿って市街地を登っていくと、八幡谷の右側に金鳥山と保久良神社のある尾根が見えてくる。山肌は紅葉した木々で赤や橙色に染まっている。

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天上川に沿って八幡谷を目指す

岡本八幡神社の境内を通り抜け、その先の坂道にも住宅が建ち並んでいる。

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岡本八幡神社

天上川に沿って更に登っていくと、住宅街の突き当りの石垣があり、川との間に登山口を示す道標が立っている。

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八幡谷 登山口(標高100m)

八幡谷 登山口 〜 打越峠 〜 七兵衛山

登山口にハイキングコースの概略地図が掲示されていて、そこには " 当山域は標識と方向を確かめて歩いて下さい " と、ひときわ大きな字で書かれている。

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八幡谷の登山口に掲示されている概略地図

天上川は一気に深いV字谷になり、登山道から転落しようものなら、大怪我をすること間違いなしだ。

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深く切れ落ちたV字谷のすぐ脇に登山道が通されている

すぐ先には、道祖神の石柱が、まるで結界を示す門柱のようになっている場所がある。

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八幡谷の登山道に門柱のごとく置かれた道祖神

標高150mまで登ってくると、谷の左岸に建物が見えてくる。橋が架かっているので見に行ってみると、廃神社。

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八幡谷の廃神社

廃神社の室内は荒れた状態で放置されている。ここまで荒れる前に、建物を撤去するか、せめて内部のゴミや調度品を廃棄すればよいのに...。 宗教施設なので、怖くて誰も手を出せないのだろうね。

歓喜天の印である砂金袋(巾着袋)が描かれた幕が、祭壇前に残っている。この幕の状態からも、この神社が廃止されたのはまだ10年とかそれくらいのレベルなのかもしれない。

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八幡谷の廃神社室内

建物の裏手には幾つかの滝があり、かつて滝行をしたと思われる場所もある。神戸市の地元史では、次のように書かれている。

八幡谷(はちまんだに)
天上川をさかのぼり、岡本八幡神社の北方から山間に入ると八幡谷である。谷あいの巨巌と森林は、「あたかも黒竜の雲間に玉を争うが如し(『武庫郡誌』)」というおごそかな雰囲気をもっていた。そこで昔から行場になっており、今も谷の奥には歓喜天を祭る行場がある。
https://www.city.kobe.lg.jp/documents/15381/2cg_rekishi_kinsei.pdf

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八幡谷の廃神社裏手の滝(八幡滝)

廃神社をすぎて少し行くと、日当たりの良い場所に出る。 登山道には、現地で伐採された丸太や木材を使って、手すりやベンチが丁寧に作り込まれている。

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八幡谷は現地伐採の木材で手すりやベンチが整備されている

標高200mまで登ってきた地点に、八幡谷第二堰堤がある。副堤がある割と大規模な堰堤だが、今日は全く水が流れている気配がない。

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八幡谷第二堰堤と副堤の看板

堰堤を過ぎると、登山道は杉の植林の中を通っている。

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八幡谷の杉林

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八幡谷の「山の神」にあるベンチ

登山口から20分、標高220mの「山の神」までやって来た。

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八幡谷の「山の神」

「山の神」の横で、打越峠方向と風吹岩方向の道が分岐する。今日は打越峠方向の道を選択する。

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八幡谷の「山の神」で打越峠方向と風吹岩方向の道が分岐

杉林の中、九十九折の山道を登っていくと、水平道と交差する標高350m地点に到達。

水平道の風吹岩方向には、土砂崩れによる通行止めを示す看板が立てられている。

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八幡谷から打越峠に向かう道が、水平道と交差する地点

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打越峠に向けて、杉の植林の中を歩く

登山口より41分、標高430mの打越峠に到達。 ここにも丸太で作ったベンチが並んでいる。

七兵衛山の登山道だけは、徹底的にベンチや手すりを整備するという意気込みが感じられる。

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打越峠(標高430m)

登山口から45分、七兵衛山の山頂に到着。

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七兵衛山の山頂(標高462m)

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七兵衛山の山頂からの景色

山頂で昼食の弁当を食べる。今日買ってきたのは、藤本食品製 だし巻き卵のお弁当(税込み 323円)。 ちょっと甘めの卵焼きが美味しい。

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七兵衛山の山頂で食べた弁当

七兵衛山 〜 打越山

七兵衛山の山頂で20分ほど休憩した後、再び打越峠まで降りる。

横池から打越山までの登山道沿いは、昨年ごろに木々が伐採されて、まるで焼け野原のように地面がむき出しになっている。ついでに視界も開けて、七兵衛山の全貌を初めて見ることが出来た。

周囲より数十メートル、こんもりと盛り上がった「山」だったのだと、初めて気付かされた。

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打越山に登る道から七兵衛山を振り返って見る

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打越峠から打越山に登る道沿いは、木々が伐採されて地面がむき出しになっている

打越山の山頂手前の分岐点に標識があり、水平道方向に降りていく道は「関電巡視路」となっている。本来の登山道じゃないのかな。

十文字山方向はここから水平道に降りるほうが近そうに見えるが、標識どおり打越山の山頂経由の道を進む。

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打越山の山頂手前の標識

七兵衛山から13分、30m降りて50m登り返して打越山の山頂に到着。

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打越山の山頂(標高481.6m)

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打越山から見る六甲山地の主稜線(中央の鉄塔2つある山は西おたふく山)

打越山 〜 十文字山

打越山からは、いったん五助堰堤のある住吉谷(五助谷)に向かって下っていく。十文字山方向とは逆のような気がするが、ともかく標識に従って歩くこととする。

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打越山から五助堰堤方向に降りる道

六甲山地の主稜線を右手に望みながら、7分ほど緩やかに降りてゆくと、十文字山方向への道が分岐する地点に差し掛かる。

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住吉谷方向と十文字山方向が分岐する地点

十文字山方向への道を歩く人が少ないからなのか、所々で笹薮が道を塞ぎかけのところがある。

こういう場所は、真夏なら完全に藪漕ぎ状態になっているだろう。

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十文字山への道は、所々で笹薮が道にせり出してきている

道は緩やかに下っていき、標高400m地点で水平道(森林管理歩道)が分岐する。この先、七兵衛山直下で土砂崩れのため通行止めなのに、この分岐点には立看板などは置かれていない。

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水平道(森林管理歩道 横池・金鳥山方面)が分岐する地点の道標

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杉林の中を下っていく

標高300mくらいまで下ってくると、右手に住吉台の住宅地が見えるようになる。

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地理院の地図で、標高点279mの十文字山付近を通過する山道に標識があり、山頂のありかを「道の向かっている南方向」を指し示している。

しかし、GPS地図を見れば見るほど、標識の方向は間違っているように思える。少し開けた場所の左手を見ると、こんもりと盛り上がった山頂らしき茂みがある。

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十文字山付近の少し開けた場所を通過している山道 (左手方向が山頂と思われる)

山頂と思われる盛り土目指して歩いていくと、石垣が現れ、頂上にたどり着けないよう厳重にフェンスで囲われているのが分かる。

フェンスの向こうには、宗教施設のモニュメントがあるようだ。山頂は私有地で入れないということなのだろうか。

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十文字山の山頂と思われる場所をフェンス越しに撮影

山頂には白いコンクリート製のモニュメントがあり、てっぺんに金ピカの双輪が乗っかっている。墓か何かなのだろうか...

山道に戻り、更に降りていくと大きな住宅のフェンス横に出る。フェンスの中には、ヤギのような動物がのんびりと草をはんでいる。

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十文字山の山頂は日本山妙法寺のフェンスの中

フェンスの中には「日本山妙法寺」の石柱も建っているので、宗教施設ということで間違い無さそうだ。

十文字山 〜 摂津本山駅

ここから先は、日本山妙法寺のアクセス道を通る。この道は私道なので、通らせてもらうというのが正しいだろうか。

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日本山妙法寺のアクセス道(私道)を通って市街地へ

かなり急傾斜な舗装道路を、標高差100mちょっと降りてくると、東灘区の住宅街に到達。

どの住宅も巨大で、高級車が停まっている。都会なのに車がないと生活できない場所に住むのが、資産家のステータスなのだろう。(過疎とどう違うんや...)

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東灘区西岡本の高級住宅街に到達

十文字山の妙法寺ゲート前から歩くこと35分、JR摂津本山駅まで戻ってきた。

2時間45分、総歩行距離9kmの登山終了。

■ JR神戸線 摂津本山駅 12:09発 → 芦屋駅 → 尼崎駅 → 新福島駅 12:34着(運賃 400円)