07 December 2020

紅葉最終盤の六甲山系 再度山を歩く

新型コロナの「準」緊急事態で、今年の紅葉情報は早めに「散ってしまいました」という発表に変わっている。

しかし、実際の山では紅葉真っ盛り。 神戸の六甲山系 再度山(ふたたびさん)に登り、紅葉を満喫した。

・ヤマレコの記事 『 六甲山系 再度山 紅葉真っ盛り(錨山・市章山・堂徳山経由、布引貯水池まで)

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登山口の神戸元町 諏訪山公園へ

■ 阪神本線 野田駅 08:59発 → 尼崎駅 → 三宮駅 → 元町駅 09:35着 (運賃 310円)

通勤ラッシュの終わった9時少し前、野田駅より区間急行に乗車。 乗客はほとんど乗っておらず、ドアの間のロングシートの端に1人ずつ座っているくらいだ。

尼崎で乗り換えた三宮行き快速急行も似たようなもので、ラッシュが終わればこれほどガラガラに空くのかという驚きがあった。

元町駅で下車し、すでに出勤時刻が終わり閑散とした兵庫県庁の横を通って、登山口を目指す。

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1902年に建てられた兵庫県公館

1985年まで県庁の庁舎として使われていた、ルネサンス様式の建物

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日本基督教団 神戸栄光教会

阪神・淡路大震災で倒壊し、2004年に建て替えられたゴシック様式の教会。 県庁に隣接している。

元町駅の出口から、およそ850m。10分で登山口に到達。

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諏訪山公園の入口が、錨山・市章山へ向かう登山口となる

諏訪山公園から錨山・市章山

登山口の山麓線交差点 (標高 50m)から、一気に諏訪山公園の金星台 (標高 90m)に登る。

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諏訪山公園 金星台へ続く道と紅葉

金星台は「子供の園」という広場になっていて、幼稚園児が遠足に来ていた。 日本人生徒のようだが、先生は英語を話す欧米人。 私の家の近所の幼稚園も、欧米人の先生が英語を話しているので、用事を英語漬けにするのは一種の流行なのだろう。

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諏訪山公園 金星台の海軍営之碑

碑文を抜粋すると…

『 文久三年(1863年) … 四月二十三日。 大君 駕火輸船 巡覧 摂播海浜 至干神戸相其地。形命 臣義邦 使作 海軍営之基夫吾邦方今急務。 … 軍艦奉行 安房守 勝物部義邦撰 』

1863年4月23日。将軍が外輪船に乗り摂津・播磨の港を巡覧し神戸に来られた。義邦(勝海舟)に対して海軍営を儲けることが急務であると命じた。 … 軍艦奉行 安房守 勝海舟記す

と言うような意味で、神戸海軍操練所が設けられた云われを説明している。

金星台を通り過ぎて更に登っていくと、再度山ドライブウェイを越えて諏訪山山頂に続く歩道橋 「ビーナス・ブリッジ」がある。

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諏訪山のビーナス・ブリッジ

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諏訪山 ビーナス・ブリッジの脇に咲いていた花

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諏訪山 (標高 151m) の展望台

ここからは、元町、兵庫あたりの神戸市街地西部のビル群が眺められる。

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諏訪山の山頂から、錨山方向を眺める

登山道は、再度山ドライブウェイに並行して、向こうにある錨山へ続いている。 今日は平日(月曜日)のため、道を走る車はほとんど無い。

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諏訪山から錨山へ向かう登山道(視線の先に錨山)

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色付いたコナラ

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錨山の手前でドライブウェイを横切る

この写真の位置で、少し戻らないと錨山への登山道入口に入れないが、間違えて先に進んでしまい、引き返す羽目に…

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錨山の登山道入口付近の紅葉

今日始めて、登山者(ハイキング客)に出会った。 今年は、この数年間で一番キレイな紅葉だそうだ。

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錨山の山頂直下

錨山は、市街地側の斜面の木々が伐採されて、「錨形の」夜間ライトアップ植栽が植えられている。

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錨山 (標高 約260m) の山頂からの眺め

Wikipediaでは標高292mと書かれているが、明らかな間違いだ…

頂上の東屋では高齢女性2名の登山者が談笑していた。

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錨山の山頂にある東屋

登山道を少し進むと、市章山の山頂。 こちらも、(神戸市章を)ライトアップするめの植栽がある。

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市章山 (標高 約285m)の山頂

市章山から堂道山へ

ここから先は、再度山ドライブウェイを歩く。 沿道には植栽された紅葉がきれいに色付いている。 通行する車は、ほぼゼロなので、「紅葉を独占」している気分だ。

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再度山ドライブウェイの市章山から堂徳山の区間

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再度山ドライブウェイの市章山から堂徳山の区間

この道路では不法投棄が頻発しているのか、至る所に「不法投棄禁止」の看板がある。 道路脇の崖の下を見ると、たしかに粗大ゴミが散乱しているところもある。

こういう犯罪には、看板よりも監視カメラのほうが効果ありそうだ。

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再度山ドライブウェイの脇に不法投棄禁止の看板

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再度山ドライブウェイの堂徳山への登山道分岐点付近 (右側の丘のてっぺんが、堂徳山)

堂徳山(どうとくさん 標高 337.5m) へは、ドライブウェイの分岐点からほんの数十メートル登るだけで到着。 頂上には三等三角点がある。

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堂徳山の山頂(展望はなく、三等三角点がある)

堂徳山から再度山へ

さらに、再度山ドライブウェイに並走した登山道を北へ歩く。新神戸駅から城山を経てきた登山道と合流する。

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諏訪山から堂徳山を経てきた道が、城山から来た道に合流する

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二本松バス停で再度山ドライブウェイに合流する

「湊川神社神苑」の石刻があるが、3km以上南にある神社の神苑がここまでということなのだろうか。 そうなると、ここまで歩いてきた再度山ドライブウェイ沿いの山々も、神苑に含まれているということになる。

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二本松バス停から少し北に行った地点の再度山ドライブウェイ

500mほど紅葉が綺麗なドライブウェイを歩いて、並走する登山道へ。

しばらく行くと、毎日登山発祥の地の石碑のある善助茶屋跡。東屋があるので、ここで昼食。 元町駅から5.2km、1時間55分歩いてきた。

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毎日登山発祥の地の石碑のある善助茶屋跡

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昼食の「だし巻き卵弁当」 (業務スーパーで 税込み323円 税抜き299円)

善助茶屋跡から100mほど歩くと、大竜寺の石段の下に到達。

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大竜寺の石段

途中、仁王門を経て標高差30mほどの石段を登ると本堂がある。

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大竜寺 仁王門

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大竜寺 本堂(大師堂)

本堂の裏手に聳える山が、再度山(ふたたびさん)だ。

本堂付近に登り口はなく、登ってきた長い石段の西側にある小さな階段を少し降りると、再度公園に向かう登山道に合流する。

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再度公園への登山道から再度山の山頂への道が分岐

標識が「無い」方向に踏み跡があるので、そちらが山頂への道のようだ。急な坂道を上り詰めると、展望が開けた山頂。

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再度山の山頂は市街地方向の展望がある

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再度山(ふたたびさん 標高 470m) の山頂

再度山から布引ダムを経て新神戸駅へ

登ってきた道と逆側から下山すると、途中に大杉天狗を祀った巨岩がある。

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再度山の大竜寺 大杉天狗

この巨岩のところから下は大竜寺の境内のようで、ちゃんとした石段がある。 この道が、山頂への正式な道なのだろう。

大竜寺の境内を再び通り、長い石段を降り、再度山ドライブウェイのところまでやってくる。

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再度山ドライブウェイに面した大竜寺 山門

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大竜寺山門付近の紅葉

ここから先は、蛇ヶ谷林道 (六甲全山縦走路の一部分) を市ケ原まで歩く。

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蛇ヶ谷林道 (高雄山堰堤ちかくのトゥエンティクロス崩落で、設定された迂回路との合流点)

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市ケ原 (生田川の河原で何人かがお弁当を広げている)

ここから先は、ほぼ観光地となっている布引ダム湖の脇の道を歩く。

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市ケ原の紅葉茶屋

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生田川に流れ込む小川をせき止める河鹿堰堤

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布引ダム湖の脇にある廣助稲荷大明神

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水が抜かれた布引ダム湖

水がほとんど抜かれて、ダム湖の斜面が干上がっている。

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布引ダム湖の越流式余水吐

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布引ダムの堤体

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干上がった布引ダムの五本松かくれ滝

散策道をどんどん下っていくと、新神戸駅が見えてくる。

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登山道の出口付近、新神戸のビル群が見えてきた

稲荷山公園の登山口から、新神戸駅の登山口まで、距離9.4km、歩行時間は3時間30分。

■ 阪神本線 三宮駅 14:00発 → 尼崎駅 → 野田駅 14:35着 (運賃 310円)

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阪神尼崎駅に到着した直通特急