大阪都構想 (大阪市廃止構想) で、消防と水道が明らかにレベル低下する「可能性が高い」のに、マスコミはだんまりを決め込んでいる。
消防職員・部隊の地域偏在
大阪府の資料 http://www.pref.osaka.lg.jp/attach/27077/00272703/siryo04.pdf より、消防職員数、救急隊・救助隊・特別救助隊の数を抜き出してグラフ化してみた
維新の会は “大阪消防庁に一元化” すると公言している。
その場合、地域によって消防力に偏在があるのを将来的には「均されて」いくはず。 特に、面積当たりで突出して充実している大阪市内の消防力は、どんどん市外に振り分けられていく。
その結果、利点と問題点をまとめた http://www.pref.osaka.lg.jp/attach/28919/00000000/siryou5-1-2.pdf からピックアップすると
本来、大都市の大阪市内を管轄する消防職員が「なぜ、山間部での経験を積む」ために、たらいまわし人事を受けなければならないのか。
大都市に特化した専門性の学習を中途半端にし、山間部での経験も中途半端な、よく言えばゼネラリスト、悪く言えば使い物にならん隊員が発生する。
そのうえ、自分の住む地域ではない、何十キロメートルもかなたの緊急事態に対応する、土地勘も無ければ熱意もなくなるだろう… と、審議会では意見が実際に出ているのである。
・ 大阪市民の税金が、他地域の消防力の充実に使われる
・ 大阪市内の消防職員に、他地域の業務がのしかかり過重労働となる
その結果、
・ 同じ納税額でも、よりレベルの低い消防サービスしか受けれない
ということになるはずだ。
水道料金は、大幅値上げ
ここ http://www.pref.osaka.lg.jp/attach/10582/00057287/3%20ryokinkakusaH220728.doc に、分かりやすい比較表がある。
維新の会は、大阪市の「安価な」料金は引き上げないと “ リップサービス ” しているが、民主主義をないがしろにする党のリップサービスほど怖いことはない。
たとえば …
つい最近まで三権分立が存在した(と地元の人が認識していた)香港は、移行期間の約束 50年がたたないうちに、三権分立は消滅しましたとの宣言を受けたばかりだ。 経済さえよければ(自分の商売さえ儲かれば) 良いという、香港の上級市民たちが、中央政府とともに宣言したのだろう。 自治権返上、さもありなんである。
そして
大阪市が廃止されれば、「旧 大阪市民」 250万人 VS 「それ以外の大阪都民」 550万人 の多数決、いわゆる民主主義で、旧大阪市内の水道料金が安いのは民主主義に反するとの議決が出るのも時間の問題だ。
・ 大阪市内の水道料金が安いのは民主主義に反すると、他市町村の住民が告発
その結果
・ 民主主義に従って、大阪市民の水道料金は爆上げへ
それでも、大阪都になりたいですか
「大阪市民が長年積み上げてきた土地・水利権や施設などの資産」、あるいは「経験値を持った職員」 が、大阪市外にどんどん流出するのは確実です。
いくら、維新の会がリップサービスで “ サービス水準は落とさない ” といったところで、大阪市民 250万人 VS 大阪市外の市民 550万人 の多数決で、大阪市民の持つ比較優位の資産は、どんどん奪われていきます。
それが、自治権返上、自治体の廃止・解体という愚策「大阪都構想」を選択した愚かな大阪市民の将来なのです。