06 May 2020

飲食業(外食産業)は新しい生活様式の下では存在し得ない終了産業

2020年5月1日に発表された新型コロナウイルス感染症対策専門家会議の「新型コロナウイルス感染症対策の状況分析・提言」によれば、今後数年間続く新型コロナ時代に飲食業(外食産業)は安全性が担保できないため、存続し得ない終了産業となる。

“この感染症への対応は、長丁場を覚悟しなければならない。このため、本提言は、現在までの状況等の分析を行った上で、(中略) 基本的考え方や今後求められる対応” について総合的に示されたものだ。

感染経路と危険区域

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(1) 感染者が接触し付着したウイルスが感染源となる 「接触感染」

これは、バイキング形式を避けたり、飲食店内のトイレを使う時はゴム手袋をするなどで回避できるかもしれない。

(2) 感染者が会話し、咳、クシャミをすることで飛ばす飛沫が感染源となる 「飛沫感染」

全ての客が2m以上離れた座席配置の店なら回避できるかもしれない。これを身体的距離確保(ソーシャルディスタンス)といい、飛沫が料理に入る最も危険なシーンでもある。

(3) 感染者が会話することで周囲に広がっていく細かいミストが空気中を漂うことで感染源となる 「エアロゾル感染」

全ての客の風下側を避けるか、店内を相当強い風が吹き抜けるくらいの換気をしている店であれば避けられるかもしれない。 飲食店内で会話してエアロゾルを飛ばしている人間が居るところは避けなければならない。

本当にこんなことが可能なのか…。 屋外のテラス席で、まばらに1人用座席が置かれているようなイメージしか浮かばない。

飲食店の座席配置についての考察

最低2mの身体的距離確保を行う場合、飲食店の座席配置はどうあるべきか。 まず、ホールにテーブルが並ぶ一般的なレストランで考えてみる。 ファミレスなどでよく見かける座席配置での考察だ。

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現状の一般的レストランの座席配置 (収容客数 24名)

これを、全ての客が2mの身体的距離確保が出来るように再配置すると

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2mの身体的距離確保が出来る一般的レストランの座席配置 (収容客数 6名)

更に工夫すれば1〜2人程度は客数を増やせるかもしれないが、現状の4分の1程度の客しか入店させられないことになる。

次に、カウンター形式の店で考えてみる。 ラーメンやカレー、居酒屋などで多い座席配置での例だ。

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現状のカウンター形式の座席配置 (収容客数 15名)

これを次のように再配置する

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2mの身体的距離確保が出来る一般的レストランの座席配置 (収容客数 4名)

なお、座席間隔を2m離すのではなく、全ての座席の間にパーティションを設けることは“個室などの密閉した部屋の使用” に近づくため好ましくないとも指摘されている。

結論

以前から、食道で隣のオッサンがペラペラ話していてツバが私の料理に着弾したのを目撃したこともあり、飲食店とは怪しいなぁとなんとなく思っていた。

今回、専門家会議が「飛沫感染」「エアロゾル感染」「身体的距離確保(ソーシャルディスタンス)2m」という概念を出してくれたため、かなりスッキリと理解できた。

上述の考察から、スカスカの座席配置の飲食店以外は危険であるということだ。 しかし、そんな飲食店は見たこともなく、基本的にコンビニやスーパーの弁当を利用したほうが安全そうだ。

今後は損害賠償請求や傷害罪で起訴される可能性があるので、外食産業は株式投資の対象としてもふさわしくない業界だと思う。(インデックスETFには外食産業などがまだ含まれるのかもしれないが、外してほしいものだ)