29 January 2020

新型肺炎の感染防止には、海外旅行客の受け入れ停止が最良の対策

新型肺炎(武漢肺炎) 2019-nCoV が中国で発生し、全世界に向けて拡散中だ。

世界は中国全土からの入国拒否。日本は…

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WHO集計による2020/02/03のコロナウイルスの拡散状況

新型肺炎は武漢市、湖北省だけでなく、中国全土に感染者が広がっている。

アメリカは非常事態宣言を発令し、中国全土からの入国を拒否。 香港、マカオ、フィリピン、インドネシア、シンガポール、ニュージーランド … と各国が中国全土からの入国を拒否し始めている。

アメリカには、世界の感染症を研究するCDCがあり、その判断がアメリカの政策に反映されていると見て良いだろう。

それに比べ、日本は「湖北省からのみ入国拒否」である。 今でも続々と、湖北省以外の中国全土から日本に観光客がやってきている。 その結果、中国以外で最も感染者が多いのが日本だ。

日本も先進的なアメリカや、周辺諸国から学び、中国全土からの観光客の入国拒否をしたほうが良いと思う。

(その代わり、バーチャル空間での商取引を促進したり、互いの関税を臨時に撤廃したりするなど、輸出入を促進するような何かは必要だろうけど…)

感染経路

発熱、咳などの症状が出ない「無症状」でも感染源になることが公式発表されている。

ウイルスに感染した人の、咳、クシャミ、会話などで口から「ウイルス入りの飛沫」を飛ばすため、それを浴びた人が次々と感染する。

これを、「濃厚接触」という。

感染を避けたければ、ウイルスのキャリアと考えられる人から、数メートル以上離れるべきだ。 (勢い良くクシャミや咳をすれば、2〜3m以上、飛沫が飛ぶ)

今後の感染拡大の予想

The rate of spread (感染症の伝播速度シミュレーション)

Estimates of the Ro or Reproductive number are in the 2 – 3 range (or lately 1.4 – 2.5) but changing fast. An Ro of 2 means one person is likely to infect 2 others, which makes it on par with influenza in terms of spreadability (and thus “stoppability” once it has gained a foothold).

( 一般的なウイルス、細菌の伝播速度は2から3の間で、最近は1.4から2.5のものもあり、ウイルス等の性質の変異で速度が変わることもある。  伝播速度 Ro = 2 は、1人の患者が2人に感染させることを意味し、このようにインフルエンザは急速に広まることになる )

Ro examples: Ebola, 1.5 – 2.5; Influenza 2 – 3; Munps 4 – 7; Polio and Smallpox 5 – 7; Measles 12 – 18

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Corona virus and those exponential curves we don’t want

この非常事態は、今後数カ月間続くということだ。 感染者数がピークを迎えるのは3月から5月の間だと言われている。

SARSの時、非常事態が解除されたのは半年以上経ってからだ。 今回も、夏をすぎる頃まで危険だということ。

新型肺炎の予防

外国人観光客が居る場所に近づかない … 2月6日現在、日本国内での感染者は外国人観光客と関わった人たちがほとんどです。

繁華街、観光地、デパートや量販店、外食など 外国人観光客が好む場所に近づかない … 感染者の咳、くしゃみ、会話で飛散する飛沫(ウイルス)を避けましょう

ホテルや旅館など、自宅外で宿泊しない … 2003年のSARSがパンデミックの始まりは、香港のメトロポールホテルで大量感染が出たからです。 個室であっても、同一フロアはダクトや空調機を介して空気循環している場合があります。 ドアの取っ手を消毒するなど、気休めに過ぎません

外食しない … 食事で口を開ける動作でさえ、飛沫の飛散があります。 直接口に入れる食品に飛沫がひと粒でも飛び散っていれば、その中にウイルスが何万個あるのか… 想像してみてください。

・ 飛沫の直撃はマスクや手洗いでは防げません。 とにかく外出を減らしリスクを減らしましょう

・ 日本の報道を過信せず、自ら各国の情報を集め判断しましょう … 日本の報道の自由度はG7最下位、世界で67位です

敵はインバウンドにあり

日本のインバウンド産業は、500兆円あるGDPのうちたった1%(5兆円)を占めるに過ぎない。

しかし、日本政府はインバウンド業界と、インバウンド客を送り出す中国政府に首根っこを押さえられているように見える。

拡大続く「新型肺炎」で中国依存があらわに、経済や東京五輪への影響は?
現在、日本には年間3200万人の外国人観光客が訪れており、小売店や外食産業はもはや外国人観光客なしには成り立たない。外国人といっても、その半分以上は中国、香港、台湾といった中華圏からの観光客であり、特に中国本土からの観光客は約1000万人と突出している。

 つまり日本における外国人観光客というのは、多くが中国人観光客であって、欧米からの観光客ではない。逆に言えば、中国から日本にやってくる観光客が減ってしまうと、インバウンドビジネス全体が大打撃となってしまう。

 政府はあえて口にしていないのかもしれないが、仮に事態の収束に時間がかかった場合、東京五輪開催に大きな逆風となるのは間違いない。

経済評論家 加谷珪一

https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20200205-00037627-biz_plus-bus_all

市民の生命が掛かっている時に、国境を「一部の業界や他国に忖度して」守れない現在の日本政府。 先進国から落ちこぼれ、衰退する国というのはこういうものなのだろう。

どうせ衰退するのなら、中国の軍門に下るのなら、多くの日本人を犠牲にして金を稼ぐだけのインバウンド業界やIR業界を守る必要などあるのだろうかとも思う。