13 November 2019

神戸市立森林植物園と高雄山

京阪神の紅葉情報で、真っ先に「見頃」となっている六甲山にある神戸市立森林植物園。 摩耶山に登る途中にあるのだが、今回は森林植物園を目的地として紅葉見物に出かけた。

ヤマレコの記事 『神戸市立森林植物園・高雄山(トゥエンティクロス迂回路経由)

20191113-sannomiya-station.jpg
三宮駅で直通特急を下車

■ 阪神本線 野田 07:23発 → 07:29着 尼崎 07:36発 → 神戸三宮 08:01着 (運賃 310円)

ハイキングの出発は三宮駅。 通勤ラッシュが始まる少し前で、駅も地下街もそれほど混雑していない。

市街地のフラワーロードを、六甲山の山裾にある新神戸駅前まで約1.5kmほど歩く。

20191113-shinkobe-station.jpg
新神戸駅

新神戸駅から布引ダムまで

20191113-map.jpg

GPXファイルをダウンロードする | KMLファイルをダウンロードする

新幹線の高架下をくぐり抜け、布引の滝へ向かう布引公園の園路に入る。 新神戸駅から歩くこと、ほんの2分。布引の滝 雌滝(落差19m)前の観瀑橋(休憩所)に到着。 平日の早朝だからか、園路を歩く登山者は皆無。 滝を眺める休憩所にも誰も居ない。

20191113-nunubiki-medaki.jpg
布引の滝(雌滝 めんたき)

急な階段と坂道を登り、およそ4分ほどで布引の滝 雄滝(落差43m)の前に到達。

20191113-nunubiki-odaki.jpg
布引の滝(雄滝 おんたき)

20191113-nunubiki-medaki-yukihira.jpg
布引の滝(雄滝)にある在原行平歌碑

我世をば 今日か明日かと 待つ甲斐の
    涙の滝と いづれ高けむ

雄滝の前にある狭ご路も橋(休憩所)は、標高およそ130m。 三宮駅から、標高差120mほど登ってきたことになる。

さらに急な階段を登りきると、展望台がある。標高150mで、三宮駅から35分掛かった。

20191113-nunobiki-miharasidai.jpg
布引みはらし展望台 (標高 約150m)

みはらし展望台から見る景色は、この時間は逆光で白く霞んで眩しいだけだった。

10分弱、ダラダラと坂を登っていくと布引ダム(五本松堰堤)がある。 堰堤手前の紅葉がちょうど良い具合に色づいている。

20191113-nunobikidam01.jpg
布引ダム(五本松堰堤)と紅葉

20191113-nunobikidam02.jpg
布引ダム(五本松堰堤)

布引ダムから市ケ原分岐まで

布引ダム(五本松堰堤)から上流方向へ、貯水池の岸辺に沿った園路を北へ。ところどころ、ちょうど良い具合に色づいたモミジがある。

20191113-nunobikidam03.jpg
布引貯水池の脇を通る園路 (標高 約210m)

布引ダムの堰堤から歩くこと、約10分で市ケ原の「紅葉の茶屋」。さらに5分ほど歩くと「桜茶屋」と公衆トイレがある。

20191113-itigahara-toilet.jpg
市ケ原の公衆トイレ (標高 約250m)

公衆トイレ入口の壁に、「この先通行止め・迂回せよ」のお知らせが掲示されている。

20191113-itigahara-osirase01.jpg
市ケ原に掲示された、トゥエンティクロスの崩落箇所迂回案内

20191113-houraku-picture.jpg
高雄山砂防堰堤付近の崩落現場空中写真(神戸市役所)

砂防堰堤の下流を渡渉し、急な崖を登って堰堤の右岸脇を通過するところが崩落しているのが写真から見て取れる。

20191113-houraku-map.jpg
高雄山砂防堰堤付近の崩落に対応した迂回路地図(神戸市役所)

市ケ原から、再度公園(ふたたび こうえん)と高雄山の間を通る林道・森林管理道を経由して、高雄山砂防堰堤の上流にあるあじさい広場付近に回り込むコースが迂回路として指定されている。

市ケ原分岐から高雄山を経由して分水嶺越まで

20191113-takaoyama-map.jpg

せっかくなので、高雄山(標高476.0m)を通っていくことにする。 迂回路のお知らせ貼り紙がある公衆トイレから桜茶屋前まで少しだけ戻り、生田川河川敷に続く階段を降りる。

20191113-ichigahara-bunki.jpg
市ケ原の生田川左岸 分岐点(右側の生田川河川敷に降りる階段へ進む)

20191113-ichigahara-ikutagawa.jpg
市ケ原堰堤の上流に架かる木造橋を渡る

橋を渡るとすぐに、ベンチなどが置かれた広場がある。ここは、再度公園へ向かう道と、高雄山の尾根道が分岐する場所でもある

20191113-ichigahara-ugan.jpg
市ケ原の生田川右岸 (橋の袂から撮影) … 左側の広場が再度公園方向、右の階段が高雄山南尾根

高尾山の山頂へは、ここから南尾根を直登するのが近道のようだ。 迂回路を解説する地図には“急坂 すべり注意”と表記されていたが、とりあえずこの道を試してみることにする

20191113-takaosan-onemiti.jpg
高雄山 南尾根 標高270m付近

急な尾根道を30mほど登っていくと、だんだんとヤセ尾根になり、風化した砂と落ち葉が積もって確かに滑りやすい。 滑ると、どちらかの斜面に転落するので、ウエアが破れたりするかも…

南尾根の直登からは撤退し、別の登山道を試してみることにする。 そのために、再度公園へ向かう林道を進む

20191113-futatabihigasitani.jpg
再度東谷の林道

10分弱歩いていくと、再度東谷の舗装林道から蛇ヶ谷方面への道が分岐する。迂回路は、再度山と高雄山の間の蛇ヶ谷を通る道が指定されているので、そちらの道を選択する。

20191113-futatabihigasitani-bunki.jpg
再度東谷から蛇ヶ谷方向への分岐点

小川に沿った道を緩やかに登っていき、5分ほどで蛇ヶ谷の分岐点に出る。

20191113-hebigatani-bunki.jpg
蛇ヶ谷分岐点 (標高 約350m)

蛇ヶ谷の逸話を記した立札がある。

旧蹟 蛇ヶ谷 和気清麻呂公遭難の地

“神護慶雲年間、清磨呂公塔建立の為、再度山へ登る途中、道鏡の刺客に今にも殺されんとした時、大龍が現れて救われた。かくて頂上に清麻呂公建立の寺を大龍寺と名づく。延歴年間、弘法大師この山に二度登って修法されたので再度山修法ヶ原と名付けた”

なぜ「蛇ヶ谷」と名付けられたのかは、分からずじまい…

この分岐点から、高雄山の山頂へ続く道が迂回路だ。もちろん、山頂方向へ向かう。3分ほど登っていくと、巻道と直登道の交差点。

20191113-takaoyamanisi-bunki.jpg
高雄山西斜面の直登道と巻道の交差点 (標高 約400m)

標識があり、山頂方向はこの写真の正面の大きな木の根を登っていくというコースになっている。 ここは山頂方向へ前進あるのみだ。

この道も南尾根と同じく花崗岩が風化して滑りやすい砂が覆っている道だが、尾根ではないので少々滑り落ちても道の横が切れ落ちていることはないので安心だ。

登っていくと、ほんの少しだけ岩場がある。

20191113-takaoyamanisi-iwaba.jpg
高雄山西斜面登山道の岩場

まもなく、北尾根の登山道と合流。

20191113-takaoyamakita-bunki.jpg
高雄山の北尾根登山道と西斜面直登道の分岐点 (標高 約450m)

ここから先は、緩やかな尾根道が続き山頂に到達。

20191113-takaosan-santyou.jpg
高尾山の山頂(標高 476.03m)

周囲は木々に覆われて眺望は全く無い。下山は、もと来た道の北尾根を下っていけば分水嶺越の林道に出るはずだ。

ここで方向を間違えて、南尾根を下ってしまう。 40分ほど前、南尾根の途中で断念し下山したときにすれ違った登山者が向こうからやってくる。 ここで気づけばよかったのだが、あくまで無関心ですれ違ってしまう。

20191113-takaosan-onemiti02.jpg
高雄山南尾根の標高450m付近

登ってくるときの北尾根には見かけなかった巨大な岩の間を通り抜け、滑りやすい急な尾根を下ること10分弱。中腹を巻く森林管理道との分岐点に出る。

標高400m付近の西斜面を巻く森林管理道に入ると、あまり人が歩かない道なのか、ところどころ崩落しつつあるような滑りやすい場所もある。

20191113-takaoyamanisi-rindou.jpg
高雄山西斜面、標高400m付近を通る森林管理道 (ほぼ崩落している)

先程通った「高雄山西斜面の直登道と巻道の交差点」にたどり着き、さらに森林管理道を進み北へ。

道は谷底から緩やかにのぼり、高雄山の北尾根の道と合流する。

20191113-takaoyamakita-bunki02.jpg
高雄山の北尾根分岐点2箇所目

ここで、「迂回路」と標識に記された方向へ行くと、地理院地図では全く記載のない谷底方向へ向かって降りていく。その先には、高雄山堰堤の崩落現場があるので、こりゃまずいと引き返す。

残っているのは、北方向に続く高雄山の尾根道だけだ。地理院地図には記載されていないルートがだ、仕方ない、進んでみる。

20191113-takaoyamakitaone.jpg
高雄山の北尾根 標高410m付近

日が差し込む気持ちの良い尾根道は、小さなこぶを登ったり降りたりしながら分水嶺越の林道に合流した。

地理院地図は、登山道が錯綜する六甲では時により当てにならんな…

20191113-bunsuireikoe.jpg
分水嶺越林道と高雄山北尾根の分岐点 (標高 約400m)

分水嶺越林道から森林公園東口へ

砂利道の分水嶺越林道を進んでいくと、あじさい広場へ向かう道と、トゥエンティクロスにショートカットする道の分岐点に出る。

迂回路の表示がここにもあり、あじさい広場には行ってはならないと書かれている。ショートカット道の方を下っていくと、生田川沿いの登山道(トゥエンティクロス)に合流

20191113-twentycross-bunki.jpg
分水嶺越林道からの短絡道とトゥエンティクロスとの分岐点 (標高 約310m)

ここから先は、かつて摩耶山に登る時に何度か通ったことのあるなだらかな川沿いの道だ。

20191113-nijyusyouentei.jpg
二十渉堰堤

20191113-twentycross.jpg
二十渉堰堤上流の生田川沿いの登山道(徳川道)

森林公園東口の生田川渡渉部分は、ほとんど水量がなくあっけなく渡ることができる。

20191113-sinrinkouen-higashi.jpg
森林植物園東口の生田川渡渉部 (標高 約350m)

神戸市立森林植物園


森林植物園
の入場料は300円。 植物園にしては安めの価格設定だ。

20191113-sinrinkouen-higashi-kouyou.jpg
森林植物園東口付近の紅葉

20191113-sinrinkouen-nagataniike01.jpg
森林植物園 長谷池(はせいけ)

20191113-sinrinkouen-nagataniike02.jpg
森林植物園 長谷池

20191113-sinrinkouen-nagataniike03.jpg
森林植物園 長谷池

20191113-sinrinkouen-natutubaki.jpg
森林植物園 ナツツバキ林の紅葉

20191113-sinrinkouen-ajisaien.jpg
森林植物園 あじさい園の紅葉

20191113-sinrinkouen-irohakaede.jpg
イロハカエデ

20191113-sinrinkouen-hautiwakaede.jpg
ハウチワカエデ

森林植物園から三宮へ

森林植物園の正面入口から出て、登山道(山田道)を少し歩くと新興住宅地(桜森町)に出る。

20191113-sinrinkouen-syoumen.jpg
森林植物園 正面入口

山を切り開いて造成された桜森町は、Googleマップには掲載されているが、国土地理院地図にはまだ反映されていない。ごく最近、開発されたのだろう。

20191113-sakurasinmati.jpg
桜森町 (さくらしんまち)

この新興住宅地の西の端にバス停がある

20191113-sakurasinmati-bus.jpg
桜森町バスセンター

1時間に2本(朝夕は1時間に3本)、新神戸トンネルを通って三宮行きの直通バスがここから出ている。 かなり山奥なのに、便利だ…

■みなと観光バス 桜森町バスセンター 12:30発 → 三宮山手 12:55着 (運賃 500円)

ちょっと遅めの昼食は阪神三宮駅とJR高架の間にあるサンパル1階の松屋で牛丼(320円)。

■阪神本線 三宮駅 13:20発 → 13:43着 尼崎駅 13:49発 → 野田駅 13:54着 (運賃 310円)