21 July 2019

選挙でも具体的な議論すらされなかった「老後2000万円問題」を考察してみた

“老後のために、自己資金は2000万円ゼッタイ必要” という金融審議会報告書が握りつぶされ、様々な立場の人たちがそれぞれいくら金融資産を準備しないといけないのか、全く議論されることもない日本の政治。

アホらしくて、選挙など行ってられるか… という人も多いのでは

つい先日発売された「ダイヤモンド ZAi」にわかりやすい図表があったので転載してみる。

年金額の速算

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※データ出典 ダイヤモンド ZAi

現在のお年寄りの実際の老齢厚生年金受給額

男女の平均受給額 144,903円/月 × 12ヶ月 = 1,738,836円/年 (約1,589万人)

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男性の平均受給額 165,668円/月 × 12ヶ月 = 1,988,016円/年

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女性の平均受給額 103,026円/月 × 12ヶ月 = 1,236,312円/年

※データ出典 シニアライフ https://seniorguide.jp/article/1061180.html

年金受給者の家計収支

現在の家計収支を、政府がモデルとしている夫婦2人と、私のような孤独老人の2パターンで…

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高齢単身者の年金受給額は、国民年金の人と厚生年金の人を全てまとめて平均を取ったものと思われる。だから金額が厚生年金の場合の1,738,836円/年ではなく、107,171円/月(1,286,052円/年)となっている

政府のこの統計は非常に悪意が感じられ、住宅費が「持ち家・一戸建て」の場合だ。 マンションの場合は管理費・修繕積立金・固定資産税が、借家の場合は家賃が、この統計より遥かに多額に掛かることになる。

※データ出典 ダイヤモンド ZAi

マクロ経済スライド

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現在の所得代替率が62.7%、将来は50.6%になる。つまり、50.6/62.7 = 0.81 ということで、19%カットされる。

※データ出典 ダイヤモンド ZAi

2%の平均インフレ率の場合、将来どうなる?

さらに、安倍政権の目標は “インフレ率2%になるまで無限に金融緩和する ” ということで、この表の1979年生まれが65歳になるのは2044年 (25年後)に物価は 1.02 ^ 25 = 1.64 になっているはず。

年金は18%カットされ、物価は64%上がる。 25年後には年金額が198万円/年から160万円/年に額面が減らされ、さらに物価を加味すれば現在の価格で97万円/年相当額しかもらえないことになる

簡単にグラフ化するとこんな感じになるだろうか

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驚愕の将来ですね。

現在の物価水準で考えてみると、 978,271 円/年 ÷ 12ヶ月 = 81,522円 /月 の年金受給額に対して、生活費が154,742円/月必要。 不足額は73,220円/月。 年額で878,640円/年が不足する。 30年間で2,636万円の自己資金が必要という計算になる。

2044年以降もマクロ経済スライドでどんどん年金額が減らされ、2%インフレが継続した場合、さらに多くの自己資金を容易すべしである。

さあ、どうであろうか。 『無駄遣いは悪だ』 『趣味は貯金・資産運用』 をさらに強化しないといけないということだ。

衣・食は生命維持できる最低限の質素化の習慣をつけとけば、老後には困らないと多くの経済評論家が論評しているが、どのレベルまで質素化すればよいのだろうか…。 もちろん、趣味や娯楽はゼロ査定で (笑

政府は、国民全てを修道士か禅僧にリクルートしたいのだろうか。 確かに平和で充実した世界になるかもしれん