推定回路図
ヒーター | 100Ω | |
手動復帰バイメタルサーモスタット | 500〜1,000円 | |
温度ヒューズ | 192℃ | 100〜200円 |
ヒューズ | 250V 5A | 10〜20円 |
非常に単純な回路で、部品も最小限しか使っていない。単純なので、電気回路側が故障する可能性は低そうだ。 (amazonのコメント欄では、筐体かヒーターが割れて漏水する不具合が頻発しているらしい)
しかし、電気部品がほとんど使われていない、これほど単純なものが2,000円もするのか…。
他社の回路図を推定したものが『Yamazen Hacks 山善の加湿器 KS-A253 をhackする』に掲載されているが、設計思想が大きく違うのには驚かされる。
加湿器のような単純な製品は、全社リファレンス回路通りに作ってるのではないようだ。
試運転
1時間試運転した。
室内の温湿度記録(横軸が時間で24時間)より、1時間で温度は18℃で一定、湿度は44%から51%に上昇した。
温度変化(ピンク着色部)
湿度変化(ピンク着色部)
室内にどれだけの水分が供給されたのか、この湿度変化より計算してみる。
Wikipediaの『飽和水蒸気量』に掲載されている公式では
飽和水蒸気圧 eT (hPa) = 6.1078 × 10 ^ ( 7.5×T / ( T + 237.3) )
飽和水蒸気量 aT (g/m^3) = ( 217 × eT ) / ( T + 273.15 )
ここに、 T = 18 ℃ として計算すると、
飽和水蒸気圧 eT = 20.646 hPa
飽和水蒸気量 aT = 15.388 g/m^3
となる。
湿度 RH = 44% のときは、 aT × RH = 6.77 g/m^3
湿度 RH = 51% のときは、 aT × RH = 7.84 g/m^3
差 ⊿aT = 7.84 - 6.77 = 1.07 g/m^3
実験を行った部屋の容積は、V = 幅2.9m×奥行3.5m×高さ2.7m = 27 m^3
室内に放出されたと考えられる水蒸気量は
⊿aT × V = 1.07 × 27 = 28.9 g
実験台の加湿器SHM-120Dの能力は120g/hのはずなので、かなり差がある。壁や天井、あるいは絨毯や家具などに吸収される水分量が大部分を占めるのだろう。