WSL (Windows Subsystem for Linux) でGUI版のテキストエディタやターミナルを使えれば便利なので、Windows 10側にX Serverをインストールして試してみた。
WSL (Windows Subsystem for Linux)版Ubuntuのインストール
以前より利用していた「Bash on Windows」を完全にアンインストールしてから、最新版の「Windows Subsystem for Linux」をインストールする必要がある。
コマンドラインからアンインストールを行う。
lxrun /uninstall /full
WSL (Windows Subsystem for Linux)版Ubuntuと干渉するソフトのアンインストール
Ext2Fsd(Ext2 File System Driver for Windows)がインストールされていると、起動時にWindowsが「お待ちください」のまま無限ループに陥るので、このソフトウエアも同時にアンインストールしておく。
無限ループに陥ってから、セーフモードで起動し、一つづつソフトウエアを外していくこともできるが…
時間と手間を無駄にしました…
WSL (Windows Subsystem for Linux)版Ubuntuのインストール
Microsoft Storeよりインストールすると、スタートメニューに自動登録されるので便利。 または、以前からのように次のごとくインストールしてもよい。
lxrun /install
インストール後は、Ubuntuのターミナルを起動して、必要な初期設定を行う。
・ aptリポジトリ/etc/apt/sources.list
を日本のサーバに切り替える。 ミラーサイトの一覧はUbuntu Japanese Teamの日本国内のダウンロードサイトより入手できる。
sudo sed -i.bak -e "s%http://archive.ubuntu.com/ubuntu/%http://ftp.iij.ad.jp/pub/linux/ubuntu/archive/%g" /etc/apt/sources.list
リポジトリ変更後、システムのアップデートが目に見えて早くなります…
sudo apt-get updatesudo apt-get upgrade
日本語環境の整備
IPA日本語フォント(ゴシック、明朝)のインストール (約28.8MBytes)
sudo apt-get install fonts-ipafont
日本語パックのインストール(14.8MBytes)と、ロケールを日本語に変更
sudo apt-get install language-pack-ja sudo update-locale LANG=ja_JP.UTF-8
日本語版のmanページをインストール(3.5MBytes)
sudo apt-get install manpages-ja
ここでいったんWSLをログアウトし(exitコマンド実行)、再度開いてから
タイムゾーンを日本(東京)に切り替え
sudo dpkg-reconfigure tzdata
セットアップ直後の英語環境での表示
$ locale LANG=en_US.UTF-8 LANGUAGE= LC_CTYPE="en_US.UTF-8" LC_NUMERIC="en_US.UTF-8" LC_TIME="en_US.UTF-8" LC_COLLATE="en_US.UTF-8" LC_MONETARY="en_US.UTF-8" LC_MESSAGES="en_US.UTF-8" LC_PAPER="en_US.UTF-8" LC_NAME="en_US.UTF-8" LC_ADDRESS="en_US.UTF-8" LC_TELEPHONE="en_US.UTF-8" LC_MEASUREMENT="en_US.UTF-8" LC_IDENTIFICATION="en_US.UTF-8" LC_ALL= $ date Thu May 3 20:23:56 DST 2018 $ man ls LS(1) User Commands LS(1) NAME ls - list directory contents SYNOPSIS ls [OPTION]... [FILE]... DESCRIPTION List information about the FILEs (the current directory by default). Sort entries alpha‐ betically if none of -cftuvSUX nor --sort is specified.
日本語環境に切り替われば次のように表示される。
$ locale LANG=ja_JP.UTF-8 LANGUAGE= LC_CTYPE="ja_JP.UTF-8" LC_NUMERIC="ja_JP.UTF-8" LC_TIME="ja_JP.UTF-8" LC_COLLATE="ja_JP.UTF-8" LC_MONETARY="ja_JP.UTF-8" LC_MESSAGES="ja_JP.UTF-8" LC_PAPER="ja_JP.UTF-8" LC_NAME="ja_JP.UTF-8" LC_ADDRESS="ja_JP.UTF-8" LC_TELEPHONE="ja_JP.UTF-8" LC_MEASUREMENT="ja_JP.UTF-8" LC_IDENTIFICATION="ja_JP.UTF-8" LC_ALL= $ date 2018年 5月 3日 木曜日 20:30:16 JST $ man ls LS(1) ユーザーコマンド LS(1) 名前 ls - ディレクトリの内容をリスト表示する 書式 ls [オプション]... [ファイル]... 説明 FILE に関する情報を一覧表示します (デフォルトは現在のディレクトリ)。 -cftuvSUX または --sort が指定されない限り、要素はアルファベット順で並べ替えられます。
Windows版X ServerのVcXsrvをインストールする
SourceforgeのVcXsrv Windows X Serverの公式ページから、最新版をインストールする。この記事の時点では、Version 1.19.6.4 が最新版。
インストールしたら、GUI版のLinuxソフトウエアを起動する前に、Windows内でVcXsrvを起動しておく。
GUI版アプリケーション
bashターミナルからGUIアプリを起動するときは、毎回次のように環境変数を指定しつつ起動するか
$ DISPLAY=localhost:0.0 lxterminal
あるいは、~/.bashrc
に環境変数を記述する。
軽量なものとして、次のようなアプリをインストールした
・ lxterminal - ターミナル (22.5MBytes)
・ lxtask - タスクマネージャー (0.06MBytes)
・ leafpad - テキスト エディタ (0.7MBytes)
・ geany - テキスト エディタ (10.8MBytes)
・ gftp - sftpクライアント (0.7MBytes)
日本語IMEのインストール
21MBytesほどのuim-anthyパッケージをインストールする
sudo apt-get install uim-anthy uim-fep uim-xim
.bashrc
に次の設定を追加する
# GUI application connect to VcXsrv
export DISPLAY=localhost:0.0
# 日本語変換 UIM の設定
export XMODIFIERS=@im=uim
export XIM=uim
export QT_IM_MODULE=uim
export UIM_CANDWIN_PROG=uim-candwin-qt
if [ $SHLVL -eq 1 ]; then
uim-xim &
fi
また、uim設定ファイルを新規作成する
(define default-im-name 'anthy) (define-key generic-on-key? '("Henkan_Mode" "zenkaku-hankaku" "<Control> " "<Control>\\")) (define-key generic-off-key? '("Muhenkan" "zenkaku-hankaku" "<Control> " "<Control>\\"))
WSL版Ubuntuのシステム設定画面
Windows 10の「設定」 - 「アプリと機能」 - 「Ununtu 項目」内の 「詳細オプション」 より、次のような設定画面を開くことができる。
アンインストールしなくても、設定をリセットできたりするようだ。
開発環境のインストール
必要最低限のパッケージ build-essential をインストールする。容量は144MBytes … とかなり大きいが、開発環境を使うためだけに WSL をセットアップしているので仕方がない
sudo apt-get install build-essential