年末年始に寒波が襲来し、愛宕山に雪が積もっているのがヤマレコやTwitterなどに投稿されている写真で知った。近場の雪山ハイキング 行かなくては…
ヤマレコの記事『京都 愛宕山 (表参道 清滝 〜 愛宕神社)』を見る。
自宅 〜 清滝
■ 京阪中之島線 中之島駅 07:14発 → 大江橋駅 07:17着 (定期券区間)
大江橋駅から阪急梅田駅まで、御堂筋沿いに歩く。途中のダイエーfoodium(24時間営業スーパー)で、昼食用のおにぎり2個を購入(177円)。
■ 阪急京都線 快速急行 梅田駅 07:44発 → 桂駅 08:22着
■ 阪急嵐山線 桂駅 08:30発 → 嵐山駅 08:37着 (運賃 梅田から 400円)
嵐山駅の改札を出ると、目の前のバス停には長い行列ができている。 嵐山駅の改札口を真っ先に通過したので、バス1両の定員ぎりぎり乗車できるくらいの位置に並ぶことが出来た。
清滝行きのバスは、京都駅が始発なので、嵐山にやってきた時には既に数人の乗客が乗車している。しかし、嵐山から乗りきれないくらいの乗客が乗り込み満員。 積み残しもかなり出ていた。
■ 京都バス 阪急嵐山バス停 08:48発 → 清滝バス停 09:03着 (運賃 230円)
もちろん、バスの乗客のほとんど全ては清滝まで乗車。 愛宕神社への初詣登山する客ばかりだと思われる。
GPSログ
トラッキングログの元ファイルをダウンロードする場合はこちら(GPXファイル)。
清滝 〜 水尾わかれ休息所
バス停を降りた乗客の多くは、バス停に貼りだされている時刻表の周りに集合している。 団体客が待ち合わせているのか、それともバスの時刻を調べているのか…
私も含め、地元民や慣れた個人登山客はバス停付近をすぐに通り過ぎ、公衆トイレのある清滝川に架かる橋の方へ足早に下っていく。
2〜3分程度で清滝川に架かる橋「金鈴橋」の所までやって来る。ここに公衆トイレがあり、次の公衆トイレは愛宕山山頂付近の社務所の所なので、必ずここで用を足しておく必要がある。
バスに乗車した嵐山駅付近に比べ、清滝はかなり寒く感じるため、レインウエアのズボンを重ね履きして出発。
9時12分、登山口の愛宕神社 二の鳥居を通過。
登山口からいきなり急登が始まる。
1882年(明治15年)に開校。小学1年・2年生が登校したという。1922年(大正11年)火災により廃止・移転となったそうだ。
しばらくは岩でガッチリと組まれた歩きやすい階段だが、しばらくすると踏み石の一部だけが岩の少し歩きにくい階段に変わる。それでも、神社の表参道なので一般的な登山道よりは遥かに整備レベルが高い道だ。
火燧権現は、1879年に愛宕神社銅鳥居横に「燧神社」として移転したため、現在は跡地が残る。
9時38分(登山口から26分)、二十五丁目茶屋跡の休憩所(三合目休憩所)に到着。 急登で運動量が増え、汗をかき始めたのでミドルレイヤーとして着ていたウルトラライト・ダウンジャケットと長袖トレーニングウエアを脱ぐ。着用している残りは、ヒートテック・クルーネックTシャツと、モンベルのライトシェル・アウタージャケットのみ。
ここの気温は5℃。今日は暖かい天気だ。その代わり、雪が解けて山道はところどころぬかるみ道になっている。
9時54分、水口屋跡(五合目)休憩所(標高 約500m)を通過。休憩処の入口付近は、近寄りがたいくらいのぬかるみ道。
9時56分、大杉大神(標高 約540m)に到達。去年の初詣時に見た時には祠があったのだが、いまは完全に破壊されている状態。
2017年10月22日から23日にかけて近畿地方に接近した、台風21号の暴風雨により、「大杉」が倒木したようだ。
大杉大神を過ぎて10分ほど歩いて行くと、少しずつ残雪が目立つようになってくる。道のぬかるみ具合も、だんだん盛大になってくる。
10時18分、登山口から1時間6分経過したところで、水尾わかれ休息所に到着。 休息所入口の柱に温度計があり、マイナス1℃を指している。
水尾わかれ休息所 〜 愛宕神社
水尾わかれを通り過ぎ、ほんの1分程度先に進んでいくと道が凍り始めている。
ハナ売場は火伏の神花である樒(しきみ)を売っていた小屋跡。 道がかなり滑りやすくなってきたため、ここでアイゼンを装着。
チェーンアイゼンと、コンパクト・アイゼンの2種類を持ってきているが、今回はコンパクト・アイゼン(モンベル コンパクトスノースパイク 8本爪)を使う。 チェーンアイゼンは、雪が積もっている所では雪を団子状態にくっつけてアイゼンの役を果たさないので、雪がある所では使えそうにない。
以前から存在した倒木付近は完全に雪道になっていたが、それでもアイゼン装着せずに歩いている人がたくさん居た。 子供連れで、親子ともにアイゼン無しとか無謀にも程がある登山客も…
もうそろそろ黒門… という場所に新たに盛大に倒木が登山道の頭上を横切っている所がある。Web検索では、これも昨年2017年10月末の台風21号の影響だそうだ。
電線が倒木の幹に押し下げられて、切れそうになっているのだが大丈夫なのだろうか…
この倒木をくぐるとすぐに黒門が見えてくる
この辺りまで来ると雪がしっかりと積もっていて、たくさんの登山者が通って雪を蹴散らしても、登山道に黒い地面が顔を出すようなことはない。
10時40分(登山口から1時間28分、水尾わかれから20分)、黒門を通過。
江戸時代までここには愛宕神社と白雲寺が同居していた(神仏習合)。 明治新政府が出した神仏分離令により寺は破却され惣門(現在の黒門)のみが残ったという。
10時43分、登山道から神社の境内に出て、社務所の南端付近に到着。 嵯峨消防分団のプレートはここが40/40なので、登山は一旦ここで終わりという位置付け。ただし、これから先にも標高差50mくらいの石段が続いている。
参道横の桜並木がある広場に、雪に埋もれた献木の碑がある。
これは日本海軍の重巡洋艦愛宕の戦没者の慰霊碑だ。1944年10月、レイテ沖海戦に出動した愛宕が、フィリピン近海でアメリカ海軍の潜水艦に撃沈され、その時の戦死者400名を慰霊するために建てられた石碑。この石碑付近の山桜100本は慰霊のために植樹したものだそうだ。
ここから標高差50mの杉林の中の石段が続く。東京の愛宕神社の石段は「出世の石段」だそうだが、京都の愛宕神社ではどうなのだろうか。
アイゼンを装着していない、「なんちゃって登山客」がツルツルと滑りながら石段の端っこを登り降りしている。転んで怪我するのは本人の問題だが、人が下に落下して巻き添えを食らうのだけは勘弁してほしい。
階段を登り切ると、鳥居と門がある。
周囲の木々には雪が積もり、ほぼ凍りついているように見える
門には門松が置かれていて、霧氷で真っ白に凍結している
10時56分、登山口から1時間44分、水尾わかれ休息所から38分、標高 約920mの社殿入口に到着。 山頂は社殿の回廊内のどこかにあるので、ま、一応ここが山頂ということで…。
大きな犬を散歩に連れて来ている人が居た。犬も雪山は嬉しいのだろうか。
愛宕神社 本殿
Wikipediaによれば、愛宕神社は『全国に約900社ある愛宕神社の総本社で、火伏せ・防火に霊験のある神社として知られている。また、神仏習合時代は愛宕権現を祀る白雲寺だった』そうだ。
明智光秀が本能寺の変で信長を討つ前に、この愛宕神社で催した連歌会で詠んだ詩
時は今 天が下しる 五月かな
によって、現代人の間でも愛宕神社は名所旧跡となっている。
薪ストーブの暖房が効いている社殿内の休憩所で昼食。
リュックのポケットに入れていたペットボトルの水は、氷水のように冷たい。周囲の気温が0℃前後なのでしかたない。
神札授与所で幣札(200円)と錦守(800円)を購入。 雪深い山奥で神社を守ってくれているのだから、1000円分くらいは御札類を買わないといけないような気がする。
愛宕神社 〜 清滝
25分ほど休憩した後、11時19分に下山開始。
社務所前の休憩処に温度計があるので見てみる。ちょうど0℃。
社務所のトイレに行った時に、近くの木の枝を見ると「海老の尻尾」と呼ばれる霧氷が枝全体を覆っていた。 年末年始は結構冷え込んだのだろう。明日は雨の天気予報なので、残念ながらこの霧氷も溶けてなくなる運命だ。
下山は写真撮影することもなく、高速下山。
アイゼン装着で歩いている水尾わかれ休息所までの間は、小走りで駆け下りることが出来る。それ以降はぬかるみや濡れた岩で滑って転倒しないよう、慎重に降りなくてはならない。
結果として、目標としていたバスの出発時刻には間に合わなかった。
12時38分、登山口の二の鳥居を通過。下山の所要時間は1時間19分だった。
水分ヨシ! 塩分ヨシ!
体調ヨシ! トイレなし!
登山ではアタリマエのことだが、一般の観光客も来る愛宕山では「トイレなし!」が最も重要な注意点だろう。
清滝 〜 自宅
■ 京都バス 清滝バス停 13:02発 → 阪急嵐山バス停 13:21着 (運賃 230円)
バスは、阪急嵐山線の電車にぎりぎり間に合うタイミングで嵐山駅前に到着。 渡月橋付近の渋滞や、観光客が道路に溢れかえることがなかったため、時刻表通りに走ったと思われる。
■ 阪急嵐山線 嵐山駅 13:27発 → 桂駅 13:35着
■ 阪急京都線 特急 桂駅 13:38発 → 梅田駅 14:23着 (運賃 嵐山から 400円)
■ 京阪中之島線 大江橋駅 14:40発 → 中之島駅 14:45着 (定期券区間)
京阪電車は、休日のため京都市内で乗客過多で遅延し、またしても遅れてやってきた。 宿泊施設だけでなく、交通機関までキャパシティを超えているのに、まだガイジン観光客の入国を制限しないのだろうか。